事件 終
森に囲まれた燃える城。
魔物の巨大集団化や突然変異体の存在を察知、必要であれば王都に応援を求めたりし民の安全を守る為に建てられたその城は今その役割を失おうとしている。
空には黒い煙が上がり地には死体の山が出来ている。
黒装束の人間の死体も少しあるがそのほとんどは城の兵士だった者である。
その中で一体の植物種の魔物と黒装束の集団が戦いを繰り広げていた。
クソクソクソッ!
判断を間違えた。
手を出さずに隠れていればよかったのだ。
魔物への進化で気が大きくなっていた過去の自分に憤怒する。
最初の奇襲で敵の体に寄生するのに失敗し、仲間を呼ばれてしまった。
最初3、4人しかいなかったのに今は15人以上いる。
すでに何本か触手も斬られた。
「気をつけろ!まだ仲間がいるかもしれん!半分は周囲の警戒!もう半分でコイツを始末する!ケイザルの腕を一撃で引きちぎった魔物だ!数で勝ってるなどと馬鹿な油断はするなよ!」
リーダーだと思われる男が指揮をとる。
この男が来てからすぐに周りを囲まれてしまった。
正確には数えていないがその間10秒くらい。
絶対絶命。
だがこんな時でも、いやこんな時だからこそ焦ってはいけないと自分を無理矢理落ち着かせる。
しかしいくら落ち着こうとしても死にたく無いという感情が前に出て焦ってしまう。
俺が消えない焦りと戦っているその時黒装束の一人が大声を上げる。
「リーダー!向こうから大量の魔物が!その数20体以上!ゴブリンやハイゴブリン、、、オーガもいます!」
「チッ退け!そんな大群、対人の為に造られた我々が相手出来るものでは無い!」
リーダー格の黒装束は舌打ちを鳴らし迷わず命令を下す。
そして黒装束はリーダー格の指示に素早く対応する。
あっと言う間に黒装束達は消えてしまった。
なんか嵐の様に来て嵐の様に去って行ったな、、、。
過ぎ去った危険に安堵する。
しかし第二陣、魔物軍団がこちらに向かったいるのだ。
今度はさっきの様な失敗はしない。
絶対に見つからない様にお花のふりをするのだ。
複数の足音が近づいてくる。
木の影から出てきたのは人間の腰ぐらいの身長でちっちゃいツノが生えた奴複数と人の2倍くらいの大きさの先と同じくちっちゃなツノが生えてる生物。
うわぁ怖ー。
「そっちはどうだ?」
「ダメだ。いない。」
「探せ。生まれたての魔物だ。まだ遠くには行っていないはず。」
、、、これもしかして俺を探してね?
ていうかなんで魔物の言葉がわかるんだよ。
もしかして人間の言葉と同じなのか?
「スキル発動 サーチ」
ん?なんかあいつの手光ってね?
一体手のひらが光っているゴブリンがいる。光る手のひらを空に掲げこちらに向かってくる。
「、、、。」
、、、。
「見つけた。この青い花だ。連れて帰るぞ。」
え?
身長差のせいでしゃがんだゴブリンが凄い大きく見える。
メアリの時とは違いゴブリンは周りの土を掘って植木鉢に俺を植え替えた。
いやそこはいいんだけどさ、え?俺何されんの?
いつものペースで書けずにちょっと予定より遅れてしまった、、、。
今回も読んでいただきありがとうございます。
事件編終了です。