表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/259

第八十七話  三日目朝/結婚式への参加



 ほーちゃんの足元がキラキラと紅く瞬いている。


 あの怪しいお店のルビーの蹄をベルチェが慣れた手つきで嵌めたのだ。


 「ほう~、ベルチェは料理だけでなく馬の世話も完璧とは思ってなかったぞ!」


 ほーちゃんの蹄をササッと整え綺麗にし、馬具を取り付ける姿にエリスは感心していた。



 「ほ~、こんな山奥で肉料理か!」  


 香ばしい匂いの正体は軒先で串に刺した肉を並べて焼いて白煙をあげてるお店だ。

 

 


 「いらっしゃい! いらっしゃい! バーダック名物の焼き鳥だよ~!」


 と、どうやら焼き鳥らしい。


まだ時間が時間なのか、数人しか並んでいない軒先で、大きな声で叫ぶ。


「レグルス天国からの直送! レグルスの焼き鳥だよ~!」


  丸々と肥えた料理人が白煙に目を真っ赤にして涙目で叫び、思わずボクと目が合う。


 「うちの娘のマリオンの結婚式がこれから行われるんだ! サービスで焼き鳥を振る舞ってるんだ!」


 一人一串の三本を涙目で目をシパシパさせ、笑顔で渡してくる料理人。


「豪華な結婚式じゃないからできれば沢山の人に祝って貰いたいんだ!」


 と、どうやらこのおじさんの子供マリオンの結婚式らしい。


 涙目でボクにドサッとボリュームのある大きな焼鳥を渡してくる。

 

 思わず受けとると、日本の焼き鳥とは段違いの大きさとボリューム。


 このおじさんが涙を浮かべていたのは煙りではなく喜びの感情が爆発してるからだろう。


 「ギルドに奏者を依頼して最高の結婚式をオレからプレゼントしたかったんだけど……」


 と涙をあふれさせながらグスッグスッと鼻水を啜りながら踵を返すおじさん。

 

 「あー……、結婚式で新郎新婦に最高の演奏をプレゼントするのは親の努めなんだよな」


 エリスがこの世界の伝統と風習を説明してくれる。


「まぁ、わたしみたいな獣人との結婚なんて基本的に認められてないからなんとも言えないけどな」


 人間同士の結婚に劣等感を抱いているのかベルチェがフンッ! と鼻を鳴らしてケチをつける。


 「そういえば、ギルドへ結婚式の奏者を依頼してくるのはよくあるけどな」


 ギルドに依頼があっても希望に沿うことができないそうだ。


「ギルドに依頼されても派遣できないし、できたとしてもロクでもない演奏ばかりだ……」


 ピアノを演奏できたとしてもそれが残念なものだとエリス。


 「だったらボクが!」、思わず叫ぶ。

 

 「サービスで振る舞っているだけなのにそれにすら仁義を通すのだな」、とエリス。



 エリスはふふふと笑い、奴隷解放大作戦の時にボクが使った仁義という言葉を使う。


 

 

 「報酬は発生しないけどいいのか?」

 

 ボクは報酬なんて求めていない! だから「仁義!」、と一言だけで答える。


 

 「じゃあ、おじさんに話を聞かないとな!」

 


 焼き鳥を振る舞われその肉がレグルスのものだと聞き、あのレグルス? と思った。


 だけど、ベルチェがあのレグルスとは違う食用のものだと説明してくれてひと安心。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ