第六十六話☆ 二日目/夜 雷に怖がるエリスはやらかしてしまった!
「やだやだやだやだぁ~恐いよ~リュウゥ~!」
まるで大きな赤ちゃんがぼくの上で抱きついてジタバタともがいている。
涙も鼻水も唾もすべての体液をぼくの顔に撒き散らして絶叫!
「おかあさんかみなり怖いよ~!」
「大丈夫よ、雷様もリュウとエリス様の仲を応援してるのよ」
ヒヒーン、ヒヒッ! ブルルルル!
「ほーちゃんまで応援してるんだね、ありがと」
ほーちゃんはともかく、馬車の外でも大変な事になっているかのようだ。
カラカラカラカラ! 金属同士がぶつかり合うような、不快なカナキリ音。
さらに、メキメキメキメキ! と大地を引き裂くような破裂音。
もしかしたら今日一番の雷かもしれない。
を
「やだやだやだぁ~恐いよ~助けてぇ~!」
エリスがボクの上でのたうち舞う。
「ぐへぇっ! 落ち着け、エリス!」
首を締められ死にそうになりながらもエリスを落ち着かせようと抱きしめる。
ボクは本当に死にそうになりながらエリスに叫ぶ!
エリスが息を切らし疲れきったように真っ青な顔で瀕死な状態。
だけど事態はこれで終わらない。
ぐてぇっと疲れきったようにボクに身体を預けた時だ!
バリバリバリバリ!
ドガッシャーンッ!
ホントに、大地がひっくり返るような大一番の落雷!
背中と頭に手を回して抱きしめていたにも関わらず、エリスがそのまま跳ね上がる。
ボクはこの瞬間、全てが終わったと諦めた……。
エリスが腹の上にドスッと落下。
「ウゲェェッ!」
そしてその衝撃で……。
ジョォォォォ……。
と、エリスの体温そのままに広がる生暖かい温もり。
為す術もなく身動きできないぼくの上でエリスはお漏らししてしまったのだ。
チーン…………。




