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社会的な死は突然に-1

新章突入です!

「早く来すぎた・・・・・・」

俺は後悔の念を深く深く込めた一言を誰もいない教室に向かって吐いた。

今は7時半。部活があるならちょうどいい時間だが、もはや卓球部ではない俺にとっては早く来すぎてしまったわけだ。

「眠い~」

あくびを連発しながら、机に伏す。

実はほとんど寝れなかった。しかも、朝は由依と顔を合わせるのが恥ずかしくて早く出て来てしまった。

でも、キスしたんだよな~、由依と。

やわらかく、そしてやさしく、甘い。

とろけてしまいそうになる感覚。

超至近距離で見た由依の瞳は涙で濡れながらも、綺麗な光を宿していた。

「何してるのよ!」

あ~、誰だよ?うるせぇな。せっかく自分の世界に入っていたのに。

「おい!部活行くわよ!」

この声はあれだ。卓球部だけど、違うクラスの北条 玲(ほうじょう れい)

机から顔を上げ、顔を確認する。黒髪のサイドテールに澄んでいる黒い目。綺麗に整っている顔で睨まれると少し怖い。

「いや、俺もう卓球部じゃないから。」

「はぁ?何言ってんの?」

「だから、俺は卓球部を辞めたの。」

おやすみ、と言って再び机に伏そうとしたら、首のところの襟をつかまれて、失敗した。

「だ・か・ら・何を言っているの?あなたは私の許可なしに辞めていいと思ってるの?」

「思う。すげー思う。とりあえず、睨むのをやめてくれ。」

今のこいつなら目で人を殺せる。俺が保証しよう。

だから、寝させてくれ。と言いたかったが、言う前に襟をつかまれて引きづられた。

この方向だと格技場だ。何か最近よく引きづられてるの気のせい?

「つうか、今、練習時間中だろ?俺がいなくて、心配だった?」

「調子に乗らないで、馬鹿!誰があなたがいないことが、気になって集中出来ないからといって練習を抜け出さないわよ!あなたがいないと練習相手がいないの。他の奴ではレベルが合わないから。」

北条 玲は卓球が強い。そしてうちの高校の卓球部は尋常じゃなく弱い。

何で、こいつがウチの高校に来たのかがわからない。

もっといい学校に卓球の推薦ではいれたと思うんだけど。

自慢ではないが、俺は卓球が強い。一年にして部活でトップになれるくらいの実力だ。

ちなみに俺は中学の時に問題起こしたせいで、ここしか入れなかった。

だから、玲の練習相手はいつも俺だった。

「でも、俺は卓球部を辞めたの。今は二次元部なんだよ。」

あっ!初めて人に二次元部って言った気がする。

確実に引かれる。思いは現実となり、玲は俺から手を離して、半歩下がった。

「二次元部!?そんな部活があったんだ・・・」

なぜか、手を顎に当てて考えこんでしまう。

何を考えてるんだがな。ま、いいや。

服をパンパンとはたいて立ち上がり、引きづられて来た道を帰る。

後ろでまだ玲が何か悩んでいたが、気にしなかった。

そして教室に帰り、眠りにつく。







起きたら、HRの途中だった。

寝ぼけているのか、教壇の所にうちの制服をきた由依が見える。

「おっ!?ようやく起きたな。お前って奴は折角美少女転校生がきてるってのによ。」

俺の後ろの席のダチがハハハと笑っている。

「あ?転校生?」

「そう。今、教壇の所にいるじゃん」

教壇の所にいるのは・・・どう見ても由依だ。

そういえば、転校するとか言ってた様な気がしなくもない。

俺の考えをよそに、教壇の所に立っているツインテールの少女は言った。

「須坂由依です。よろしくお願いします!」

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