9 町へ
森の入り口を抜けると目の前にとても大きな街が広がっている
森は街よりも高い位置にあるため、街の全体がよく見える。
「うわー!あれが街なのね!おおきい!真ん中にお城みたいなものもある!」
初めて見る景色に感動する私。
「ここから下って行けば、街までもう少しだよ。」
森から傾斜をかけて道が連なっているところを歩いていく。
「私は平気だけど、フィンは疲れていない?大丈夫?」
よく考えたらフィンは森から脱出した後に王宮で薬を作ってからまた森に来たんだ、疲れていないわけがない。
「心配してくれてありがとう。もともと薬の研究の一環で森にはよく行っていたからね。大丈夫だよ、と言いたいけれどさすがにちょっと疲れたかな。」
はははと笑うフィン。
「ミーアも初めての街の繁華街に出かける前に少し休みたいだろ?そこで提案なんだけど、僕の実家のに寄ってからでも良いかな?」
「フィンの実家?!行ってみたい!」
こんな素敵な男の子を育てたなんてきっと素敵な空間に違いない!
キラキラした目でフィンを見る。
「あ、先に言っておくけど、うちはミーアが想像するような華やかな感じじゃないからね。」
困ったように言いながら歩いていく。
「僕の家は街外れにあって、華やかさはないけれど人込みも少ないしのんびり暮らせて僕は好きな町だよ。」
街外れにあるというだけあって、森からの道なりに行った先ですぐに到着した。
「ここが人間の町!」
私は目に見える全ての物が新鮮でキョロキョロしてしまう。
「こっちだよ。迷子にならないようにね。」
私の様子を見ながら歩いてくれる。
街外れとは言っても、店頭で野菜や果物を売っているお店が沢山あって、そこに買い物に来ているお客さんでにぎわっている。
ただ歩いている人もいれば、友人同士で噴水の縁に座り話す人、お店の人となにやら交渉している人などたくさんの人間がそれぞれ過ごしている。
「素敵。。」
私は自分の村では見られない光景にただただ感動する。
「ミーア!」
すぐに足を止めてしまう私を呆れながらこっちって言うフィンに近寄る。
近寄りながらごめん、と言おうとした時、
「あれ、フィン?」
私の目の前でフィンに話しかける女の子。
「ロキシー?」
フィンが彼女に反応する。
「フィン帰ってたんだ。確か森に行ったって聞いていたけど。あれ?」
その女の子が私の存在に気付く。
「え?誰?この子。」
ジロジロと私を見てくるのがなんだか居心地が悪い。
「この子はミーアって言って、王宮で働いていた時に知り合った子なんだ。ミーア、これらはロキシー。僕の幼馴染。」
右手をその子に添えながら紹介される。
「ミーアちゃんっていうのね。私はロキシー。よろしくね。」
可愛らしい恰好をした可愛らしい子が私に挨拶をする。
「ど、どうも。。」
なんとなく言葉を詰まらせる。
そんな居心地の悪さを感じている私に気付いたのか、
「ごめん、僕たちこれから実家に行かないといけないからまた今度ゆっくり話そう。」
「あ、フィン。」
まだ何か言いたそうだった彼女を置いて私の手を取り歩き出してくれた。
二人で静かな路地裏を歩いていく。
「ごめんね、ミーア。初めての町で知らない人と話すのは緊張するだろ。」
「全然全然!むしろ久しぶり?に会えた友達とせっかく会えたのに私のせいでごめんね!」
やっぱりさっきは私に気をつかって早めに会話を切り上げてくれたみたいだ。
さりげない優しさがフィンの魅力だと再認識する。
「いいんだよ。ロキシーとはたまに会って話すくらいだし。今はミーアが優先。」
嬉しい。
けど、さっきの女の子すごい可愛かったな。
歩いている道にある家の窓に映った自分を見る。
虎の皮に包まれた私。
可愛くない。。
こんな格好であんな可愛い女の子たちがいっぱいいる場所を歩くことが急に恥ずかしくなってしまった。
そんなことを悩んでいる私に、先に路地裏を抜けたフィンが私を手招きして言う。
「着いたよ。」
私も路地裏を抜ける。
抜けた先は開けた広場で、真ん中ある噴水を中心に周りにお店や民家が連なっている。
その一か所に食堂?のようなお店を指さして、
「ここが僕の実家だよ。」
と告げるのであった。
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