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オレ、神使を探す

こっちの飯は地球で食ってた飯と対して変わらなかった

フツーにおいしい


オレは今、アマクロス邸で夕飯を食ってる

飯はルリアさんが作ってくれたとか…

オレらの食ってる飯よりタイガとドラゴが食ってる飯の方が手がかかってそうなのには目をつむっておく


「で、いろいろ聞きたいことがあるんだけども…」


一通りの料理を食い終わってオレが話を切り出した


「そうね、何から話そうかしら?」


ルリアさんは持っていたカップを置いて

腕を組んだ


「まずあなたたち二人はテンの中でも高位な方だと思うわ

私もどの神使にどういうテンがついてるかをすべて知ってるわけではないんだけどね

あとそうねあなたたちはこの世界がどういう成り立ちでできたかしってるのよね?」


「えぇ、まぁ神様のめんどくさがりがもとでできたってぐらいは…」


「まぁあながち間違ってないわ

でその神界の中でも上位の神様たちがいろいろあってとっさに作った世界だからそれなりに欠陥があるのよね

欠陥っていうのは補正しないといろんな形で不便が起こるわ

でその欠陥を補正するために私とハク、リオとあなたみたいな神使とテンのペアがここに送られたのよ」


なるほど、その欠陥の補正って言うのがオレらの使命ってやつってことだ


「でも具体的にどういうことをすれば世界の欠陥の補正ができるかはまだ私たちにもわからかったのよ

でとりあえずは私たちはこの世界で不便がないように私たちがサポートすればいいって言う結論に至ったのね」


いい加減な気もするがまぁ納得


「要するに私たちが不便に感じない世界ができれば欠陥の補正ができるってこと」


「じゃあ特にこれをしろって言う指定は今のところないってことっすね?」


「そのとうりよ

大概の危機には対応できるようにテンを選抜したから大概の欠陥はあなたちで補正できるはずよ

ただそれだけだと不安だからサポートとして私たち神使がいるって事

わかった?」


わかった

オレらはひとまず普通の生活を送っていればいいと

でどうしようもない危機が起きた時はそれを退けるために尽力を尽くさなくてはならないと


「でそのオレの神使とやらのリオ…さんはどこ行ったんですか?」


このリオと言う神使がいなければ話にならない

なぜならオレは何も知らないに等しいからだ

……自分で言って悲しくなってきた…


「さぁ?多分今のところこの王都にはいないはずよ

でもリオがこの世界に来てることは確かよ」


行方不明は続行中と言うことだ


「そこで!!頼りになるのがあなたの召喚です!!

あなたの召喚獣スペックの中に探査系魔獣がいるはずよそれでリオの居場所を割り出すのね」


なるほどいた気がする


オレはすぐさま召喚に移る

タイガとドラゴは召喚しっぱなしであるが特に戦闘したわけでも

大きな魔法を使ったわけでもないのでタイガたちによる魔力の消費よりオレの魔力の回復力の方が勝っているので問題ない

オレはそいつを召喚した

食卓の上にそいつは乗っている


「あぁ~ん!やっぱりかわいい~ん!」


飛び付こうとするルリアさん

この人にかかれば何でもかわいいんじゃないだろうか

ちなみにハクはこいつなら大丈夫らしい


「タイガがたに比べたらちっこいなぁ…」


なんて言って普通にさわってる

こいつはこいつでどこがボーダーラインなのかわからない


「シギンの旦那、お久しぶりでやんす」


なまりの強い言葉で喋ったそいつは

オレンジの体に茶色い斑点の着いた蛇だ

名前はヘルス


「ちょ、誰でやんすか!

はなれるでやんす!」


自分に抱きつくルリアと興味津々に触るハクに向かってヘルスが言う

こいつは蛇のわりにあんまり怖くない


「そいつはヘルス、毒とか解毒とか薬系ので使う魔獣だけど

捜索や探知なんてのもできるオールマイティなやつ」


オレがヘルスをやっと離れたルリアさんとハクに紹介する

ヘルスは胸を張ってどうだと言わんばかりのドヤ顔だ


「ルリアさんなんかこいつにリオ……さんの匂いなり魔力なりをなんとかして伝えれませんか?」


「私なんかよりあなたがすでに持ってるわよ」


とルリアさん

オレなんか持ってたっけ?


「シギン、お前の指輪だ」


とドラゴ

なるほど

オレはポケットから指輪を出す

風呂に入った時に着替えと一緒に洗濯物へ

なんていうベタな失敗はしません

とりあえず指輪をヘルスに渡す

ヘルスはそれを器用に尻尾の先で摘まんで自分の顔に近づけてしばらくじーっと見つめたり匂いをかいだり振ったりして観察してた


「準備完了でやんす!

じゃあシギンの旦那、探知開始しやす」


ヘルスは探知を始めるために外へ出て行った

こいつは大地の魔獣だから地面や草木などを使って目標を探知するのだ


「探知には時間がかかるであろう

今後どうするか等々は探知の結果が出た明日にすべきだ」


とタイガ


「でもヘルスちゃんが頑張ってくれてるのに私たちだけ休むなんて気が引けちゃうわ~」


「それは大丈夫でやんす」


外に出たはずのヘルスがいつの間にかオレの足元に戻って来てた


「こいつの探知はオレの魔力をこいつ経由で地面に流してエコーみたいな感じでやるものなんでこいつは技発動時と帰って来た魔力の回収だけすればいいんすよ

わざわざ夜通し起きてないといけないことはないんです

オレが夜通し召喚させ続けとけばいいんで」


「シギンの旦那、なんかそれだとあっしが大して頑張ってないみたいな言い方になってるでやんす…」


ヘルスは今の説明に不満そうだが本当の事なんだから仕方がない

ルリアさんやハクも納得したようだ


ということで今日は休むことになった

寝具が二つしかないらしいのでルリアさんがオレにベッドを譲ると言ってくれたが女性を差し置いてベッドを使うほどオレも卑劣ではないので丁重に断っておいた

というよりこういう時はハクが譲ろうと言うべきではないのだろうか

そう思ってハクを探してみたところハクは早々と自室に戻ったと言う

くそっ!あのやろうおぼえてろよ!


ということでオレはタイガとドラゴ、ヘルスと寝ることになった

タイガを枕にして横になりドラゴとヘルスの間に挟まる形で寝る

毛布は借りたので寒さ対策はバッチリ

寝心地も案外いい


「おやすみ~」


いちよ召喚獣たちにも声をかける

すると律儀に返事を返してくれた

こういうとこがあるとここが現実だという実感が湧く


オレはこの夜やっと自分が転生した実感を得た

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