社会的な死は突然に-3
誤字脱字があったらごめんなさい。
「渚?大丈夫か!?」
返事はない。念の為、おでこを触って熱があるか確かめる。
熱がある。
確信はない。ただ、すげー熱かったから。
仮病じゃなかったのか。こうなったのは俺のせいだよな。俺が無理矢理保健室じゃなくて部室に連れて行ったから。
どうする?
俺は自分に問う。
保健室に連れて行くか?でもそうすると、クラスの連中に見つかる。
それとも、ここで寝かせておくか?
俺自身のためには、後者のほうがいい。
そのほうが安全だ。
どうする?
俺は再度自分に問う。
答えは最初から決まっていた。
俺は渚を背負って、部屋を出た。廊下を歩いていたところで、渚が目を覚ました。
「あれ?私・・・倒れたの?」
「そうだよ。で、今、保健室に行く途中。」
「大丈夫だからいいよ。そ、それ、それより、お、お、お、お、おんぶ!?」
「倒れちゃったからこうやって運ぶしかなくて。」
他にお姫様抱っこって方法もなくはないけど。
それは俺が恥ずかしい。
「お、重いよ?」
「全然軽いって」
「そ、それならいいけど・・・」
後ろで渚の心臓がドキドキしているのがわかる。
「・・・おんぶされてる。私が、凪君に。」
どこかうっとりしているような声音で渚が呟く。
「あっ!凪君、保健室行っていいの?見つかっちゃうよ?」
少しして、落ち着いてきたのか、突然、渚が聞いてきた。
こんな時も人のことを気にかけるって、どんだけ優しいんだよ、と苦笑しながら答える。
「俺のことはいいの。今は渚が俺の中では一番大事だから。」
「えっ!あ、あ、ありがとう。・・・・・・私も凪君が・・・凪君のことが一番大事。」
俺の背中に渚が身を委ねてくれる。
完全に誤解されてる気がしてならないのだが、とてつもなく嬉しい。
でも、あながち誤解でもないのかもしれない。
自分でもよくわからないのだが、ユキ先輩と由依にも似たような感情を持っているが、渚に対する想いが一番大きい。
恋愛感情かはわからない。
中学時代は酷いものだったから、恋愛なんて縁遠い存在だったから、恋をするというのがわからない。
そんな俺の話はどうでもいいことだ。
そうだ、後、思ったことを一つ。
おんぶで良かった。
お姫様抱っこだったら、今の俺の顔を見られてしまう。
生まれてきてから二番目くらいに赤くなっている俺の顔を。
・・・今は保健室に行くことだけを考えよう。
で、結局、誰にも見つからないで保健室についた。
「先生、渚が熱あるみたいなんですけど。」
渚をベッドにおろしてから俺は言った。
「じゃあまずは熱はかって」
先生が体温計を渚に渡す。
「じゃ、俺は戻ります。」
「あっ!待って!」
「ん?」
「えっと・・・ありがとう。」
「どういたしまして」
保健室から出て、俺はいそいで旧校舎にもどった。
クラスの連中に見つかるからな。
部室に入って、俺は一人胸に手をあててみた。
心臓の鼓動が早い。
結局、午前中はずっと部室で過ごした。
渚とメールしたり、ラノベ読んだりして、時間を潰し、暇を作らなくてすんだ。
渚は39度の熱だったようで、今は本人の希望で保健室で寝ている。
俺は病院に行った方がいいと思うんだけど。
てか、俺も保健室いれば良かったかな。火傷がちょっとだけ痛い。
ま、ほっとけば何とかなるだろ。
そんな時に浮き上がった問題が弁当だ。
教室においてきてしまった。
取りに戻ることはできない。
『由依、俺の弁当とバック持って、屋上に行ってくれ、俺もそこに行くから。』
と由依にメール。
『わかった』
返信はすぐにきた。
よし、順調だ。
旧校舎と教室のある新校舎は屋上が繋がっている。
だから屋上にした。校内を通らなければバレることはないからだ。
「おっ!いたいた」
由依だけでなく、他にも女子が数名いたが、まぁいいや
「あっ!ナギ君じゃん!」
女子その一が俺を見つけて、言った。
「はい。凪のバックと弁当。」
由依は恥ずかしそうに下を向きながら、差し出した。
「ん、サンキュー。じゃ、みんなで飯食おう!」
それぞれが、弁当を開く。
「由依の弁当美味しそう~」
女子の一人が言った。
そして、一口食べた。
「美味しい~」
由依も食べた。
「流石は凪。やっぱり料理上手だね。」
爆弾発言。
この時点で俺は既に撤退と決めていたと後で俺は語る。
俺は弁当を片付けて、バックに詰め込み逃げた。
旧校舎の方に行き、校舎内に逃げ込んだ。
「マジやばかった。由依の弁当を俺が作ってるのがバレるとこだった。てか、多分ばれた。」
部室に戻った俺は一人弁当を食べていた。
昼飯を一人ってのは久しぶりだな。
いつもダチと食ってるから。
「あっ!いた、凪君!」
「へ?渚?寝てなくていいのか?」
「もう熱が37度台まで下がったから」
確かめる為におどこに手を当てて熱をはかる。
どうやら本当に熱が下がったようだ。
良かった。
「弁当食った?食ってないなら、一緒に食わない?」
「いいよ。」
了承の返事だ。
「あっそうだ。俺弁当食ったら帰るから、先生とかになんか聞かれたら、帰ったって言っといて。」
「私もこの後、帰るよ。熱があるからもう帰れって言われたから。」
おおう!何という偶然だ!
「じゃ、一緒に帰る?」
「凪君がいいなら・・・・・・」
もちろん、おk!
「じゃあ決まりだ。」
そう言って俺は弁当をまた食べ始めた。
なかなかに今日の弁当は美味しいな。上手くできた。
これからは食事だけなので、面白くないから、省略しよう。
「帰ろうか。荷物取ってきたら?」
「ちょっと待ってて!」
ダダダと走って廊下の角を曲がって消えて行った。
あんまり足早くないな。
俺は校門の外で待っていよう。
裏門から出て、表に回って、校門の外にいるとメールしておく。
「お待たせ!」
バックを取ってきた渚が俺のところに走ってきた。
髪が風ではためいて、ふわりふわりと揺らめいている。
熱で少し辛い筈なんだけど、また走ってきたな。
また熱が上がったらどうするんだ!
「行こうか。」
「うん。」
横に並んで二人で帰る。
ただ、・・・・・・少し気まずい気がしなくもないのだが・・・。
改めて二人ということを意識してしまって、何か恥ずかしい。
「あのさ」「あの、」
同時に言った。
「あっ、ゴメン。渚からどうぞ」
「あの、あの・・・・・・ウチ今、親がいないからできれば・・・その・・・看病してくれたら嬉しいなぁって。ゴメン、私何言ってんだろ。」
上目遣いの顔とモジモジする組み合わせは卑怯だ。
「全然いいよ。看病くらいなら俺にもできると思うし。ちょうど俺が言おうと思ってた事だし。」
「ホント!?良かったぁ~」
「家どこ?」
渚が言った住所はここからは遠かった。電車の駅が近くにないし、歩いて行くには遠い。
「ウチにくる?ウチの方が近いし。」
「じゃ、じゃあそうさせてもらうね。」
太陽が今、俺の横で輝いている。
渚が俺の顔をちらっと見てから、そ~っと自分の手を俺の手の重ねた。
小さな手だ。
柔らかいし温かい。
「じゃ、行こうか。」
俺たちは互いの手を握ったまま、俺の家の方に歩き出した。
誤字脱字があったら、教えてください
後、ここ意味わからないってところも教えてもらえると嬉しいです。
感想が欲しいです。
感想一つで創作意欲が二倍になります(笑)