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3話 学校
無事に校内に入った俺は、改めて敷地の広さに驚いた。まず校舎だが、普通校の1.5倍ほどだろう。おまけに、魔術実践競技場まである。それらを眺めながら、俺は職員室前まで歩いていく。普通校となんら変わらないドアをノックし、開ける。
「失礼します。本日からお世話になる江島栄司です」
そう言いつつ入ると、職員の視線が集まるのを感じる。するとそのうちの一人の30歳ほどの男性がニヤリと笑いながら立ち上がり歩み寄ってくる。
「ようよう転校生。俺が担任の阿賀宗だ。ほんじゃ、そろそろ朝学活が始まるから教室に行こうや」
そう言うと、こちらを待たずにすたすたと歩いていく。どうやらかなりマイペースなようだ。俺は慌ててそれについていき、失礼しましたと呟き、ドアを閉める。