番外編 高柳の一日
話の途中ですが、番外編を入れたいと思います。
ちわっ、俺高柳。
自己紹介をさせてもらおう。
名前は高柳 昴。身長178cm。
性別男。彼女はいない。好きなものは女の子。
ま、こんな感じだ。
じゃあ話を始めよう。
今日もいつもとは変わらない日が・・・・・・始まらなかった。
なぜなら、今日は美少女転校生が来るんだぜ!
まさに、素晴らしき作者様だよな。
感謝感激雨あられだ。
さぁこの気持ちをみんなに分けてやろうじゃないか!
なんて思ってたら、もう時間だったね。仕方ないな、席に着くとしよう。
ガラ
ドアを開けて先生の入場です。
お前には興味ないから早く転校生はいってこい!
「「「「「お?うぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」
転校生を見て俺達男子は思わず叫んでしまった。
若干、背の低いツインテールの少女。顔は童顔。ロリ属性あり。
神降臨しますた。
「おい!起きろ!」
「あ?んだよ?」
俺の前の席の馬鹿(十六夜凪)が寝ていたから起こしてやる。こんな状況によく寝ていられるな。
「ようやく起きたな。お前って奴は折角美少女転校生が来てるってのによ。」
「あ?転校生?」
「そう。今、教壇の所にいるじゃん」
凪の視線が教壇の所に向かい、そして凪は固まっちまった。
それくらい可愛いもんな。わかるぜ、凪!流石は我が友って反応だよな。
「須坂由依です。よろしくお願いします!」
転校生が挨拶をする。須坂さんか。可愛いな~
同じことを思った男子達からざわめきが起こる。そんな中、フリーズから溶けた凪は飄々としていた。
「可愛くね?」
「そうだな。」
なんだこの返事は!
ありえないテンションの低さだぜ?こいつホントに男か?
「萎えてるねぇ~」
「違うぞ。萎えてはいない。普通にかわいいと思う。」
ふっ、ならば参加してもらおう。
「なら、協力しろ。やることはわかっているはずだ。いくぜ、野郎ども!!」
俺は立ち上がり男子に叫びかける。すると、みんな親指を立てて返してくる。ただ一人凪だけは頭を抱えていたが。
「せーーーーーーーーの!」
「「「「「「須坂さん、付き合ってください!!!!」」」」」」
俺の号令で凪を除いた男子全員による合唱。
流石我がクラスだ!
でも、女子からの視線が痛いぜ!
そんなに俺がかっこいいか!
すいません、調子乗りました。俺はそこまでかっこよくはないです。でも、どちらかと言えば、美形だ。顔は悪くない、むしろいい方。
ただ、ウチのクラスには凪がいるからな。
凪はムカつく事にめっちゃモテる。本人は自覚ないけど。顔はかっこいいし、運動も勉強も喧嘩もできるという完璧人間だから、奴はモテる。ただ、俺は知っているのだ。奴がオタクである事を。
知っているからって人に言ったりはしないけどな。趣味は人それぞれだし。だから別にオタクでもいいと思う。
「ゴメンね。好きな人いるから。」
須坂さんが笑顔で断る。
ま、そりゃそうだろうな。
逆に「いいよ」とか言われても困るし。
「好きな人ってこの学校?」
俺があえて気にしなかった部分を女子の一人が聞いた。現実逃避をしようと思ったのに。
「・・・そうだよ」
チラッと凪と俺の方を見てから言った。
「えっ!誰々~~?」「もううちの学校に知り合いがいるんだ~。その人?」
たまに女子のノリがうざい。
聞きたくないことまで勢いで聞くからな。
「な~、凪。好きな人名前聞けたら、そいつ一緒に殺そうぜ?」
俺は決意を決めた。
男子達も皆同じ覚悟のようだ。
「その人、うちのクラス?」
須坂さんがまたチラッとこっちを見る。
まさか好きな人って・・・
「どったの凪?顔真っ赤だぜ?もしかして転入生に見とれちゃったか?」
フリーズしていた凪に聞いた。
「・・・」
「あの、先生。気分悪いので、保健室行っていいですか?」
「いいぞ。十六夜、お前保険委員だろ?連れてってやれ。」
山口が恐る恐る手を上げて先生に言った。
凪が山口と出て行ってしまった。
「・・・このクラスだよ。」
「まさかナギ君?」
「えっ!何でわかったの!?」
まぁ、さっきからこっちをチラチラ見てたし、このクラスでモテる奴って言ったら凪だからな。
「「「「凪の野郎!!!殺す!!!!保健室だ!保健室を目指せ!!」」」」
男子の声が教室に響き渡る。
「3人一組で探せ!何としても凪を捕らえるんだ!行け!俺と後三人は教室待機。凪が戻ってくる可能性があるからな。
見つけ次第連絡しろ!!」
号令を出す。
たった今ここに凪大捜査線が置かれた。
男子が教室から出て行く。
残ったのは女子と俺と三人の男子。
「ナギ君とどこで知り合ったの?」
女子その一こと高城 裕香が聞いた。
「俺もそれは興味あるな」
「えっと、凪と私は幼馴染で、ちっちゃい頃からの知り合い。」
ははは、ますます凪に殺意が湧いたぜ。
こんな可愛い女の子が幼馴染ってあいつはどこの世界の住人だ!ギャルゲーの世界の住人なのか?
「ちなみに、今はどんな関係?」
いいぞ高城裕香。その調子で聞け。
すると、女子にだけ小さな声で告げた。ここからじゃ聞こえない。
「「「えっ!キスしたの!!もうそんな関係!」」」
「あっ、そうじゃなくて、・・・こっちからいきなりだから、・・・・・・凪がどう思ってるのかその・・・わからないし、」
絶対に凪の奴殺す。
「須坂さんナギ君とキスなんて羨ましいなぁ~」
女子の誰かが呟いた。
何でこんなに凪は人気あるんだろ?
それに引き換え俺は何で人気がないんだろう?
「なぁ~裕香、何でこんなに凪は人気あるんだ?そして何で俺はモテないだろう?」
「多分、昴はいつも女の子追いかけてるからじゃない?本命一筋で行けばもっと人気出るから。」
むぅぅ、本命一筋というのは難しい。本命はいるんだぜ?いるけどさ・・・どうせ俺なんか見てないってわかるからさ。
だから、諦める為に他の女の子を追いかけてるんだけど、忘れられないんだ。
「なるほどね・・・サンキュー裕香。」
「どういたしまして」
裕香は微笑んでから再び女子の中に戻って行く。
世の中難しいってことだな。
「昴、まだ凪が見つかってないみたいだ。保健室には山口一人しかいなかった。山口によると、教室に戻るって言ってどっか行ったらしい。」
男子の一人が報告をした。
流石は凪だ。
こんな簡単には見つかってくれないよな。
「六人を屋上に向けろ。
三人は一階。六人で二階。余りが三階。そこにもいなかったら、体育館、校庭、中庭を捜せ!」
おそらくこれで見つかるだろう。これでもダメならもう校内にいない可能性もあるな。
「昴、スゴイね。指揮官みたいになってるよ。」
「だろ?惚れた?」
「いや、別に」
裕香が冷静にアッサリと答えた。ちょっとショックだ。
「裕香~そこは「な、な、何言ってんのよ!わ、私があ、あ、あんたなんかに惚れる訳ないでしょ!」とか言ってくれるとすげえ嬉しいんだけど。」
「はいはい」
リアクションが酷いぞ。
「もうちょっと真面目に聞いてくれよ。俺泣くよ?」
なんとも情けない脅しだな。
「ゴメンね。だから泣かないで。それより、襟が中入ってるよ?」
裕香が俺の制服の襟を直してくれた。顔が近いです。ヤバくね?この状況は俺の心臓に悪いぜ!
「はい、これで大丈夫!」
「お、おう。ありがと!」
「昴!イチャイチャしてんじゃねえよ!」
「すまん。にしても凪のやろうどこにいるんだ?」
ちっ!もうちょっと裕香と話していてもいいじゃないか!裕香は俺の本命だぜ?だったら、話しててもいいじゃん。まぁ、どうせ裕香も凪が好きなんだろうけど。
『全員一回帰ってこい。授業だ。』
男子に一斉送信。
一時中断。
また、授業が終わってひと段落したら再開だ。
勝負は昼。
それを逃せば、ジ・エンド。