第二節 夏休みはトレノ日和
夏の朝。さちは宿題を抱えて、ハルとユキの家にやってきた。
「午前中は宿題、午後はスイミングスクールとトレーニング。完璧な一日!」
扇風機の風がゆるやかに回る部屋で、三人は並んで漢字ドリルや読書感想文に集中する。集中力が切れたころには、冷たい麦茶とアイスがちょうどいいご褒美になる。
午後になると、スクールバッグを肩にかけてスイミングスクールへ向かう。
クロール、平泳ぎ、キック強化……全身が火照るまで泳いだあとは、いつものトレーニングルームへ直行。
「今日は体幹と腕メインでいこう!」
「宿題より楽しいかも……!」
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数日後、待ちに待ったおでかけの日。
海に着くなり、さちが浮き輪を肩にかけて叫ぶ。
「今日は遊ぶぞー!」
……のはずが、砂浜ではなぜかスクワット競争が始まり――
「なんで!? 今日って遊ぶ日じゃなかったっけ!?」
「トレーニングも遊びも全力でしょ!」
気づけば波打ち際で腕立て伏せ、砂浜ダッシュ、最後はビーチで腹筋チャレンジ。周囲の大人たちは、そんな三人に思わず笑いながら拍手を送っていた。
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さらに別の日。
三人は自由研究のテーマを「小学生の筋肉の成長と水泳の関係」に決定。資料を集めるため、学校のプールを使って、実際に泳ぎながら観察と記録を進めていった。
準備運動をしていると、プールサイドの向こうからヒソヒソ声が聞こえる。
「ちょっと見て、さちちゃんたち……腹筋、すご……」
「背中の筋肉、うちの兄ちゃんよりあるって……」
三人は思わず顔を見合わせた。
「……なんか、見られてない?」
「ちょっとだけ恥ずかしいけど……」
「でも、“がんばってきた証”だよね」
このささやかな出来事が、のちに“マッスル女子チーム”と呼ばれる伝説のはじまりだった。




