昨晩の記憶と拉致 1/3
完了
大学の図書館での調べ物を終えた俺は家に帰るべく夕焼けを背に大学の正門へと歩いていた。
「セイくん!今帰り?」
突然、後ろの何者かに肩を強く叩かれる。
「びっくりさせるなよ。華乃。」
後ろにいたのは、中学からの友人の城川華乃だった。
「いや~。相変わらず彼女のいない寂しそうな様子でいたからさ。」
彼女はいつもこのように面倒くさい絡み方をしてくるのだ。
「うるさいな。お前だって彼氏いない歴=年齢のくせに…」
俺が少し不貞腐れつつ言い返すと・・・
「私は恋愛とか興味ない派だから問題ないの。」
このように返してくるのが中学の頃から続くお約束のようなものだ。
「はあ、そう返ってくるとわかってたよ。…」
半分諦めの境地に達しつつ、
「で、何かよう?」
話題を変えるべく俺から話を切り出すと。
「いや、別に用事はなかったんだけどさ。姿を見かけたから1週間ぶりに家の近くの分かれ道まで一緒に帰ろうかな〜って。どうかな?」
華乃は少しの遠慮を含んだ表情でこちらに聞いてくる。
「いいけど、俺なんかでいいのか?」
俺は俺自身の客観的視点から見た際の価値を元にして聞く。
それに対して華乃は、
「君だからいいの。君と一緒にいるとなんだか安心するから。だから、決まりだね、じゃあ帰ろっか。」
華乃は俺の腕を掴むと、ぐっと引っ張って駆け出し始める。
「・・・」
俺は(相変わらずお世辞が上手いな)と思いながら華乃に引っ張られるままに駆けて行く。
「そういえば華乃?こっちは駅じゃないんだが…一体どこへ?」
しばらく走ったところでその道が駅への道でないことに気づき疑問に思い問うた。
「ファミレスに行こうかなって、私少し忙しくて昼を抜いたから、それにセイくんも昼から何も食べてない様子だったから。」
ひどく驚いてしまった。何せ本当に昼から何も食べていなかったからだ。
「何故、それを?」
「言葉で表現しようとすると難しいんだけど…女の勘の一種みたいなものでなんとなく。」
「なるほど。」
俺は内心(女性ってすげー)と思いながら華乃と一緒にファミレスへと向かっていく。
何だこのいちゃつく男女⁉