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絆のトレーニングノート:始まりの春、強さの種  作者: たまに何かを書く人
【第7章】重なる過去とつながる未来

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第四節 歩いてたどり着いた“おもいで”

東京駅に到着した大型バスから、次々と生徒たちが降りていく。

ひんやりとした朝の空気の中、秋晴れの空には高く白い雲が浮かんでいた。


「東京って、なんか空の色も違う気がするね」

ハルが首を伸ばして高層ビルを見上げながらつぶやく。


「空気も澄んでて気持ちいいし、今日は最高の遠足日和だね」

ユキが笑顔で応える。


さちも、真新しいトートバッグを肩にかけながらうなずいた。


「国会議事堂、テレビでしか見たことなかったけど……本物は迫力あるね」


午前中は全クラスでの国会議事堂の見学。

重厚な建物の中、議場の荘厳な雰囲気に包まれながら、議員の仕事や政治のしくみについて学んだ。



そして――午後の自由行動。


班ごとに分かれて、地図を手に出発していく中、チームトレノの4人も駅前の歩道に立った。


「じゃあ……出発しよっか。目指すは“おもいでミュージアム”!」

さちの声に、全員がうなずく。


「公共交通? もちろん……使いません!」

ハルがにやりと笑った。


「徒歩で行くってだけでテンション上がるの、私たちくらいだよね」

ユキが呆れたように笑う。


「トレーニングもかねてだよ。筋トレだけじゃなく、持久力も大事だしね」

ハルが冷静にまとめ、4人は地図を頼りに歩き出した。


カフェやショップが立ち並ぶ街を抜け、30分ほど歩いた先に、目的地「おもいでミュージアム」が姿を現す。


「着いたーっ!」

ハルが両腕を広げて叫ぶ。


博物館の入り口は木造のアーチで、どこか懐かしい雰囲気を漂わせていた。



中へ入ると、1階には昭和の教室や駄菓子屋、商店街のジオラマが並び、4人は目を輝かせて見て回った。


「これ、さちのママが子どもの頃の時代じゃない?」

「電話がダイヤル式だよ! 見たことない!」

「なんか不思議だけど、あったかい感じがするね」


そして2階の体験コーナーへ。


「こちらでペンダント作り体験ができますよ~」

スタッフの女性が笑顔で迎えてくれた。


4人は席につき、丸いガラスの中から自分の色を選び、刻印に入れる文字を考える。


「私は“TRENO”って入れる!」

「私も!」

「じゃあ、みんなおそろいだね」

「いいね、それ。これから先も忘れないために」


道具を使って刻印を入れ、チェーンを通す頃には、4人とも無言で集中していた。

完成したペンダントは、それぞれの胸元で静かにきらめいていた。



「……すごくいい思い出になったね」

さちが静かに言う。


「ここまで歩いてきたのも含めてね」

ユキが笑い、4人は館のテラスへ出て、秋空の下でお弁当を広げた。


「これが小学生最後の遠足って、ちょっと信じられないよね」

リンが空を見上げながらつぶやく。


「でも、最高の一日にできたと思う」

と、ハル。


4人は胸元のペンダントに手を添えながら、それぞれの心に残る“おもいで”を静かに確かめていた。


挿絵(By みてみん)

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