第七十九話 三日目朝 エリスのルンルンとベルチェの想い
日の差し込まない深夜のように暗い森を抜けるとエリスは、「下着っ! 下着っ! 魔王も、イチコロのシッタッギ!」
……。
と、リズムを取りながら口ずさみ、スキップを飛び越えてニコニコと踊るように……。
さらに、「リュウを悩殺! 」 と付け加え、あまりにも痛々しいはしゃぎっぷり。
何度もボクに視線を向けてはニコニコと、悪魔が笑っているようにしかみえない。
「リュウ、すまない……。」
と、エリスのはしゃぎっぷりに入れ知恵をした張本人が罪悪感を感じているようだ。
ボクとしてはエリスがニコニコしてくれているならそれはいい。
だけど、ボクまで下着を選ばれるハメになっているのでそれを考えると憂鬱だ!
「リュウとお揃いの下着!」
と、ぼくはセクシーな下着を身につけなくてはいけない状態に……。
「もしかしてだけど」
ぼくは頭に手を当ててため息を着くベルチェに聞いてみた。
「基本的にこっちの世界には下着の概念はない」
と、エリスの喜び方が異常なのに対してベルチェは答える。
「そうだ、お前ら日本人が特に大好きなノーパンノーブラが普通だ……」
ーー!!ーー
と、歩きながら襟首を引っ張ってみせてくる。
あの時エリスが服だけを脱ぎサラサラと流れる水流に一瞬で飛び込んだことを思い出す。
さらにボクを脱がすときに、『なんたこれは?』 と怪訝な顔をしていたのを思い出す。
「おかーさん! カミラもリュウと同じ下着欲しい!」
と、手綱を握るベルチェにいう。
「よーし、カミラにはおへそをまもってくれる下着だな!」
と、流石常識を持ち合わせているベルチェ。
「それなら雷様にも勝てるぞ~!」 と、ベルチェ。
守備力を重視したい考えの母親。
「カミナリゴロゴロやーだ~」とおへそを押さえる仕草のカミラ。
……。
そんなこの世界の文化を教えてもらっていた時にふと、思い出す。
「カミラの目は大丈夫なのか?」
そう、カミラの視力が戻り、やすむ間もなく亡霊団の壊滅作戦。
カミラはボクのすぐ近くでボクを拘束するという重役。
さらに、その後の落雷とゲリラ豪雨の夜と過ごし今に至る。
普通なら光や色がわからない状態からの回復後なら、かなりの負担があるはず!
「ああ、それなら問題ない! カミラの感覚は凄くてな、見えていなくてもいろんな物を認識していたようだ」
と、カミラが獣人とのハーフであることを思い出す。
「獣人とのハーフといってもほとんど人間おかわらないよ! むしろ見分けをつけるのが難しいくらいだ!」
カミラの体調を聞いたはずが、カミラの体質と獣人の特徴も教えてくれるベルチェ。
「全く、その優しさや気遣いにエリス様がおまえに惚れ込むのがよくわかるよ……
」
と、思わせぶりなセリフとボクを見詰める慈愛の表情。
「わたしもおまえに……」
と何かをいったようだけど、それと重なるようにブルルル!と、鼻をならすほーちゃん。
「おかーさん、ほーちゃんも下着欲しいって!」
カミラが鼻を鳴らしたほ
ーちゃんの言葉を訳す。
「下着! 下着!リュウの大好きな下着!」
と、先頭をルンルン気分で歩くエリス。
、いつのまにかボクを下着大好き人間に摩り替える。
ボクは下着フェチじゃないぞ……。
もちろん、絶賛罰ゲーム中の女装姿でも女装マニアでもないからなっ!




