表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/259

第五十一話☆ 二日目/反対するエリスを説得する方法



 ベルチェとカミラのいる狭い馬車の中、不安気な表情でヒソヒソと、「なぁ、リュウ.....」


 エリスの雰囲気に聞かれたくないことだろうと容易に想像ができる。


 エリスを壁際に声を聞かれないように、唇も表情も見透かれないように気を配る。


「エリス……」


これから決行する奴隷解放作戦のことだ。


「…やっぱり、やめないか? 不安なんだ私は、リュウを危険な目に合わせたくない」


 

 やはりそうだ。 これから行う亡霊団壊滅作戦……。


 相手は奴隷商人。

元々同じ生業をしていた彼女達だ裏切られる可能性は十分にある。


「うーん……」


 十分に考えられるリスク。


「だけどあの母娘はもう奴隷商人の世界に戻りたくないはずだと思う」


 それに、もう奴隷商人に戻る必要は全くないはず。


「でも…」


 エリスもわかっているはずだ。


 彼女達が奴隷商人をやっていた理由は、カミラの目。


「あの母娘はもう奴隷商人に戻る必要はないんだ。 だから信じてみないか?」


  暗くてエリスの表情は全くわからないけど口振りからその心情は容易に理解できる。



だから……、「悪い奴らってのは、基本的に約束を守るのが彼らの流儀だって知ってるか?」


 エリスがボクの話しに耳を傾けるのがわかる。


 僕達の世界の話を持ち出す。


「恩を受けたら必ずそれに報いる。 それが、悪党の仁義ってやつだ」


「仁義…? よくわからんがそんなものがあるのか?」


 エリスの声のトーン、息遣いからボクの言うことが伝わっているのがわかる。


「うん、元の世界にもあったんだ。 貴族とか、為政者とか政治家とかヤクザとか……」


 ぼくの話がエリスに伝わってる自信は全くない。


「リュウの世界にも貴族や為政者が?」


だけど、エリスはボクの話しを否定せずに受け止めている。



「そう! 悪いことばかりしてるんだけど、筋を通すっていうか、義理堅いところがあるんだ」


「筋を通す……?」

 

 筋を通すってのはわからないかな?


 実はボクもわかってない。 


「例えば、誰かのために何かをして、助けてもらったとしたらその恩は絶対に忘れない」


よくあるはなしとして自分の理解してる範囲で伝える。


「それで、それで!」


 エリスはボクが知る文化の話しに食いついている。


「逆に裏切ったり、約束を破ったりしたら、とんでもないことになる。 そういう世界なんだ。」


多分これでボクが伝えたいことは伝わったはずだ。


「なるほど!」


 エリスは、完全に理解したかのようだ。 あとはこのまま押しきる!


「それに、あの母娘の幸せそうな顔を忘れてないよね? あんな顔を見たら裏切るなんてことは、絶対にしないって思えるんだ」


ボクがエリスに一番わかって欲しい部分を伝える。


「…………」


 エリスはぼくの話しを咀嚼して飲み込み考える。


「だから、大丈夫」 根拠のない自信。


 本音をいえば確証はない。


 もっと慎重になるべきだし、リスクのほうが大きいのは事実。


 エリスは息を大きく吸い込み吐きだす。


「……わかった……リュウがそこまで言うなら、信じてみる」


 物凄いプレッシャー。


 でも、ベルチェとカミラが裏切る裏切らない以前にボクがコケないようにしなければならない。



 ボクとエリスのヒソヒソ話しが終わったタイミングで


「話しは終わったか?」 と、まるではなしを聞いていたかのようにベルチェ。

 

 何故かニタニタと笑い、カツラと化粧道具を両手に持ちだす。


 「さぁ、準備始めるからリュウ~こっちへおいで~」

 と……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ