第十七話☆ 二日目/立ち入り禁止の禁を冒す
他にも売店や相談室、保健室など、“静かにしてください”
という文字が刻まれたスペース。
そしてそこをを通り過ぎると一言。
「ギルドと言っても一つの複合型施設って感じかな」
そんな軽く歩き回って見た感想を呟くと見たことがあるような雰囲気。
立ち入り禁止の規制線が張られた広い区画。
よくみると一台のピアノと見覚えのある広い区画。
ボクとエリス様がはじめて出会った場所。
まぁ、昨夜あれだけの事をやらかしたんだから当然こうなっているのは当たり前。
立ち入り禁止の区画があっても、そこへはいりたくなるのは人間のサガ。
最悪、知らないふりをして規制線を越えるのもアリだと思う。
それに、目の前にピアノがあるなら触ってみたい。
でも、流石にねぇ……。
この世界に来て一度やらかしておいて、さらに騒ぎを起こすとなると問題児扱いされてしまう。
それにエリス様に迷惑を掛けてしまうと考えると……。
ぼくはものすごーく考え、思い悩む。
ピアノに踵を返すつもりで背中を向けたその時だった。
「メアリー様を綺麗にしてあげないとね、よっこいしょっと」
嗄れたハスキーな声が響いた次の瞬間!
ーードスンッ!!ーー
ーーガシャン!ーー
「イテテテテ! 腰がぁぁ! イテテテテ!」
ーー!!ーー
嗄れたハスキーな声。
ボクは返した背中を返す。
ピアノの側でおばあさんがその場に座り込み顔を歪めて背中を擦っていた。
緊急事態!
ボクはそこが立ち入り禁止だというのにそれを無視して区画に飛び込む。
「おばあさん、大丈夫ですか!?」
後で立ち入り禁止の場所に入った事を追及されたとしても、おばあさんが腰を痛めてしまっていることを理由にすれば良いかな?。
「あああ、ちょっと腰ををいためちまってな……。」
エリス様の白髪とは違う、散り散りと枯れ草のように萎びた白髪で皺だらけの顔。
日本の伝統衣装の素朴な藍色の動きやすそうな羽織り袴。
これも異世界である日本から持ち込まれた文化の一つだろう。
「この薬を飲めば大丈夫だから、すまないねぇ」
と、首から下げた印籠から丸薬を取り出してゴクリと飲み込む。
「お年なんですから、あまり無理しないでくださいね」
と、そのまま崩れてしまったおばあさんの腰を擦る。
ボクの父さんもそうだった。
仕事のせいだろう、いつも腰を痛めて手を当てていたり薬を飲んでいた。
ボクになにか出きる事はないかな? と、時々マッサージしていたのを思い出す。
揉み解すようにするのではなく擦るようにおばあさんの腰を擦る。
「おお! おお! おお! これはたまらん! 気持ちいいのぉっ!腰がジンジンするかのようだわい」
崩れ落ちていたおばあさんは目を見開いて感極まった顔で顎をあげて咆哮!。
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※本日より1日三話前後の、投稿します!




