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第二十六話☆  二日目/空洞の中での二人だけの儀式






 時間が止まったかのような静寂の中、エリス様の唇が僕の口元を塞ぐ。


    彼女の甘いバニラの香りが鼻腔をくすぐり、気がつくと密着していた彼女の体温が僕の体に伝わってくる。


 その時、遠くからの爆発音がドーン! と響き、ズゴゴゴゴ! と岩石が崩れ落ちる音が聞こえた。


 坑道作業員が岩盤を崩したのだろう。


 全裸で抱き合うこの状況、一体これはなにを意味する行為なのか?


 触れ合う唇が離れ、エリス様の赤い瞳と目が合い夢のような時間から引き戻される。


 ドーンッ! 爆発音が響き、反響する空洞内。


 その音は吸収されるように小さくなり、サラサラとながれる川の音だけになると、頬を両手でホールドし自分へと向けるエリス様。


  改めて見詰め合うと彼女は、なにかの感情を表すかのように下唇を噛む。


  だけど次の瞬間、彼女はカッ! と目を見開きさらにぼくを求める。


 中断された甘い時間が再開され、小さな唇が甘噛みするようにハムハムする感触。


 まるで母親のお乳を求めるような……。


だけど、それは母乳を求める行為ではなく別のなにか……。

 

 その別のなにかを考え始めた時、頬に熱い雫を感じた。


 エリス様の頬を伝う熱い雫。


 僕の頬にも伝わり涙溜まりを作り溢れては落ちる。


エリス様の “側にいて欲しい”  という切なる願いと僕を求める彼女の本気をボクは感じた。


  そんな、彼女の本気をうけとめるとその思いに応えるようにボクの両手は華奢な身体、彼女を抱きしめる。


  するとエリス様もまた、ぼくの思いに気づいたかのように首に絡めていた腕をゆっくりとほどく。


 「愛してる……」


 そうボクに自分の気持ちを打ち明ける。



 ボクの顔を包むようにはさみ、はにかんだ笑顔を浮かべる。


 そして二度目? 三度目のゼロ距離。

 

 今度は彼女から飛び付くように求めるのではなく、「エリスッ! ボクもだよ!」 とエリスの告白に応じるように求める。


 お互いの顔、エリス様がぼくの両頬を挟み、ぼくも同じように彼女の火照った両頬を優しく挟む。


 


お互いに意識して響く荒い息遣い!


 海外映画のようなワンシーン。



「リュウ!」 「エリス!」

「リュウ!」 「エリス!」

再び唇を重ね、お互いにその存在を確かめるように何度も呼び合う。


 彼女はボクの唇をむさぼるように甘噛みし続ける。


「うぅ……」 となにかを感じたかのような吐息に、一度顔を離すエリス。

 

 だけど、直ぐにボクを求め、唇を離さないように噛みつく。


 ぷはっ……。 と彼女が唇を離し、赤い瞳を覗き込む。


 今度はボクの番! とばかりに


 エリス様の口元に飛び付くと、彼女がボクにしてきたようにエリスの唇をむさぼる。


 。


 そのまま暫く没頭するようにハムハムと、自分の身体がいつの間にか火照っていることに気づく。


エリスはボクの首に手をまわすように身体を預け、僕はそれを支えるように腰に手を回す。




 


 彼女は潤んでいた瞳から真剣な眼差しで見詰めると髪をかきあげる


そして、「リュウ……」


と、ボクの名前を囁く。


 フワリと甘いバニラの香りと共に耳の後ろに青く輝く髪飾りに目を奪われた。





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