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第四十一話★ 二日目/母と娘の運命を決める一曲、だけどその前に渡されたのはエリスのおしっこでした!




「確かに、奴隷商人といえば、この世の裏と表を知っている存在だ」


 ボクはエリスにここで起きたことの経緯…………。

 

 ベルチェとカミラの二人に拉致誘拐され、楽譜を渡されての取引。

 

 獣人との間に生まれた“目の見えない子供にピアノを演奏して月を見せることができたら解放してやる“ と……。


 そんな条件をつきつけられて演奏。

  

 そして、ボクは見事にその条件をクリア。


 クリアだけではなく目が見えるようにしてしまったという医者もびっくりな現象。


 「だからエリス……」


 ボクはベルチェから預かった楽譜を元に交渉する。


 「つまり、この世界で楽譜が見つかったということはもしやもあるかもと?」


 

 「そう、だからエリスに寛大な処分をしてほしいんだ!」


 ボクはそういって楽譜の証明をするためにピアノ椅子に座り譜面台にノートをおく。


 (多分この演奏は二人の未来を決める重要な演奏)


 鍵盤蓋を開けて演奏する前に両手指先をしっかりとほぐし、状態を確認する。


 (できればポーションが欲しい)



 鍵盤蓋に指を掛ける一方で椅子に腰かける三人。 


 ボクはエリスを見つめる。


「わかっておる」


 ボクの視線に気付いたエリス、胸元をポンポンと叩き、襟首から手を突っ込みまさぐる。


 流石エリスだ、ボクがなにを言わんとしてるかを瞬時に理解する。


 ふとした疑問だけど、なにかを取り出す時にああして胸元に手をを入れてるけど……。


 案の定エリスは胸元から黄色い液体が入った小瓶。

 

 そう、馬のおしっこと揶揄されるポーション。


 透明な黄色い液体が透明な小瓶の中でチャプチャプと揺れている。


 「リュウ、そのポーションは馬のションベンではなく、私のおしっこだ!」


 

 …………。


 エリスまでそんなネタを言うとは思っていなかった。


 馬のションベンと同じように、エリスの手作りポーションてことだろう……。


 小瓶をあけるとポーション独特の匂い?


 あれ? でも、はじめて飲んだ馬のションベンとは違う匂い?


 ーー????ーー


 思わず、視線を感じると、その視線をたどる。


……、その視線は、ジーっと見つめているエリス。


 


 


  口の中に一口いれて確める。


 はじめて飲んだ馬のションベンとの比較をするために脳をフル回転して思いだす。


 エリスが目をシパシパさせながらボクを見つめている。


 エリスの視線が痛い。

 

  馬のションベンよりもまろやかで口当たりがいい。


 一口だけゴクリと飲み込むと、スッキリとしたのど越し。


 エリスの視線はまるでいたずらをした後の子供がじぃっとみつめるそれ……。


 これなら馬のションベンより飲みやすい。 流石エリスのおしっこ!


  そのまま蓋の空いた小瓶をゴクリと喉を鳴らしてあおるように飲み込む。 


 じわじわと、五臓六腑に染み渡っていくのがわかる。

 

 飲み終わった後もエリスの視線は途切れることはなかった。


 飲み終わった小瓶をピアノの上の僅かなスペースに置く。


 エリスを一瞥すると顔を真っ赤にしてモジモジさせているけど気のせい?


 多分気のせいだろう!


  鍵盤蓋を開ける前に手の感触をたしかめると、さっきよりも滑らかで羽根が生えたように軽い!


 これなら最高の演奏ができる!


 作法にのっとり頭を下げ鍵盤を蓋を開ける。




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