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オレ、初バトル

オレの神使、リオを探し連れて帰るため南の鉱石の国ダイダルへと向かう事になったオレ、ハク、タイガ、ドラゴ


今はオレが転生したときに初めて飛ばされた平原の上をドラゴの背に乗って飛んでいる

もう夕方だ

ドラゴンの背に乗って飛ぶなんて経験初だけど飛ぶ時の感じはなんとなく体がわかってた

転生した時に記憶に入ってたらしい


「やっぱアカンってシギンはん!!」


オレの腰にしがみついてハクが叫ぶ

しょうがないじゃないか

飛んでしまったんだもの

ということでハクの訴えは無視

ちなみに結構前から訴えてきてるけど無視し続けてる


「なぁ、もう夕方やん

今日はこの辺りで野宿しよーや」


無視されても懲りてない


でもまぁハクの話も一理ある

夕方だし、ドラゴも飛びっぱなしで疲れてきたみたいだし、オレも腹が減って来た

よし、降りるか


オレの降りるぞと言う声を聞いてハクはこの上なく喜んだ


こうしてオレらは地面に降りて野宿の準備を始めた

ドラゴは明日も飛んでもらうので休んでもらい

ハクは火をおこす

タイガは自分とドラゴの分の飯を取りに行った

オレはルリアさんがくれた材料で簡単な調理を開始した

今夜の晩飯はなんかいろいろ入れた鍋だ

別にそんな突拍子のないものは入れてないからまぁまぁうまいと思う


みんなで焚き火を囲み飯を食う

結局タイガは自分とドラゴ用に鹿を大きくしたような魔獣を仕留めて来たようだ


こうして飯も終わり簡単に明日の事を話して今夜はに寝ることになった

まぁ明日の移動法についての話し合いでハクと一悶着あったのは言うまでもない

オレは今日もタイガたちに挟まれて寝る

だんだんこの寝方にも慣れたよ!

だって毎日こうやって寝てるもの


まぁリオ探し1日目は特になにもなく終わった………………




はずだった

真夜中にタイガたちがグルグル言ってると思って「どうした?」なんて言いながらオレは起きた


辺りを見ても暗くてイマイチよくわからなかったけど

まわりを何かに囲まれてるのはわかった

オレはハクを起こした


「なに?シギンはん?

まだ夜やんかぁ?こんな時間に起こさんといてぇや~」


「バカ!寝ぼけてないで起きて周り見ろって」


ハクはこの辺でやっと現状を理解した

でもあわてる様子もない


「なぁ?あれなに?」


「お前が知らないもんオレが知るかよ」


なんて言ってお互い構える

数だけならたくさんいるようだ

ここに来てオレ初バトルなんじゃね?

ちょっとテンションが上がって杖槍を構え直す

まぁいくらテンションがあがってると言ってもオレは前に死にかけた経験がある

ここで調子に乗ってて死亡なんて悲しい事にはなりたくない

落ち着けオレ


オレはフーッと息を吐いて魔力を目のあたりに集中させる

やっぱこっちでも禁眼の二つ名が使われてるって事はこの技も使えるはずだよな?

オレは目に魔力が集まったのを感じると目を開いた

オレの目は金色に変わっていた

この目がオレが禁眼と呼ばれる所以だった

これは獣眼と言う技でいちようクロガネさんから習ったことになってる

開眼する事でいろんなリミットを解除する事ができる技だ

今回は夜目が利くようにして視野を少し広げただけだが

もっと魔力を使い開眼すると全方位に視野が利いたり

タイガやドラゴとリンクしてタイガたちの視点で物が見えたり

もっと究極までいくと自分を犠牲にして魔力を高めたり、身体能力を向上させたりできるとか

まぁオレは魔力を高めたりや身体能力を向上させたりはできないんだけどね


とにかくこれで周りが良く見えるようになった

奴らはまだ襲ってこない

そいつらはグレードモーモンという名前の猿をバカでかくしたようなモンスターだった

ゲームの中で何度か対戦したことがある

確か個々の戦闘力は低いけど群れるから倒すのがめんどくさいモンスターだったはず

この数ならB級4人または4チームぐらいで倒せるはず


「全方位にざっと100程度だ」


ドラゴが飛んで数を調べて来てくれた

実際に戦ったことなんてないからイマイチ実感がわかない

でも負ける気はなぜだかしなかった

オレはタイガにまたがった


「50はハクがやってくれるだろ

オレらはとにかくノルマ50だ」


ドラゴも戦うと言ってくれたがドラゴには明日も飛んでもらわなくてはならない

丁重に断って待っててもらうことにした


タイガはモーモンに向かって地を蹴る

オレは槍を振り回してモーモンを狩ってゆく

これぐらいなら魔法を使う必要もない

オレが狩きれなかったモーモンはタイガがカバーしてくれる

戦ってる途中にチラッとハクを見たけどハクも問題なさそうだ

イヒイヒ笑いながらバズーカみたいのをぶっ放してる

あんなんだから『鬼神』なんて二つ名がつくんだ

仲間のオレでも怖い


俺らは着々とモーモンの数を減らしてった

途中逃げていくやつもいたから実際100も倒してないと思う


「こっちは終わったで~」


「こっちもだ」


お互いちょうどいい感じに戦闘を終わらせドラゴのいる中心のキャンプへと戻る

辺りはモーモンの残骸や血肉が散らばっていた

血のにおいもする上

せっかくもらったコートや靴や杖槍も返り血で血まみれだ

タイガも返り血で赤黒くなっている

あまりいい気分じゃない


「中途半端な時間になってもーたな」


「とにかく体洗いたい」


ということでオレらは場所を移動して

小さな泉に落ち着いた

タイガとオレとハクは体を洗って

防具なんかもキレイにした

こういうのはゲームと違ってめんどくさいな

とりあえず火を焚いて服が乾くまで待つ

もう明け方になってきていた


「なんか初戦だったけど余裕あったな」


「ホンマシギンはんは好戦的やわ~

初戦はどんなやつでも血やなんかにビビるいうのに」


あんなにイヒイヒ笑顔で戦うやつには言われたくない

でもショックがゼロかと言われたら嘘になる

前世じゃあ槍なんて使ったこともなかったしあんな大きな動物を殺すなんて経験もなかった


「なんか、疲れた」


「寝ててええで

起こしたるわ」


「いや、いい」


なんか精神的に結構ダメージ受けてるっぽいぞオレ…


オレらは朝飯を食い

服が乾いたのを見計らって出発した


もうすぐダイダルの国境なのでそこまでは歩いて行くことにした

だんだん草木が減って砂地になっていく


ダイダルの国境でもオレらへの視線は相変わらずだった

ハクが兵士にグレートモーモンを討伐したことを伝える

モンスターを大量討伐した場合

ギルドやこういうところで申告しなくてはならないらしい

モーモン討伐のことを聞いた兵士は目を白黒させててちょっと面白かった

この時昼過ぎぐらいだった


関所を通ると自ずと人も増えてくる

ドラゴに乗りたくないハクとこれ以上目立ちたくないオレは利害が一致したのでここからダイダルの王都までは歩いて行くことになった

歩いても今日中に着けるらしい


「あら~5000ジュエルなんて持ち合わせていないんです~」


「あぁ?お前ら庶民じゃ手の届かねえ用な高級な服汚しといてなに言ってんだよ!」


「こっちは5000ジュエルですませてやるって言ってやってんだろ

払えないって言うんじゃあ奴隷にでもなんにでもなって払ってもらわねぇとな!」


「そんな…」


なんかモメているようだ

どうやら典型的な感じでヤンキーが絡んでるっぽい

ヤンキー4人VS女の人


「奴隷商やな

あーやって気の弱そうなやつにあることないことふっかけて

つれてくんや」


かわいそうにな~とハク

じゃあお前助けて来いよ


「汚したんだから責任とってついてきてもらわねぇとな!」


女の人は引っ張って連れていかれかけてる

あぁ!もう!


「あの~

邪魔になってるし、みっともないんでどいてほしいんですけど…」


これ以上目立ちたくないんだけどな~…

でもここで言わなかったら男じゃない


できるだけコートについてるフードで顔隠しつつ

絡んでるヤンキーに声をかける


「あぁ!じゃあお前が払うってのかよ!

5000ジュエル!!」


やっぱりこっちに来た

怖いな~…


しかしこっちに近づくに連れてヤンキーたちの様子が代わり始めた


「おい、コイツって…」


「やべぇって、あそこにいるの鬼神だろ

じゃあ…」


「最近一緒にいるの良く見かけられてるらしいしやっぱり?」


あーあダメだもう隠せそうにない

オレは少し顔を上げて言った


「だからどけっつーの」


ヤンキーはオレの顔を見て一瞬の沈黙の後に


「「「「禁眼だぁぁぁぁ!」」」」


と叫んで逃げてった

目立っちゃったよ


「シギンはんあんなに目立ちたくない言うてたのに

アハハハ!」


ハク大爆笑


「うるせーよ!!」


この時にはすでにオレらは注目の的状態だった

前世でこんな扱い受けたことがないからドキドキする


「あの~」


後ろで声がする

はい、なんでごさいましょうか?

振り向くとあの女の人がいた


「いや~助けていただいてありがとうごさいました」


「いいっていいって!ダイダルまで行くついでに見つけただけだから」


爽やかに手を振ってみるオレ

ヤバい自分に酔うとはこのことか!!

オレ今かっこいいんじゃね?

女の人はあと少しで奴隷にされそうだったというのに余裕綽々だ


「禁眼のお兄さんはダイダルまで?」


「あぁ」


「歩いて?」


「…まぁ」


別にあえて歩く必要も無いんだけどね


「ではお礼と言うことで私の馬車でダイダルまでいきません?

歩きですと夜までかかりますよ?」


ハクもドラゴには乗りたくないみたいだしオレはオレで気疲れしたからありがたくお言葉に甘える

オレらは馬車の荷台に乗り込んだ

馬車のとこには小柄なメルという名の付き人の少年がいた

この人お金持ちなのか?


どうやら女の人はサラキという名前でダイダルでもそれなりの地位がある人らしい

今日はたまたま関所の方までお忍びでお出かけにきていたとか

サラキさんは薄い金色の髪に緑の目の細身できれいな人だった


「お兄さん達は禁眼と鬼神なんでしょ?

強いんですか?」


メルが御者台から叫ぶ

本人の前で言っちゃうんだその二つ名…


「強いで

とくにこっちの禁眼のおにーさんは一夜にして国を滅ぼすほどの……いてっ!」


話盛り過ぎなので鉄拳を一発

ハクは荷台でゴロゴロ転がっている


「この猫ちゃんとトカゲはお兄さんの召喚獣なの?」


サラキさんがタイガたちを指して言う


「猫ちゃんなどと言うではない!

我らは神獣なるぞ!」


「そうだ!断じてトカゲなどではない!」


タイガとドラゴが叫ぶ

いきなり目の前の猫とトカゲが喋ってのでサラキさんはびっくりしたようだったがすぐに「かわいい…」と言いながら二人と遊び始めた

天然ちゃんなのか?


「ほら!禁眼のお兄さん!ダイダル見えて来ましたよ!」


メルが言う

コイツ今後も禁眼って言い続けるつもりか


馬車は砂地を走りダイダルへ近づく

すっかり忘れてたけどここにリオがいるはずだ

オレは気を引き締めるように息を吐いた

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