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困った従者

ハイスペッカー従者がやらかします(笑)。

主人公、ファイト(笑)。

優秀な従者が二人居る。

個々の能力も申し分無い。

ただそこに俺が関わったら別物になるってどーなの。

 

◇◆◇◆◇◆

俺達は、ある大きな国の城下町に居るのだが、俺は今モーレツに逃げたい(某熱血勇者風に)。

 

 

「黒です!! 美しい金の髪に白い肌のお嬢様には、絶対黒の服です!!」

 

「いいえ赤です!! 確かに黒もお嬢様には似合いますが、赤の服だって金や白に映えます!!」

 

 

俺の従者であると豪語して憚らない、執事姿の闇竜ラヴィッジと、メイド姿の火竜アンゼリカがヒートアップしているのは服屋の店内である。

防具もある服屋だが。

最近二人は俺を着飾ることを趣味にしていて、何故か己のシンボルカラーを俺に着せたがる。

 

何故じゃ? って某不幸が代名詞の軍師の口癖が、俺も口癖になってきてる。

日本人だったときは黒も赤も好んで着てたんだが。

それに今の俺の姿を良く見てみろ?

某コーヒー愛好検事のマスク着けてんだぞ? 解ってる?

 

ギャアギャア騒いでいる従僕達をどうしようか。他人の振りをしてやりたいが、「お嬢様」なんて単語に当て嵌まるのは店内では多分俺だけだし、店員も困ってるし。

んー………、悪手かもしれんが既に悪目立ちしているし、何もせんよりマシだろう。物凄くダメージをかっ食らいそうだ。主に俺のメンタルが。

 

 

「ねぇねぇ、両方一緒じゃダメなの?」

 

 

トコトコと言い合う二人に近付いて、小首を傾げてみる。

可愛らしく、出来るだけ可愛らしくと念じつつ出たのは所謂「良家のお嬢様」の声で、外見年齢にも伴っている。

しかし身体は正直で、全身に鳥肌が(笑)。

上目遣いも出来ればいいけど、なんせあのコーヒー愛好検事のマスク付きだから流石に無理だろう。

そしてその想像をしない。

しないったらしない!!

言い合っていた二人がピタリと動きを止め、マジマジと俺を見ている。

やっぱり止めときゃ良かったか………?

軽く後悔していると、一拍の静寂の後に。 

  

 

バタバタバタバタバタバタバタバタッッ!!!!

 

 

物凄い勢いで二人が店内を駆け回り、気付けばカウンターに山の様に服が積まれていた。

 

………何が起こった?

 

◇◆◇◆◇◆

宿屋の一室で、土下座している従僕を睥睨している。

このファル・ジュナスにも土下座があるんだネ☆なんて言う現実逃避は宇宙の果てにかっ飛ばす。

 

で、だ。

 

 

「………俺に言う事は?」

 

「申し訳ありません、ですがお嬢様の執事長としてこのラヴィッジ、一片の悔いもございません」

 

「私、アンゼリカもお嬢様のメイド長として、一片の悔いもございません」

 

「何処の世紀末覇者だよお前らはっ!? ………っとにもー」

 

 

正座したまま、キラキライイ笑顔の従者にがっくり項垂れつつ、山積みされた荷物を見る。

あのあと二人は街の店と言う店を、ハイスペッカーならではの素晴らしきポテンシャルで全て回った。

そして大人買いならぬセレブ買いを実行したのだ。

お蔭で諸国漫遊している大富豪に間違われたじゃねーか。

しかも恐ろしい事に、俺の成長を見越して必要な物を買ったと言う。大きめの服が在るのは成程、その所為なのか。

異次元バッグに収まるかしらん?

 

 

「お嬢様。来年は更に外見年齢が上がります故、このような手段を使わせて頂きました。ぶっちゃけ私はお嬢様のお着替えと、今日の様なプリキュンなお姿が楽しみなだけですが」

 

 

プリキュンて何!? つか、アンゼリカ!? お前そんなキャラだったか!?

 

 

「また、お嬢様は次期竜王陛下でございます。それ故私が行う戦闘訓練に耐え得る防具一式を見繕ってまいりました」

 

「………ナンデスト?」

 

 

い、今、ラヴィッジが物凄いバトルマニアな発言かましたっ!?

ギギギ、と油が切れた鋼鉄製ゴーレムの様な動きで従者達を見る。

未だキラキライイ笑顔持続中。

 

こいつら本気だ―――!?

 

◇◆◇◆◇◆

頼むから、実質一歳の俺に過剰な期待とプレッシャーを掛けないでくれ!! 

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