始まりは突然に-6
朝から大変な一日でした。
「おい、凪!てめぇ、あの先輩と付き合ってんのかぁ?」
「付き合ってねぇよ」
「じゃあ紹介して下さい!」
ダチその1、2、3が土下座。馬鹿だ。馬鹿がいる。
「めんどいからヤダ」
「凪!俺らはお前を呪うぞ?」
「勝手に呪ってろ!」
みたいなのが何回か。
「十六夜君、昨日のって彼女?」
「違う」
「えっ!じゃあ今彼女いないの!」
喜ぶな!女子共!
「そ、そっか。うん。そだね!」
いや、わけわかんない自問自答始めないでくれ。
ってのもあった。
一番大変だったのは、卓球部のダチ。
「凪、卓球部やめたのか?」
「ああ。やめさせられた。」
高橋公然わいせつ物先輩に。
「でも昨日の彼女は部活って言ってけど、どっか入ったのか?」
どう答えればいいんだ?二次元部って言ってみるか?確実に引かれる。
「まぁな。」
「どこの部だよ?」
「え~と、・・・山口さんと同じ部活。」
嘘は言ってない。
「山口と一緒・・・ってことは文芸部か!お前がなぁ~似合わねぇ~」
「余計なお世話だ。」
山口さんがこっちに視線を向けてる。
名前だしたのが聞こえちゃったかな。とりあえず、ゴメンと目で謝っておく。
そして放課後、美雪さんが俺と山口さんを迎えにきたけど、山口さんは先に一人いってしまっていたので、結局また二人で部活に向かった。クラスの連中の視線に物理的攻撃力があったら、もう瀕死を通り越して死亡になるくらいの怖い視線を浴びたけど、なんとか部活までたどり着けた。
なんかドアの前に山口さんが立ってる。
入らないのかなと思いながら、ガラッとドアを開けた。そして、ドアが外れそうな勢いで閉めた。
「どうしたの?」
「いや、中で高橋先輩という名のでかいゴキブリが着替えたもんですから、つい。」
「それなら仕方ないね。」
うんうんと頷く美雪さん。
「それはそうと、美雪さんって呼びにくいんで先輩でいいですか?5文字は呼びにくいんです。2の倍数なら呼びやすいんですけど。」
「ダメ。呼びにくいなら、・・・ユキって呼んで。」
「そっちの方が呼びやすいですけど、恥ずかしんですが」
「じゃあユッキーとかユキポンにする?」
小さく首を傾げて聞いてくる。
「ユキでいいです。」
「じゃこれからはユキさんかユキ先輩、ユキのどれかで呼んで」
その時、ゔ、ゔ、ゔとケータイが鳴った。
メールがきたみたいだ。内容を確認。
「ユキ先輩、俺、今日はもう帰っていいですか?用事ができたんで。」
「今のメールが関係してるっぽいね。見せて!」
返事をする前に、ケータイを取られた。
ユキ先輩と山口さんがさっき届いたメールを見てる。
「ナギ、差出人の姫って誰?」
殺気が!
「ええとですね・・・あはっ」
「誤魔化さない。女の子だよね?彼女?」
怖い。生命の危機!
「まぁ一応。同い年の女の子ですね。」
「凪君、彼女ですか?」
山口さんまでそう言うこというの!?
「違う。」
「この人の名前姫って言うの?」
「違う」
「じゃ、なんで姫で登録されてるの?」
「ご本人がそういう風にしたんです。とりあえず、ケータイ返して下さい。」
「いいけど、ついてくよ?ね、山口ちゃん?」
笑顔のユキ先輩と真顔の山口さん。
「はい」
何だよ、この二人。
「わかりました。だから、ケータイ返して下さい」
ケータイを受け取って学校から出て駅に到着。
さっきのメールはこんな内容
「今からナギっちの家に寄りたいから、駅まですぐに迎えに来て♡
待ってるよ~」
書き忘れてたんですけど、時期は一年の6月くらいって設定でやってます。
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