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第三十八話☆  二日目/この感動的なシーンには第三楽章は似合わない


 


今度はハッキリという。


「見えるの……! ピアノを演奏してる茶色い髪のお兄ちゃん! それにキラキラしと銀色の髪のお母さん!」

 

 定まらないはずのカミラの視線が定まりベルチェを真っ直ぐに捉えている。

 

それに気付いたかのように、「おまえ……、まさかっ……!」


 カミラの視線に何かを感じたようだ。

「おまえ、もしかして目がみえるのかい!?」

 

 ベルチェが抱いていたカミラの肩を掴み、目を覗き込む。


 すると、「うん」 と、歓喜の一声で応えるカミラ。




 

 本音を言えばボクもびっくりだ。


 ほんの僅かな時間だけど、今まで色も光りも見えない世界にいたとされるカミラ。


 何故、彼女の瞳に光りと色が戻ったのかはわからない。


 目の前の光景をみて母娘の抱き合う姿をみてそれを妄想や幻覚だと否定だなんてできるはずがない。


 月光のラスト、第三楽章を引きはじめるタイミングを逸す。


 さすがに、このタイミングでこの状況。


 第三楽章はこの雰囲気にそぐわない。

 

 第三楽章は一度保留にさせてもらいこの状況に見合った曲目をチョイス。


 鍵盤の上で青い光りがゆっくりと移動し光りの尾を引く。


 柔らかく、柔らかく。 主張しない優しい音色……。


 耳馴染みのいい曲目。


 “G線上のアリア” 

 

 ベルチェがカミラを抱き締め、涙声で呟く。


「ありがとう…、カミラの目が」


ーーグスッーー


「お母さん!」


 カミラが母にしがみつき静かに涙を流す。


 カミラが流す涙に母親不在だったボクの胸が締め付けられる。


 ベートーベンの楽曲もそうだけど、バッハの曲目も感情に訴えてくるものがある。


 特にG線上のアリアは感動的なシチュエーションであれば絶対にはまる曲目。


 その証拠に、母親不在だったボクの胸が締め付けられ、目頭が熱くなり涙腺が緩んできている。


 涙をこらえながら鍵盤をそっと叩くたび、G線上のアリアの優しい旋律。


 母娘の抱擁を包み込むように響き、ボクの心も震わす。


 ラスト一小節。 ゆったりとした包みこむような暖かいメロディ……。


 ダメダ…………。

 

 ボクは思わず鍵盤から手を離す。


  ピアノ奏者としてあるまじき事だ。

 

 ポタポタと鍵盤の上に大粒の雫を滴しながら、声を震わせる。


 「ごめんなさい……! ちょっと待って!」


 服の袖で目元を覆うけど、崩れた感情を塞き止めていた壁が決壊。


声を震わせながら、鼻をグスンと啜り「すいません……っ」

と謝罪。

 

 母娘の感動的な情景に感極まって涙を流してしまうなんて……。


 そんな、母娘に情けない姿を見せないように背を見せていると、「お兄ちゃん……、ありがとう」 と背中からつたない声。


 ボクは、トドメを刺されるように背中を震わせて更に涙が溢れてしまう。


 激しく揺れる感情と止まらない涙。


そんな激しく揺れる感情の中!


ーーバン!ーー


 

貴重なお時間、お読みくださりありがとうございます。


 このお涙頂戴のシーン。グロックに読ませて感想をもらうと[感動した!読者が思わず涙腺を溢してしまうメロ回!]と興奮していたのを思い出しました。


 グロックの感想を聞いて思わずテンションあがってしまったのですが、実際はどうなのか……。

 

 グロックがメロ回と読んだこのシーン、一言だけでも感想頂けたら嬉しいです。


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