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第四十九話☆ 二日目夜/奴隷解放の為に女装させられました。  



「あの時言った通りリュウの望みは全て叶えてやるぞ」


 望みを叶える? 面倒をみてやると言われた事はおぼえている……。

 

 だけど、エリスの赤い瞳がボクを真っ直ぐの見つめて、「リュウ、そんなにあの奴隷を助けたいのか?」 


 亡霊団に囚われ、見せ物とされている奴隷を助けたいのかと聞いてくる。


そして、「メアリーを助けたいのか?」 と……。


 パチパチと、ボクの心を覗き込むように目を何度も瞬き見つめる。


メ アリーと言われ少しビクッとなる。


 だけどエリスの問いかけにボクは頷くしかできない。



 でも、見せ物にされてまで指を折られるなら助けてあげたい!



 奴隷を助けてあげたいという気持ちは本心。 心からそう思う。


 そして、一方のメアリーに関してもそう。


  例えそれが、ボクの苦手なおばけや幽霊でも、真相はわからないけど助けてあげたい。 

 

 エリスは、ボクの心を見透かすように、「全く、リュウは仕方がない奴だな……」 と。


 外から差し込む灯りにエリスは照らされ、柔らかい表情で全てを承諾。


 


 遠くから聴こえるピアノの鍵盤を叩くようなめちゃくちゃな演奏と、メアリーの亡霊達によるバカ騒ぎ。



「エリス様! リュウは?」


「お兄ちゃんは?」


 ベルチェとカミラが心配してくる。


「もう大丈夫だ……。 な!?」


 エリスがボクの手を握り、支えるようにベルチェとカミラの待つ外へ。


 「ベルチェ、カミラ……。 ゴメン」



 ボクは待たせた二人に謝罪。

 ベルチェは笑みを浮かべて聞いてくる。


「それでどうするんだ?」


 馬車の照明がベルチェを照らす。


 ベルチェを照らした照明が遮られ、ふわっとした白髪が大きく揺れ、エリスの影が伸びる。


 「奴隷解放だ!」 エリスがボクの心情を代弁。


 そう、メアリーの亡霊を名乗る奴隷商人、亡霊団の壊滅を宣言!


 「あたしも頑張るからね~」


 カミラが元気よくボクに飛び込んでやる気のアピール。



 スゥーっと、妙な寒さが首筋を撫でる。


 左手薬指に嵌めた賢者の石の効果で寒さが軽減されているとはいえ、なんだか妙な寒さ。

 

 だけど、それ以上に耳を塞ぎたくなるような寒さが鼓膜を突き抜ける。


 「プギャァ! ひぃぃい! やめてぇぇっ!」


 絶叫だ。 亡霊団に指を折られたのだろう。


 「いたい痛いいたいいたい!助けてぇ!」

 

 一人でも多く助けたい!


 そして、こんな馬鹿げた騒ぎ早く終わらせなければならない!

 

 こんな時にルフィがいてくれたら……。


 ボクは、つい数時間前のルフィの圧倒的な強さを思い出す。

 

 彼女なら、こんな状況一瞬で終わらせられるはずだ!


だけど、ルフィはここにいない。

 

 無い物ねだり……。


 こればかりは仕方ない。 エリスとカミラとベルチェでなんとか乗り切るしかない! 



「少なくとも、あのピアノを壊せば指を折られる心配も無くなる!」


 ベルチェの提案。


「後は、メアリーの噂話しに便乗して奴等に一泡ふかせればもしかしたらな」 と……。


エリス。


 作戦の方針が決まったようだ。

 そして……。




「お兄ちゃんどうしたの~?」


 カミラがボクをみて首を傾げる。

 

「ベルチェ、お兄ちゃんじゃなくて、奴隷のプレドちゃんよ……」



 一体どうしてこうなった……。






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