第七十二話☆ 二日目夜/願った後のおやすみ前
天板の上でボクを見下ろしていた二羽のレグルスが大きく羽根を広げてバッサバッサと動かす。
まるで拍手をしているかのような羽根の動き。
鳥や動物の生態に詳しいわけじゃないからなんともいえない。
「まったく、リュウの隣はわたしの指定席だというのにカミラのヤツゥゥ!」
「フフフフ、特等席で聴けなかったのは残念だけど、凄く良かったですよ、リュウ!」
と、エリスとベルチェは泉をジャンプして浮島に上陸してきた。
安定した浮島の中央を独占していることに凄く罪悪感を覚えてしまう。
「まったく、カミラったら……」
クスッ笑いながらと慈愛の表情で見つめる母親の瞳。
ほーちゃんの背中で幸せそうな笑顔で夢の国へと遊びに行ったカミラを見つめる。
夢の国~“星に願いを“ は2分前後の短い曲。 だから続けてアレンジバージョンをと思った。
だけど、こんなに幸せそうなカミラの寝顔をみてしまったらそれを台無しになんてできない。
「ヌグゥゥ……。 仕方ない」
エリスもカミラの幸せそうな寝顔を見て諦めてくれたようだ。
そうだね。 もう遅いし、明日もあるから今日はここまでかな?
……。
浮島の向こう側ではメラメラと揺らめき燃え上がる炎が寂しく燃えている。
「エリスさまぁ! ムニャムニャ……。 プレドちゃん食べちゃだめ……zzz」
ふいに聞こえたカミラの寝言。
「全く……。」
そういってエリスは胸をポンポンと叩き、数枚の毛布を用意。
「エリス様ありがとうございます」
ベルチェがカミラに毛布を掛けたことに感謝する。
「ふん!」
小さな浮島の上、流石にこの上で脚を伸ばして寝るのは不可能。
ベルチェはこんな事が慣れっこのようでほーちゃんに背中を預ける。
「リュウもエリス様も……。 いらっしゃい。」
まるで自分の母親のように母性を醸し出すベルチェ。
「これが母親か……」
慈愛の目で見つめて両手を伸ばすベルチェに思わず呟く。
「リュウ……」
エリスに呼ばれ袖を引っ張られ、ボクの脚は自然と椅子から離れる。
流石にベルチェの胸に飛び込んで寝ることはしなかったけど、ベルチェの隣でほーちゃんに背中を預ける。
その隣にエリス。
今日はホントに1日イロイロあった…………。
エリスの領主館からはじまりギルドへ。
ギルドでボクの処遇を決める三文芝居で、そのまま鉱山へ行き、領主館の真下の地下でエリスと抱きあう。
ただの賢者の石が魔法が使えるようになるというブルードロップに変わり、ヒィヒィいいながら地上に戻る。
「そうそう、リュウは途中で限界を迎えて気絶」
ぼくが、一日を振り替えるように思い出していると、
エリスがヒソヒソと話してくる。
「ああ見えてルフィはスゴく耳がいいんだ。 私の声に気付いたルフィはリュウを担いでくれたんだぞ」
確かに……。 はじめてのポーションをその後ミチルに渡されて飲まされたんだよな。
「安心しろリュウ、昔と違って馬のションベンでもないし、誰かのおしっこでもないからな」
ポーションに関する話し。
ポーションに関してはエリスのおもらしで、ポーションイコール誰かのおしっこではないということはわかった。
「一部地域ではおしっこをポーションにする風習はまだ残ってるけどな」
ポーションに対する安心感が揺らぐ。
でも、おしっこイコールポーションじゃなくて、おしっこは聖水になるって話は有名だ。
「ほほぅ、処女のおしっこは聖水になるんだな?」
ヤバイ! エリスはボクの心を覗いてくるんだった。
「ふふふ良いことを聞いたからなリュウ!」
ヤバイ、エリスにとんでもないことを教えてしまった!
「そうだな、今日はこのくらいにしといてやろう!」
そういいながら毛布を頭まで被りボクの肩にコテンと頭を預ける




