第四十六話☆ 二日目夜/奏者の魔女メアリーは指折り姫? メアリーの末路
「メアリーの亡霊だ!」
馬車止めで待機していたベルチェ、状況を理解していたかのように馬車をいつでも発車できるようにしていた。
エリスの急ぎ足に合わせて馬車に乗り込む。
「メアリーの亡霊?」
ぼくは聞き返した。
メアリーについてはアンおばあちゃんが言っていた。
“王国で奏者の魔女と呼ばれ、死ぬまでピアノを愛していた者” とだけ……。
詳しい話しは全く聞いてない。
「簡単に説明すれば王国のお姫様だったメアリーが、腕に自信があるものを集めピアノを弾かせたのが始まりだ」
エリスは簡単に話を纏めた。
王国で奏者の魔女と呼ばれ、ピアノが貴族の地位を表すものである。
それだけ聞けばお姫様だろうとは思っていた。
「ハイドゥ!」
ベルチェの掛け声ととも馬車が動き出す。
「ヒヒーン」
馬車を引くほーちゃんが嘶き、そしてブヒィッ! と、鼻を鳴らす。
「 指折り姫とか呼ばれてたんだよ!」
カミラも知っていることらしく、奏者の魔女に続き、指折り姫とは……。
「そうだ、後継者を決める為に世界中から腕自慢を集めて演奏させた!」
エリスの話の内容、それ以上聞かなくても容易に想像できる。
「そうだ、そのとおり、腕自慢の奏者の演奏があまりにも酷くてな」
「指折っちゃったんだって」
カミラがドヤ顔で結論付ける。
指を折る! 聞いただけでも自分の指が痛くなる。
「あぁ、メアリーの話しにはほかにもあるぞ、メアリーが大事にしていたピアノだからな……」
「うん、勝手にピアノに触った人の指を折ったりとか」
小さな手のひらを反らして痛そうな顔でカミラ。
「そうだ! 勝手にピアノを弾いて聴くに耐えない演奏した者の指をへし折ったりな」
「酷い時には首チョンパしたり~」
「そういうことだ。 それであまりの傍若無人に耐えかねた王様がメアリーを処刑してしまったわけだ」
エリスとカミラの、メアリーの噂談義。




