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第七十八話 三日目朝/罰ゲームで女装。  バーダックへ戻る理由!



 美味しそうなスープの香りと、元の世界と同じ食感の細長い丸みのあるパン。


 それに、微妙な焦げ目がついたピンク色のスライスした厚めの焼きハム。


 元の世界そっくりな朝飯のメニュー。


 「リュウの世界ではこれが定番なんだろ?」 と。


 エリスよりもボクの世界に詳しそうなベルチェ。


 「そうなのか? 白い米に味噌汁と焼き魚が定番だと聞いたことがあるぞ!」


 エリスがパンを齧り、ムシャムシャと、ポテトのスープに舌鼓をうちながら対抗する。


「味噌汁はな味噌がなければ作れないし、味噌も作り方まではわかっているんだけど……」


 と、ベルチェは味噌の研究をしてるかのようだ。

 

「米もウェーンでは難しいみたいだし、商人連中も米探しには難儀しているみたいだ」


 朝からベルチェとエリスのマウントの取り合いが勃発しそうになり危機感を感じた。


 だけど、味噌作りから米の話しにシフトして、共通の話題で着地。


 「カミラもいつか白いゴハン食べたーい!」、と……。



 「こっちとあっち、行き来できたらいいんだけど、でも向こうだと令和の米騒動なんだよな……」


 と、米の入手が難しい事を伝える。

 

 「ね、ほーちゃんもお米食べたいもんねぇ♪」

 

 と、大量の飼い葉を与えられたほーちゃんは飼い葉に鼻を突っ込んでお食事中だ。


 「でも、朝はお米よりもうちはパン派だから朝はパンが一番かな?」


  じゃがいもの甘味を感じながらスープを口に含む。


ゴクリと喉をならして飲み込むと、ふとこの世界への転移者事情がきになった。


 「この世界に転移してきた人はボクみたいな日本人だけ?」

  

 エリスもベルチェも、沢山の転移者と出会ってきたと言っていたので、思わず聞いてみた。


 「リュウみたいな大人しい日本人ばかりじゃなくてアメリカ? とか、中国? ロシア?とか……、」


 ベルチェは国籍問わず、かなりの転移者と接触して来た感じだ。


でも日本人が一番多いぞ」 


その一方、エリスは日本人が多かったかのようだ。

 

 「そうそう、リュウみたいに大人しくて控えめなやつは会ったことがない!」


 と、ボクの事が相当珍しいらしく、内心複雑な気持ち。


 朝ゴハンが終わり、一休みしていると……。



 「さて、きょうはこれからすぐにバーダックへ戻りたいんだけどどうだろうか?」


 ベルチェが言い出す。

 

 「何かあったのか?」


 エリスが聞く。

 

 「洗濯物を回収したいんだ」


 と、ベルチェが理由を打ち明ける。


 洗濯物? まさかの洗濯物のために?


 「確かに、リュウはプレドちゃんのままの方がかわいいんだけどな!」  

 

 エリスはボクの気も知らずにボクに女装したままでいろという。 


だけどこれが、昨夜の盃返しの罰ゲームだというならやぶさかではない。


 「そういうわけではないぞ私も妹が欲しかった頃があったからな……!」


 と、ぼくはどうやらエリスの妹扱いにされそうな雰囲気。


「そうか、罰ゲームか……、それも面白い」、と。


 エリスがぼくのこころを覗いてくるのを忘れていた。


「ふふふ、罰ゲームとか言って転移してきた者もいたしな。 よし!」


と、ぼくはやらかしてしまった。


「ふふ! リュウにはカミラのお姉ちゃんになって貰いたいくらいだけどな♪」


  と、ベルチェまでもがボクに……。


ピエン! 


「お母さんがプレドちゃんの服や下着、選んであげるわね」


 ベルチェまでもが罰ゲームにノリノリになってきた。


 「ひぃぃぃ!」


 ボクは思わず悲鳴をあげる。

 

 「下着というのがなんなのかわからんが、バーダックには旅商以外にも怪しい商人もたくさんいるからな。


 「エリス様……、実は」、とノリノリのベルチェがゴニョゴニョと耳打ちする。


 「なんだと~!」


 エリスがニタニタしながら絶叫! そして……!「下着はあの伝説の武器!?」


 思わせぶりな絶叫なのか? それともホントに知らなくて驚いたのかわからない。


 ーーゴニョゴニョゴニョーー



 と、さらにベルチェが追加。

 

 「そうか! セクシーであれば威力も強力で魔王もイチコロとなぁ!」


 ベルチェがエリスに余計な入れ知恵を追加。 嫌な予感しかしない!


 「よしすぐにバーダックへ戻るぞ! リュウ!覚悟しろよ!」


終わった…………。 この瞬間、ぼくは終わった。

 

 ーーブヒィ!ーー

 

 ほーちゃんまでもボクに女装を求める?


 「ほーちゃんはお兄ちゃんの方が好きだって」


 カミラがほーちゃんのブヒィを訳す。

 

 「なーんてね! 本当はカミラが思ってるだけでした~」

 

 カミラだけがボクにとって唯一の救いだなんて言えない。




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