社会的な死は突然に-4
ネタ切れ~
俺 十六夜凪は自分の部屋にいた。
ひとりぼっちではなく、二人で。
そう、二人。
俺と渚の二人。
いろいろとまずい気がするけど、問題はない・・・はずだ。
あくまでも看病の為に連れてきたんであって、他意はない。
渚はベッドで横になっている。
俺はベッドのそばに椅子を持ってきて座っていた。
「やっぱり熱上がってるな。39度にもどってるじゃん!」
体温計を見て、俺は驚いた。
学校での最後に計った時は、下がってたのに。
ま、走ってたからな。
「なんか欲しいものある?」
「冷たい飲み物かな。」
「了解!」
俺は部屋から出てリビングに行った。
♪~♪~
インターホンが鳴った。
誰か来たみたいだ。
「ガチャ(玄関の鍵が空く音)」
鍵を持ってるって事は由依か。
そんな事を考えながら、冷蔵庫から飲み物を取り出して部屋に戻る途中で問題が起きた。
「オイオイ、マジかよ。あんのバカ野郎が。」
道中で制服姿の一団とエンカウントしてしまいました。
「あれ?凪じゃん。」
「一応聞くが、なぜお前らがここにいる。」
頭が痛い。スゲー痛い。
脳みそが二つに割れるくらいに痛い。
元々、二つに割れてんだろ!
なんてツッコミは受け付けないから、ヨロシク。
「そりゃ、須坂さんにウチ来る?って言われたからよ。」
あ~やっぱりそうだよね。それしかないよね。
普通さ、居候の分際で勝手に友達呼ぶか?
呼ばないだろ。
どんだけ常識が欠如してんだ!
「そうか。じゃあな、昴。」
俺は制服の一団を置いて自分の部屋に戻った。
また、あとで面倒な事になるな。
それにしても、昴のやつは上機嫌だったな、なんかいい事でもあったか。
ま、関係ないけど。
「渚、ちょっとめんどい事になったかも。はい、飲み物。欲しいものがあったら言ってくれていいから。遠慮の必要はこれっぽっちもないし。」
「どうしたの?」
「由依が学校の奴ら連れてきた。心配だから、見に行って来る。」
ウチの物が何かしら壊れる気がする。
「由依!なんでお前はこうめんどい事ばっかするんだよ!」
「だって、仲良くなろうと思って・・・。」
うつむいて、ほおを膨らませてすねてしまう。
はっ、今日は機嫌が悪いんだ。そんなもので許されると思うなよ。
「凪~なんでお前がここにいるんだ?」
少し黙っててくれるとありがたいな、昴。
「あ?ここが俺の家だからだ。」
「な!?」
そうだ。しばらく固まってろ。
「由依、お前が学校で爆弾発言したせいで、俺は明日から学校いけないじゃん。わかってる?わかってないよな?反省してないだろ?反省しろ。気持ちが深く地面を抉るくらいまで後悔して、詫びろ。」
少しばかり切れてます。
そのせいで若干本性が出てきてたりする。
「とりあえず、謝れ。俺に心の底から謝ろうか。物理的に死ぬかと思ったぞ。てか、渚がいなかったら死んでたし。お前は俺を殺したいのか?もし、そうだとしても、もう一回学校であんな事言ってみろ。お前の親父さんに言って強制送還させるぞ。嫌だったら、もう二度と学校であんな事言わないと誓え。」
切れると口が止まらなくなる、俺の悪い癖だ。
「うぅぅ、ごめんなさい。もう二度と言いません。」
よし。これでオッケー。
「じゃ、俺は自分の部屋にいるから。」
「ちょっと待て。凪、ここがお前の家という事は須坂さんと同棲しているという事でいいのか?」
は?何言ってんの?
「いいわけないじゃん。俺は家主。由依は居候。それだけ。」
「なるほど。それは理解した。で、お前の部屋はどこ?見たいんだけど。」
好奇心に溢れてキラキラと目を輝かせて迫って来る。
他の奴もうんうんと頷いている。
他の奴というのは、由依が連れてきた残りの奴ら。具体的には高城裕香。
「誰が教えるか。」
教えたら見に行くだろうから絶対に教えられない。
だって、渚がいるし。
「ここの左に四つ目の部屋だよ。」
「由依!」
後で絶対泣かす。
「あっ!ちょっと待て!」
昴、それと高城がダッシュで部屋から出ていった。
そして、ドアを開く。
あぁ、俺の人生が今日で終わるかも。
「あれ?山口ちゃん?」
真っ先に声をあげたのは高城。
「流石は凪だ。山口を落とすとは。」
昴は一回くらい死んだ方がこの世の為じゃないだろうか。
「凪?これは何?」
なんて言いながら、地味に俺に殺気を向けているのは由依。
・・・・・・今日が俺の命日になるかも。
由依を見てそう思った。
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