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「老化/若返りの一撃しか持ってないけど、モンスター限定で仲間がどんどん増えます」  作者: nekorovin2501


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【第16話 永遠の別れと、新たな始まり】

禁断の森を抜け、世界のすべての古き者たちを救った後、俺たちは王都に戻った。

赤ちゃん軍団は今や十二匹を超え、馬車は狭くなり、屋敷の庭はいつも賑やかだった。

でも、旅の終わりが近づいていることを、みんな感じ始めていた。

ある朝、庭でみんなを集めた。

モミジ、ルビー、タコ丸、ピヨ、ソラ、クロ、シャドウ、ヒョウ、クロノ、サラ、カイ、テン、そして最後に救った禁断の森の古き樹霊『リーフ』──十三匹の仲間たちが、俺の周りに輪になって座った。

「みんな……ありがとう。

俺のスキルのおかげで、君たちを救えた。

でも、もうこれで、世界は平和になった。

長く生きすぎた苦しみから、みんな解放された」

クロノが少年の姿で、静かに言った。

「ユウキ……俺たちは、どうなる?

このままずっと、赤ちゃんのままでいいのか?」

みんなの目が、俺に注がれる。

小さな体で、でも強い意志を持って。

俺は深呼吸して、右手を翳した。

これが、最後の一撃だ。

「老化/若返りの一撃──最終解放!!」

青白い光が庭全体を包み、みんなの体を優しく照らす。

光が収まった瞬間、頭の中に最後のメッセージが響いた。

【スキルレベルアップ:レベル10(最終)】

【集大成機能解放:年齢自在制御】

【対象者たちは、自分で好きな年齢を任意に決められるようになります。

 小さくも、大きくも、自由に。

 この力は、永遠に君たちに宿る】

みんなの体が、少し震えた。

モミジが最初に反応した。

小さなトレントの体が、ゆっくりと成長し、

元の古のトレントに近い、優しい大人の樹人の姿になった。

でも、すぐにまた小さく戻って「きゅう♪」と笑った。

「これで……俺たちは、いつでも戻れるんだな」

クロノが、自分の手を握りしめて呟く。

彼の体も一瞬、元の魔王の姿に戻ったが、すぐに少年に戻した。

ルビーが小さなドラゴンから、ちょっとだけ大きく成長した姿で火を吐き、

タコ丸が触手を伸ばしてみんなを抱きしめ、

ピヨがひよこから不死鳥の雛くらいに、

ソラが子ドラゴンから翼を広げて飛べるサイズに、

クロが子狼から少し逞しい狼に、

シャドウが子ドラゴンから闇の翼を広げ、

ヒョウが子竜から氷の息を強く吹き、

サラが小さな精霊から砂の嵐を操れる姿に、

カイが小さな貝から海の波を呼べるサイズに、

テンが雛鳥から空を飛べる巨鳥の雛に、

リーフが小さな樹霊から森を守れる大樹に。

みんなが、自由に年齢を変え、笑い合う。

小さくも大きくも、好きな時に。

でも、その喜びの後、庭に静けさが訪れた。

クロノが、最初に口を開いた。

「ユウキ……俺たちは、帰るよ。

それぞれの元いた場所に。

長く離れていた故郷を、守るために」

俺の胸が、痛んだ。

「みんな……」

モミジが小さな枝を伸ばして俺の手を握り、

「きゅう……ありがとう。

でも、森が待ってる」

ルビーが肩に乗って頰をスリスリし、

「きゅる……また来るよ」

タコ丸が触手でハグして、

「ぷにゅ……湖に帰るけど、忘れない」

ピヨが頭上で回って、

「ぴよ……谷の炎を守る」

ソラが風を起こして、

「くぅん……空を飛ぶよ」

クロが尻尾を振って、

「くぅん……影の森へ」

シャドウが闇を少し広げて、

「くぅん……アビスの底に」

ヒョウが氷の息を優しく吹き、

「きゅう……氷原を冷やす」

サラが砂を舞わせて、

「すう……砂漠を潤す」

カイが泡を吐いて、

「ぶく……海を穏やかに」

テンが羽をパタパタさせて、

「ぴぃ……天空を舞う」

リーフが葉を揺らして、

「りー……禁断の森を守る」

そして、クロノが俺の隣に立ち、

「俺は……世界を回る。

でも、いつでも戻ってくるよ。

お前は、俺の最初の仲間だ」

涙が、止まらなかった。

みんなを抱きしめ、一人ひとりに別れを告げる。

小さくなった体が、温かかった。

夕陽が沈む中、みんなはそれぞれの方向へ去っていった。

小さくも大きくもなれる力で、故郷を守るために。

リリアが俺の肩を叩いた。

「ユウキさん……寂しいですね。

でも、みんな幸せそうです」

俺は空を見上げた。

テンが飛ぶ影が見え、ソラの風が感じられ、ピヨの炎が遠くに輝く。

「ああ。

これが、俺のスキルの本当の意味だったんだ。

救って、自由を与えて、別れる。

でも……永遠の絆は、残る」

王都の屋敷は静かになった。

でも、心の中は、十三の声で満ちている。

「きゅう!」「きゅる!」「ぷにゅ!」「ぴよ!」「くぅん!」「くぅん!」「くぅん!」「きゅう♪」「くぅん!」「すう♪」「ぶく♪」「ぴぃ♪」「りー♪」

それが、俺の宝物だ。

──完──

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