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第七十話 二日目夜/星に願いを……。ボクはタイミングを外しました!



 

 僕達はベルチェの案内で星明かりが届かない覆い繁る木々の中、不安定な足元を時間をかけて進む。



 大丈夫ボクを信じて……。 ベルチェの事も信じて……。


 エリスがボクの心を読んでいるなら伝わるはず。


 獣道すらない木々の合間を縫うように抜ける。


「ーーブフッーー


 賢者の石とベルチェの案内、それからほーちゃんの存在が頼り。


 ここではぐれて迷子になったら終わりだ。


) 賢者の石の明かりが届かない向こう! 本当に真っ暗な世界。

ーーっ!!ーー


ガサッ!! ガサガサッ!!ーー


 何かが橫切るように移動。


 エリスに掴まれていたボクの手はいつの間にかエリスの細い手首を掴んでいた。


  心霊現象やホラー、怖い話しは全くダメ。


 だけど、こういう雰囲気のある場所も苦手だなんて今さらだけど言えない。 


 周囲の様子が、全く見えないけどボクは辺りを見回しながらエリスの腕を信じてすすんでいた時だ。


 ピタリとエリスが立ち止まる。

…………。


 何かあったのか? 


 ボクはそのままそこに立ち止まると 


「リュゥゥゥゥ~」、と雰囲気のある声で呼ばれ……。


「ウベビャ~!」


ーー!!ーー


 と、一際明るい賢者の石で自分の顔を照らし遥か昔のコントのような脅かしかた。


「うぴゃぴゃぴゃぴゃぁ~!」


 強調されたエリスの白い肌にネコのように赤い瞳に思わず絶叫。



 「うぁっ」


腰が抜けたかのようにガサッとその場に尻餅。


  今どき流行らないし、このくらいで怖がる人なんているはずがない。

 

 だけどいるのだ……。


 「こらエリス! こんなところでプレドちゃんにイタズラしないの!」


 と、ボクとエリスのやり取りを置いてきぼりにしない保護者役のベルチェはそこで立ち止まる。


 「ここではぐれたら迷子になるぞ!」


 と、やはりそれだけここが危険な場所であることを示す。


 


 「あともう少しだから我慢して」

 

 尻餅を着いて土埃や枯れ葉がついたおしりをパンパン! と払う。


 「ここはバーダックで有名な迷いの森だ! 気を付けろよ!」

 

 と、ぼくはそのフレーズだけで色んなものを想像してしまい青くなってしまう。


 「プレドちゃんごめんね」


  エリスが素直に謝りボクの手を掴む。


それから迷いの森をやっとこさ抜けたのか?


 明るく照らされて開けた空間。


 周りは周囲が見えない木々の壁だけど上空がポッカリと開き幻想的な星空。


 その直下にはどこかから流れ込む沢がまん中の泉にコンコンと流れ込んでいる。


 ピンク色の綺麗な羽根と白いクチバシ、スッと細くカラダを支える細い脚。 


 レグルスと呼ばれる渡り鳥なのだろう。


 「着いたぞ! ここなら盗賊や野盗にも教われる心配もないし安心して夜営ができるぞ」

 と、ベルチェ。


 「このレグルスは一説には海を越えた大陸の向こうから渡ってくるらしい」


泉のまん中に浮かぶ浮島にドンッと大きな岩場があるのだろう。


その上で脚を立てて羽根を休めているピンクの鳥。


 まるでフラミンゴのように美しい肢体。


 「しかも、いつきてもここにいるからな」 と……。


 ここはレグルスの巣、あるいは楽園といったところか?


 両翼を大きく広げ毛繕いしたり同胞の背中や頭をつついたり、キョロキョロと周囲を見回す。



 だけど 彼らはここが自分達の特別な領域だと思っているらしく、全く警戒していない。


、「プレドちゃん! プレドちゃん……。」


 クイックイと袖を引かれて呼ばれて気付く。


 ボクは


レグルスに目を奪われ虜にされていたようだ。


  エリスが、なにも言わず笑顔で人差し指を空にむけて伝えてくる。


  ポッカリと空いた森の中から見る星空は独特な情景を醸し出している。


  近い星空の中で、一際大きな耀きで青く輝く星。


 だけど次の瞬間、夜空が一瞬瞬いたと思ったらどこからともなく尾を引いて彼方へと……。

 

 「リュウとずっと一緒にいられますように……」


 エリスはボクを正面からギュッと抱きしめて流れ星に願いを言う。


 思わずタイミングを外してしまったボクはエリスの頭をポンポンっと撫でる。


 「ボクも同じ気持ちだよ……。

 エリスのそばにずっと一緒にいたい……。」


 願うことはできなかったけどエリスの耳元にそう囁いた。



 だけど今はそれとおなじくらい…………。



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