始まりは突然に-3
謝ります。
全国の高橋さんごめんなさい。
そして登場人物と同じ苗字の人
マジですいません。
「よし。じゃあよろしく。部長で3年の高橋 康平だ。」
「えっなんて?高橋公然わいせつ物って言った?」
全国の高橋さん、ごめんなさい。
「流石、十六夜君、一発でわかるなんて」
パンと気持ちいい音をたてて夏川先輩とハイタッチ。
何だろう?夏川先輩とはめっちゃ気が合いそうな気がする。
「違ーーーーーーーう!!!高橋康平!!」
ちょっとうるさいぽっちゃりはシカトして、
「そっちの先輩方は?」
と聞いた。
「俺は田辺。2年だ。」
まずは、背がちょっと低い丸顔の先輩。
「すごいロリコンよ」
「俺も2年生で石井って名前ね。」
次は痩せた長身にメガネの先輩。
「心の中で美琴ちゃん大好きだ~って叫び続ける男よ」
「俺は3年の佐藤 弘。よろしくな。」
ぽっちゃり体型とだけ言っておこう。
「エロの極みよ。本屋にいくと真っ先にアダルトコーナーにいくようなね。」
何か全部に夏川先輩が捕捉入れてるけど、信じていいんだろうか?と思っていたら、すぐに答えは出た。
まず、佐藤先輩がバックから成人向け雑誌(詳細は書けない)を取り出して熟読し始めた。
田辺先輩は一瞬だが、ケータイの待ち受けが見えてしまった。小さな女の子の写真だったよ。
軽く引く。
石井先輩は
「十六夜君、好きなアニメ何?」
と友好的な笑みで聞いてきた。
よかったまともな人っぽい。
出会っていきなり「好きなアニメ何?」と聞くのはまともかどうかわからないが、とりあえず、今の俺にはまともに見えた。
「Angel ◯eats!です。」
正直に答えた。
「いや、普通は禁書か超電磁砲でしょ?だって美琴ちゃん出てるんだよ?」
「俺は岩沢が好きなんで。」
「あん?何言ってんだ?美琴ちゃんが一番だろ?」
うお!?いきなりきれた!
助けを求める目で夏川先輩をみると、ドアの鍵を開けて室外に逃亡しようとしていた。
こっちこっちと手招きもしている。
石井先輩の前から逃げて室外に退避。
そのまま旧校舎を夏川先輩と散歩する。
「石井先輩、話しかけてる相手が逃げたことに気づいてなかったんですかね?引き止めなかったけど」
「石井君は、ああなると周り見えてないから。」
「そうなんですか。個性的ですね。」
「この部活はそういう人が集まった部だからね。」
「夏川先輩もアニメとか好きなんですか?」
「好きだよ。だからあの部にいるんだし」
その答えにちょっと喜びの笑みがこぼれる。
「腐女子とかじゃないですよね?」
一応確認。
「違うよ。」
「よかったです。女の人でアニメ好きなのを嫌わない人に会えて。今までそういう人はいたんですけど、決まって腐女子だったんで。先輩に会えただけでも部活に入ったかいあったかもしれませんね。」
念の為、口説こうとしてる訳じゃないことを伝えておこう。
「な、な、何言ってるのよ!」
綺麗な顔が真っ赤だ。もしかして・・・
「照れてます?」
「違うわよ!!」
絶対嘘だ。それくらいわかる。たまにギャルゲーやってるし。
「じゃあ、旧校舎を案内してもらえませんか?」
「いいよ。十六夜君の入部記念で案内してあげる。」
「お願いなんですけど、十六夜君じゃなくて、下の名前で読んでもらえますか?ちょっと苗字嫌いなんで。」
「いいけど、名前知らないから教えて」
あれ?俺言ってなかったっけ。
「十六夜 凪です。」
「じゃあナギ君でいい?」
「それでお願いします。」
名前は恥ずかしいが十六夜と呼ばれるよりは何倍もマシだ。
あの人と同じ苗字なんて最悪だ。
とりあえず、旧校舎を一周した。記憶力には自信があるので、だいたいの場所はもう完璧に覚えたはず。
部室に戻ると石井先輩はおとなしくなっていた。
いやぁ、助かった。
「今日はもうこれで解散でいいや。はい、部活終わり~」
部長がなんか適当に気分で号令をかけて俺の部活一日目は終わった。
意見を下さい。
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