第四十七話 二日目/バーダックを離脱する理由
エリスの言いたい事を橫からかっさらってマウンティングしてるように見えたのは気のせい?
つまりメアリーにまつわる話は諸説あるというわけだ。
「でも、それとメアリーの亡霊とどういう関係が?」
馬車はカラカラと音をたてて車輪が回る。
パカラッパカラッパカラと馬の蹄が地面を蹴りバーダックへ到着するなり、即脱出。
遠目から見て、暗闇を照らす賢者の石の灯りに揺れる松明の灯り。
沢山の人と荷物を積んだ沢山の馬車。
商人の町なんだから、この世界の不思議なアイテムが沢山見れると思った。
「はぁ……」
思わずため息をつきながら
車窓から通り過ぎる町並み。
「メアリーの噂話を利用して売れ残りの奴隷にピアノを弾かせ指をへし折ったりする見せ物にする商人の事だ」
エリスは客席に座り、ぼくが遠目に見ている景色を見詰めて悲しい顔をしていた。
「なんとかできないかな?」
ぼくは呟く。
「無理だ……。 寧ろ火に油を注ぐようなものだ」
エリスは一刀両断。
バーダックの街を抜けようとした時だ!
ギルド長、あんおばあちゃんの部屋に飾ってあった肖像画のモデル。
白と青の独創的なドレス。
日本人のような顔立ちで黒髪。
「止まって!」
ぼくは叫ぶ!
馬車には急ブレーキというものはなく、ゆっくりと止まる。
「リュウ、どうした?」
「誰かが手を振ってる。 ボクを呼んでるんだ!」
バタン!
馬車の出入口から飛び降りるように駆け出して走る。
「ハァッ! ハァッ! ハァッ……!」
息を切らして見えた人影のもとへ。




