第三節 走り出す、新たな挑戦
1月も中旬。日差しはまだ冬のままだが、時折吹く風には、かすかに春の気配が混じっていた。
その日、スイミングスクールでは、練習の合間にコーチが3人を呼び止めた。
「そうそう、君たちに伝えたいことがあったんだ」
そう言って、コーチは一枚のプリントを手渡す。
「これ、見てごらん」
さちが声に出して読んだ。
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地域マラソン大会開催のお知らせ
開催日:1月下旬
対象:小学生~一般までの幅広い市民
競技内容:2km・3km・5kmの部門に分かれて実施
参加方法:個人または所属団体からのエントリー
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「スイミングスクールでも参加枠をとったから、希望者全員で出場予定なんだ。もちろん、個人でのエントリーもできるけどね」
ハルとユキが顔を見合わせた。
「マラソン……最近、持久力もついてきたし、挑戦してみたいね」
「うん。やってみよう!」
さちも、少し戸惑いながらも頷く。
「がんばってみたい」
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その夜。リンの家でのトレーニングを終え、4人は汗をぬぐいながら水を飲んでいた。すると、ユキが話題を切り出す。
「ねえ、今日コーチからマラソン大会の話を聞いたんだ」
「マラソン? Like long-distance running?」
リンの目が、興味深そうに輝く。
「そう! 地域の大会で、スイミングスクールに通ってる子は団体枠で出られるんだって」
「うわあ、すごいね。それって……わたしも出られる?」
「もちろん!」
ハルが笑顔で答える。
「私たちはスクールからだけど、リンは個人でエントリーすれば大丈夫」
リンは数秒だけ考え込んだあと、顔を明るくして言った。
「I wanna try! みんなと一緒に大会に出たい!」
その一言で、部屋の空気がぱっと明るくなる。
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「よし、マラソンに向けたトレーニングも追加だね」
「今までのメニューに、ランニング系も取り入れようか」
「フォームや姿勢を意識しながら、スタミナをつけよう!」
ホワイトボードには、新たに【マラソン大会】の文字が加わった。
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マラソン大会に向けた新メニュー
・ランニング(週2~3回)
・インターバルトレーニング
・ストレッチ強化
・コア(体幹)+下半身メニュー
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「4人で挑戦するの、なんだかワクワクするね」
「しかも“泳げて走れるトレノ”って、ちょっとかっこよくない?」
「じゃあ、新しい記録ノートも作ろうよ。マラソン用のやつ!」
笑い合いながら、彼女たちは新たな目標に向かって動き出した。
目指すのは、距離じゃない。
昨日の自分を、少しでも超えていくこと――
それが「チームトレノ」の、新しい挑戦だった。




