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絆のトレーニングノート:始まりの春、強さの種  作者: たまに何かを書く人
【第5章】新しい風と、ひとつのチーム

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第三節 驚きと刺激のトレーニングルーム

ある週末の午後。

ハル、ユキ、さちは、リンの家の前に立っていた。


白い外壁にガラス張りの玄関、広々とした芝生の庭。どこか海外の住宅を思わせる、整然とした雰囲気だった。


「ここが……リンの家?」


「うちのトレーニング部屋もがんばってると思ってたけど、スケール違うかも」


「“ルーム”っていうより、“ジム”だね、これは」


ピンポーン。チャイムを押すと、すぐにリンが元気に顔を出した。


「Welcome! いらっしゃーい!」


満面の笑顔で手を振るリン。

その姿を見て、三人は思わず目を見張った。


リンの今日のトレーニングウェアは、海外ブランドのタンクトップにハーフパンツ。

肩や背中がしっかり見えるそのスタイルは、日本の小学生ではあまり見かけないものだった。

そして何より目を引いたのは、その身体。


引き締まった上半身。

しなやかさの中に芯のある肩まわり。

細身ながら、腕にはトレーニングの成果がにじんでいる。

お腹にも、うっすらと筋の影が見えていた。


「すご……リン、本当に体操選手なんだね……」


「“細い”じゃなくて、“強い”って感じ」


「うん。私たちも鍛えてきたけど、また違う筋肉のつき方……」


さちは自分の腕に目をやり、自然と力を入れてみた。

肩やお腹の筋肉が前よりも確かに存在感を増していることが、嬉しくもあり、少しくすぐったかった。


「リン、その体って、どんなトレーニングで作ったの?」


「今日は、リンのメニュー試してみたいな!」


「ほんと? OK! じゃあ、わたしの“器械体操の準備トレーニング”、やってみる?」


リンはうれしそうにうなずき、ドアを開けた。


中に入ると、そこはまさに“プライベートジム”だった。

壁には懸垂バー、バランスボールにケトルベル、フォームローラー。

床一面にストレッチマットが敷かれ、明るい照明が映える。


「ひ、広い……!」


「この設備、一人で使うなんてもったいないよ!」


さっそく、リンのメニューが始まった。



リンの器械体操準備トレーニング

•壁倒立ホールド(30秒×2セット)

•体操式プッシュアップ(肩と肘を締める)×15回

•懸垂バーで脚を閉じたままレッグレイズ

•ブリッジで腰の引き上げ×10回

•バランスボール・プランク(片脚交互)



最初は軽そうに思えたメニューも、回数を重ねるうちに息が上がっていった。


「さち、腕ぷるぷるしてるよ!」


「うるさい、ユキだって……!」


「ハルは……顔に出してないだけで、キツいよね?」


「はい、そのとおりです!」


笑い声のまじる中、集中した時間が流れていった。


少し休憩をとったあと、三人はマットの上に腰を下ろし、リンに質問した。


「リンって、体操の中で何が得意なの?」


「うーん……“フロア”が一番好き。でも、“バー”も楽しい。今日はマットあるから、ちょっとだけ見せるね」


「ほんと!? 見たい!」


リンは軽やかに立ち上がり、マット中央へ。

一呼吸置いて――くるりと前転、ブリッジ、そのまま倒立からの回転。

流れるような動作が、途切れることなく続いた。


「……すごい……!」


「動きに“迷い”がない……」


「なんか、芸術みたい……!」


最後のポーズでにっこり笑うと、三人は思わず拍手を送った。


「リン、本当にすごいよ!」


「ありがとう。でも、みんなの筋トレも、わたしにはできない。水泳のパワーって、やっぱりすごい。だから、これからも一緒にトレーニングできたら……very happy!」


「もちろん!」


「チーム“トレノ(トレーニングノート)”に、ようこそ!」


四人目の仲間が加わり、鏡に映る“努力の軌跡”は、さらに力強く広がっていった。


挿絵(By みてみん)

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