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オレ、冒険に出る

オレはまたフツーじゃない状況下にいた

前にもあった、しかもつい最近

よーく覚えてる


オレはあの真っ白な空間にいた

上も下もわからないようなそんな空間に

そしてやっぱり目の前には一際白く光る塊があった


「あ、ハローハロハロー

昨日ぶり~♪」


なんて陽気に声をかけてくる


(……こんにちはリオさん)


一応挨拶

だって一応神様だし


「あれ?名前しってんの?」


(ルリアさんに教えてもらいました

多分あなたから教わるべきものほとんど)


「いや~ごめんごめん

本当はミリアガイアの中に転送しようと思ってたんだけど

手元狂っちゃった」


この人本当に神様なんだろうか

いや?神様じゃなくて神使っていうのか……


「いや~あたし自身も変なとこに移動しちゃって焦った焦った

あ、あと呼び捨てでいいから」


………やっぱり今後が不安になるな…


(じゃあリオ

今どこにいるんだよ?)


呼び捨てがオーケーされたので自然と敬語も外れる


「あ、うーんとそれはねぇ…………」



ここまで聞いたとこで何も聞こえなくなってしまった

なんか腹に重い物が………


「………ン…………ギン…………シギン!」


と言う声とともに頭に衝撃


「いってぇ!!」


起き上がって目をこする

そしてやっと今の状況を理解する


「おはよーでやんす」


腹の上にヘルスがのってる

腹の重みの原因はこれか


「早く起きな朝飯なくなるで~」


ハクがオレの枕元から歩いていく

頭の痛みの原因はこいつだ

間違いない、昨日のベッドの恨みも含めてしめる!

オレは起き上がるなりハクめがけてタイガとドラゴを向かわせる


「ギィィィャャャア!!

来るなぁぁぁ!!」


およそ人間とは思えない声を出して

ハクが逃げて行った

ザマアミロ!


「おはよーシギンくん」


「おはようございます」


ルリアさんと挨拶を交わす


「ハクとタイガちゃんとドラゴちゃんはまだ戻ってこなさそうだからご飯食べちゃいましょうか」


ということでルリアさんとヘルスとオレは飯を食い始める

やっぱりヘルスの飯の方が豪華そうなのはスルー

こっちも十分おいしい


途中でハクたちが帰って来た

ハクはもう汗びっしょりになってる


「えらいめにあったで」


と言ってオレの隣の席につく

もちろん頭を小突かれた


「良い運動になった」


「うむ、同じくだ」


タイガとドラゴにとってはその程度だったらしい

ハクが悔しがっている


こうして飯も終わり

本題の探知の方を確認に行く

そう言えばあのおおよそ偶然とは思いづらい夢の続きが見えてればこんなことしなくても良かったんじゃね?

くっそ、ハクめ


「魔力回収できたでやんす

あ、地図あるでやんすか?」


ということで地図を机に広げてその周りを囲む

ヘルスは地図の上をぐるぐると這う

オレの魔力はさすがにタイガ、ドラゴ、ヘルス、技への魔力で減り始めてるがまだ余裕がある


「ここでやんす!!」


ヘルスが尻尾で示す先に皆集中する

ヘルスが示す場所は…


「ダイダル…」


そう、ルリアさんの言う通りダイダルだ


「ダイダル言うたら

鉱石や鉱物なんかで栄えた国やん」


「砂漠地帯の中のオアシスを中心にできた国だな」


「ダイダルのダイヤは良い魔法石の素材になるらしい」


ハク、タイガ、ドラゴの言う通りだ

ダイダルはまさにアラビアンナイトのような国

空飛ぶ絨毯もあればターバンを巻いた人もいる

その代わり貧富の差が大きい

そんな国だった………はず


「ダイダルはミリアガイアから南に馬車で一週間のとこよ」


そう「馬車」で一週間のとこだ

今のオレらならもっと早く着く


「さて、

じゃあどうする?」


とルリアさん


「ひとまず迎え行くのは決定やろ

迎えに行くにしても出発は明日やな」


「なんでだよ

今すぐにでも行こうぜ」


早く連れて帰ってさっさとファンタジーな世界を楽しみたい


「アホか

準備や準備、特にお前のや」


「オレの?」


「だってシギンくん

あなた防具も武器もないじゃない」


………そうでした

それで軽く死にかけたんでした…


「っつってもオレ金、初期の10万ジュエルしかないんだけど…」


前世のゲームの中での記憶から考えても10万ジュエルじゃ革製のレザーメイルと鉄の剣、

要するになにもないに等しい装備しか買えない

今からギルドで仕事してからじゃあ時間がかかりすぎる


「アホ~

こっち来い」


ハクは踵を返して歩いていく

誰がアホだ

とにかくハクについていく


「好きなの選んでええで」


ハクが連れて行った先には大量の武器や防具があった

鎧や剣なんていうファンタジー感丸出しのものもあれば鎧兜や日本刀みたいな日本風のもの、銃みたいな超現代的なものまである

機関銃や大砲なんてものまである


そうだ、こいつ武器屋のオーナーだった…


オレは早速選びにかかった

できればゲームのとき使ってたやつに近いのがいいな


ハクのアドバイスを受けながらオレはマジックインゴットと言う鉱石からできた杖槍と丈夫そうな革ズボン(転んでも破けなさそうな)とシャツ、革靴そしてフードのついた長いコートのような防具をもらった

これハクはほいほいくれてるけど多分それなり金がかかってる

特に杖槍は槍の役目と魔法の発動を補助する杖の役割を両方果たしてる上マジックインゴットだ150万ジュエルは下らないはずだ

ハクのブランドってことになればもっとかも知れない


「いいのか?これ本当にもらって?」


「ええで、貸し一つや」


………はめられた

でもまぁここは素直に感謝しておこう

貸しの話は別として


「後は回復系の薬やな

うちら二人とも攻撃型やし

うちの回復魔法にもシギンはんの回復系召喚獣にも限度があるけんなぁ」


ということで王都に出て手頃そうな回復薬を買い占める

もちろんハクが

だってオレ金ねぇもん

買い物中の周りの視線はめんどくさかったがタイガが元の姿でついて来てくれたので近くまでよってくる奴はいなかった

ちなみにヘルスは自分の役目を終えたため戻ってもらった


「またいつでも呼んでくださいでやんす」


なんて言ってた

ルリアさんはヘルスが戻るのを相当嫌がったけどね


「さて準備完了や!!」


すべての準備が終わったのは空が暗くなり始めてからだった

やっぱ出発明日にして正解だ

めっちゃ疲れた

無料武器防具支給の労働として荷物を全部持たされた

さすがに多すぎて途中タイガに手伝ってもらったけど…


「お疲れ様~」


ルリアさんが皆に飲み物を振る舞ってくれる

マジで疲れた…


「我にあのような負担を強いるなどとはハクめ…」


タイガも疲れたようだ

そしてオレもタイガと同意見

あのやろう


「ほな明日や

早くに起きてもらうけん

今日は早く寝ぇやー」


くそう!あいつ元気で腹立つ!

結局今日もタイガとドラゴに挟まれて雑魚寝となったオレ

なぜならハクがまた早々と部屋に戻った挙げ句鍵をかけたからだ

流石にドアを蹴破るのは気が引ける

ハクの家だし、オレ居候だし

恩があるのは確かだからな

こうしてオレはMeviusでの二日目を終えた



次の日

オレとハクとタイガ、ドラゴはミリアガイア南街の関所に来ていた

もしもリオと入れ違いになったときやハクの店の事も考えてルリアさんは留守番になった

ルリアさんがタイガ、ドラゴと離れるのを泣いて嫌がったのは言うまでもない


「ほな行こか~」


関所で昨日のうちにハクが申請しておいたダイダルで使う手形を受け取りオレらは出発した

本当は手形が1日で取れる何てことないはずだがハクの事だし裏から手を回したりしたんだろう

聞いてもしらばっくれるばかりなので諦めたけど


「ハク頼むって!」


「イヤや!ドラゴに乗ったりするぐらいなら歩いてダイダルまで行く方がマシやって!」


そしてオレは今ハクをドラゴに乗せようと奮闘中

歩き出して数分したところでドラゴが


「我ならば2日程度で着くことができる」


と言うのでドラゴに乗って行こうとしたところハクが大反対しだしたのだ

そうだ、こいつドラゴたち苦手なんだった


「歩いて行ったりしたら2週間は下らないって!」


「イヤやって!」


とさっきからからこれ10分この調子


「じゃあハク考えろ!

歩いて2週間タイガたちと生活を共にするか

今我慢してドラゴに乗ってできるだけ早く帰るか!」


「……………」



ということでまだブーブー言っているハクをドラゴの背に乗せ

オレらはダイダルへ再出発した

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