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第十六話  二日目/異世界ギルドの仕事内容


「そうか……、 楽譜を探すなら、ギルドの依頼としてクエストをだすのが一番の近道かもしれない。」


エリス様の朝は早かった。 日も明けきらない暗がりの時間。


  エリス様とバッタリ顔を合わせると、領主としての仕事でギルドに詰めなければならないらしい。

   

 ボクは朝一番、彼女に最高の朝を演出しようとしてたのに、先を越されてしまった。


 エリス様曰く、領主というものはただあぐらをかいてるだけではないらしい。


 ギルドで受けた依頼の確認からはじまり、達成された依頼の報酬を準備したり、案件の確認。


 それに、この町の財源である鉱床の確認など、やることは多肢にわたるとた言っていた。


 

 そういえばエリス様って領主を勤めていると聞いたけど、見た目ボクとおなじくらい?


 そんな若くして重圧のかかる役職。 もしかして、長命種のエルフとか? 

 

 ボクは彼女の事を支えようとしてるけど、エリス様の事をほとんど知らないし理解すらできていない事に気付く。




 「もしギルドに来るなら、リュウの事は領主権限で話しを通しておくから問題はない!」

 

と、かなり忙しそうにパタパタと明けきらぬ空の下、赤い衣装の上からおしゃれな肩掛けに袖を通して裾を翻す。




 そうか……。


 言われて見ればそうだ。


 ギルドといえば依頼があって、その依頼を受ける冒険者がいる。


 異世界転移系のおはなしでは転移者が冒険者となり、ギルドでクエストという形で依頼を受ける。

 その達成報酬として対価を受け取る。


 いわばハローワークや最近流行りの単発バイトみたいな存在。


 つまり、エリス様はボクに依頼者になって楽譜を探すという依頼をすればいい。 といっているのだ。


 確かに、自分で依頼を出すには対価を払わなければならないわけだからその対価を稼がなければならない。


 ミチルに着替えを用意してもらうとジャケットにパンツ、さらにマントまで用意して貰い、見るからに貴族という出で立ち。

 

 ボクは貴族?


 まだこの世界に来たばかりなのにいきなり貴族からのスタート。


 どんな振る舞いをしたらいいのかわからない。


 丸太作りの暖かい雰囲気のギルドへ脚を踏み入れると、暖かみのある雰囲気であると同時に多種多様な人種がいることがわかる。


 「この前のクエストどうだった?」


「やっぱり穴掘りするよりも普通に貴族の依頼の方が楽だったよ」



「そうだよな、屋敷の手入れや修繕、パーティーの準備の方が楽だもんな」




「ちょっと話し相手になるだけで、最高の報酬とかあったけど結婚求められてあり得ないんだけど!」


 「結婚求められるくらいならいいじゃない? あたしなんて子作りさせられたわよ」



 「俺たちはおもちゃじゃね~! なんでガキの子守りをせにゃならんのじゃ~!!」


「やっぱり穴掘りが一番楽だぜ~」


 ギルドのあちこちから聞こえる声を耳にしながら人垣を越えると壁に張り出されたクエストを横目に進む。


 そういえばミチルに着替えを用意してもらっているときにルフィからの一言があった。


『ギルドには気をつけろ』

 

 と…。 ギルドって基本的に安全な場所であり一つの中立地帯というイメージ。

 

 それが、どうして“気を付けろ” なのかわからない。


 通路を進んだ先は待合室か休憩室? 


 ギルドビギナーなボクはまずはギルドがどんなものかたしかめるためにギルド内をうろついていた。

 

 

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