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36 赤い髪の王子様

そこからの話はもう早かった。


その場にいた刺客たちを一人残らず捕らえて、一人ずつ別室で尋問にかける。

全員捕まったことを流石にやばいと感じたのか、一人また一人とポロポロと自白していった。

親玉にも、エイリーク自身が交渉して自白させた。

依頼人のアーノルト王太子はもう失態する、自分が今度は王位を継ぐため、自供するならば恩情を取ると交渉したらあっさりと自白したとか。


そして今、王宮でアーノルト王太子への毒殺未遂事件の沙汰を王様自ら下そうとしている。

私もだいぶ関係者になってしまったため、その場に同席することになった。


とは言え、こんな大舞台は緊張していまうため、部屋の隅っこでフィンの後ろにひっそりと立っている。

扉から重厚な赤い絨毯が敷かれていて、その左右には騎士がずらりと並んでいる。

その中にはダニエルの姿も見える。


赤い絨毯の先には大きくて豪華な装飾品が飾られた立派な座椅子が二つ並んでいる。

その椅子には現国王とエイリークが座っている。


この様な厳かな場ではさすがにエイリークも言動を改めているのか落ち着いている。

黙っていると本当に絵本の中から飛び出して来た王子様だ。


私が心の中でそう思っていると、自分のことを想像されていたのがわかったのか私の方を見て、ウィンクをするではないか。

前言撤回。

彼はどのような場面でも変わらないらしい。


私が呆れていると、フィンがエイリークから見えないように私の前に立った。

私が余計なことを考えないように配慮してくれたのかしら?


少しして、この部屋の扉がガチャリと開いた。


扉の方を見ると二人の騎士に挟まれて、後ろ手に縄で縛られている人が立っていた。


その人は、赤い髪、癖のある長い髪、整った顔をしていた。

青い髪、サラサラのボブのエイリークと対照的な印象を受けた。


恐らくあの赤い髪の彼が今回の毒殺未遂事件の首謀者であるアーノルト王太子なのだろう。

彼は少し釣り目の目を前に鎮座しているエイリークを睨みながら歩を進める。


国王とエイリークが座っている椅子の前に着くと、膝をつけさせられる。


「アーノルト。我が愛息子よ。このようなことになって誠に残念極まりない。」

王様が憐れむような眼で息子であるアーノルト王太子を見る。


「父上!これは茶番です!エイリークが!あいつが自分が王になりたいからと継承権一位の俺を罠にはめたんです!!!」

この広間に響き渡る声で叫ぶ。


ここまで来て反省しないなんて最低!と私は心の中で憤慨する。


「兄上。もう諦めてください。今回の毒殺未遂事件だけではありません。今まで貴方がしてきた不正や汚職についても調べがついています。もうこれ以上貴方を庇うことは誰も出来ないでしょう。」


「はあ?!それを知っていた上で俺を泳がせていたのか?!」


「ええ。不正や汚職だけでは王太子を追放するのには弱いと思っていたところに、毒殺未遂事件が発生しました。俺はこの機を逃さず貴方を追いつめる算段を立てていたのです。


「エイリーク!!!」


第一王子より第二王子のが優秀と言っていたのは本当みたいた。

一時はエイリークが命を狙われて窮地に立っていたと思っていたが。

終わってみれば全てエイリークの手のひらの上だったみたい。


エイリーク、お茶らけているだけじゃないのね。


「アーノルト。本当に。本当に、残念でならない。こんなことを起こさなければ、王宮内でお前の評価が低かろうと、第一王子として王位を継がせるつもりだったのに。」


「ち、父上。」

国王の真意を知って後悔するアーノルト王太子。


「黙っていても王位に継げるなら、エイリークなど放っておけばよかった。」

膝をついているアーノルト王太子は、その場で蹲り嘆いている。


「アーノルトから王位継承権を剥奪する。代わりに第二王子のエイリークを今より王太子に任命する。」

私を含め、皆この裁きを固唾をのんで見守っている。


「そしてアーノルト。弟への毒殺未遂の罰だが。」

アーノルト王太子、と、もう王太子じゃないのか。

アーノルト王子は項垂れていた顔を上げて、救いを求める顔を王様に向ける。


「こんな愚息ではあるが、それでも愛息子だ。処刑は出来ない。遥か東に我が国の同盟国がある。そこへ流刑でいいだろうか。エイリーク。」

王様は殺されそうになったエイリークに、それでも息子を殺すことは出来ないことを申し訳なさそうに伝える。


「ええ。私も兄上を処刑することを望んではいません。命を狙われようとも、たった一人の兄上なのですから。東の地への流刑でいいでしょう。」

暗殺を企てたのに、処刑を免れるなんてすごい恩情だと思う。

それは父と弟の最後の愛情だった。

きっとアーノルト王子にも伝わるはず。


そう思いながら私はこの沙汰を最後まで見守っていたのだった。



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