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「老化/若返りの一撃しか持ってないけど、モンスター限定で仲間がどんどん増えます」  作者: nekorovin2501


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【第1話 ゴミスキルは慈悲だった】

俺は異世界に転生したその瞬間、

やっぱり俺の運は最悪だと悟った。

「次、ユウキ様! どうぞお手を!」

神殿中央の水晶玉。

周囲では「神聖剣」「時空魔導」「無限の加護」みたいなキラキラスキルが次々出て、拍手と歓声が沸き起こる。

俺の番。

水晶玉に触れる。

淡い青白い光が立ち昇り、文字が浮かぶ。

【固有スキル:老化/若返りの一撃エイジング・リバースストライク

【効果:モンスターに対してのみ発動

  対象の年齢を±(意図した年数)だけ操作可能

【評価:F】

会場が静まり返って、

「ぷっ」

「老化……? 若返り……?」

「モンスター限定で一日一回って……何の意味がw」

「ジジイ製造機じゃんwww」

爆笑の嵐。

女神様まで困ったように微笑んでる。

「ユニークではありますね……頑張ってください」

頑張ってください(棒)

式典終了後、俺は他の勇者たちが王宮に連れて行かれる中、ひとり裏口から放り出された。

街の冒険者ギルドへ行くと、

銀髪の受付嬢が申し訳なさそうに近づいてきた。

「ユウキさん……ですよね? 登録をお願いします」

「……はい」

カードにスキル名を書く俺を見て、彼女(リリアと名乗った)は首を傾げる。

「老化/若返り……ですか? どんな効果なんですか?」

「モンスターの年齢を好きにいじくれるらしいです。一日一回だけ」

「……はあ」

完全に「ゴミスキル認定」された顔だった。

Fランクタグを受け取って、早速森へ。

まずは定番のスライム退治だ。

青いスライムがぷよぷよ寄ってくる。

(とりあえず試してみるか)

俺は右手を翳して、軽く念じた。

『+10歳』

青白い光がスライムを包む。

ぷちん。

スライムが一瞬で崩れて消滅した。

【スライム 年齢:3日 → 13日(スライム巨大化)】慌てて『マイナス10歳』で元に戻す。

次は別のスライムに今度は『-2日』。

光って、

スライムの体がほんの少し小さくなっただけ。

【スライム 年齢:5日 → 3日】

【状態:健康】

「……マジで意味ねえ」

俺は頭を抱えた。

その時。

奥からズンズンと地響き。

現れたのは、苔と蔦に覆われた巨大な樹人──古のトレント。

【古のトレント 年齢:3427歳】

俺のスキルが勝手に反応し、頭の中にメッセージ。

【老化or若返り】

……待てよ。

俺はニヤリと笑った。

(お前、生きすぎてるだろ)

でも殺すのはもったいない。

俺は深呼吸して、静かに宣言した。

「若返りの一撃──マイナス三千年!」

青白い光が森全体を包んだ。

トレントの巨体が、まるで映像を逆再生するように、

葉が鮮やかに緑を取り戻し、

幹が太り、

苔が消え、

一気に若木の姿へと変わっていく。

「ゴゴゴゴ……ゴ……?」

咆哮が途中で途切れ、代わりに小さな、幼い声が響いた。

「きゅう……?」

そこに立っていたのは、

人の背たけくらいの、めっちゃ可愛い小さなトレント。

葉っぱの髪を揺らして、キョトンとした顔で俺を見上げている。

【幼木のトレント 年齢:427歳(健康)】

俺、思わずしゃがみこんで手を差し伸べた。

「……おいで」

小さなトレントがトテトテ歩いてきて、

俺の腕にぎゅっと抱きついてきた。

ふわふわで、木のいい匂いがする。

俺は完全にやられた。

(これ……最強じゃね?)

その瞬間、俺の中で何かが確実に変わった。

ゴミスキルだと思ってたこの力が、

実は世界一優しいチートかもしれないって。

第1話 終わり。

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