第五十七話★ 二日目夜/湯上がりと言えば!
「湯上がりと言えば、冷たい瓶牛乳に勝るものはないよな!」
全裸のまま、腰に手を当てて白い液体をグビグビっと一気飲み。
プハーッ! と満足げに飲み干したボクとエリスにベルチェとカミラの四人。
「このためだけに牛乳瓶を作らせたのは凄いだろ?」
この、湯上がりに飲む牛乳というのもエリスが言うには異世界からの文化だそうな。
この、文化は全く間違っていない。
「エリス様……、湯上がりに牛乳はあたりまえですが……。 私達は……」
とベルチェがエリスの知らない異世界文化を放り込む。
「アイスゥゥ!」
ベルチェが言いたい事をカミラが引き継ぐ。
「おかあさんアイス食べたい!」
「残念だけどバーダックにはアイスがないみたいだから、我慢しなさい!」
ベルチェとカミラの言う通りだ。
湯上がりの火照った身体にヒンヤリと冷たいアイスは格別。
これも間違ってはいない!
ボクの故郷の文化。指摘する必要は全くないだろう。
「なに? アイスだと? なんだそれは?」
エリスが食いつく。
「冷たくて甘いクリームのスィーツッ! 」
どうやら異世界に詳しい異世界ミーハーなエリスは知らないことだったらしい。
「リュウ……」
彼女はボクにアイスの話題を投げてくる。
「卵と砂糖があればいいんだけど………」
ここまで故郷の文化が根付いてる世界だ、砂糖はともかく卵くらいはあるハズたろう……。
「卵と砂糖があれば作れるのだな?」
まさかのまさか?
それは魔法のような手品のような現象。
種も仕掛けもない、四人で腰布だけを巻いて裸談義の最中、ポンポン! とエリスは自分の胸を軽く叩く。
手のひらには白くて丸い、鶏の卵が二つ出現。
「ホラ!」 エリスの掛け声に目の前の光景をポカンとしながら卵を受けとる。
ボクの視線に気付いた彼女。
「どうした、リュウ?」
続けて胸を叩くとドサっと皮袋を出し、「砂糖だ!」 とアイスに必要な原材料を揃える。
「そういえばそうだったなリュウ」
エリスは気がつき思いだす。
「ズバリ、これはおまえ達転移者が大好きな魔法だ」
どうやら地味に便利な空間収納魔法かなにかの種類らしい。
「ふふふ。 リュウの大切な楽譜もこの通りだ」
そう言ってエリスは胸をポンボンと叩き手品師もビックリな魔法を披露してくれた。




