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29 青い髪の王子様

私はそろりと少しだけ瞼を上げる。

少し開けただけでもエイリークさんが光り輝いているのはわかるが、慣れてきたのか目は開けられることが出来た。


「あ、やっと目を開けてくれたね。」

私はこっそりと開けたつもりだったが、すぐに気づかれてしまった。


「ミーア、無理してこんな人見なくていいからね。」

「フィン。お前言うようになったな。」

「貴方がフィンをからかうからでしょう。」

三人は仲良さそうに話している。


「みんな仲が良いのね。見ていて楽しい気持ちになるわ。」

私はフィンが楽しそうにしているのを見て嬉しい気持ちになったことを素直に言ってみた。


「ええ、二人とも唯一無二の友人です。今ここでこのように話しているのもミーアちゃんのおかげだよ。だから敬語も必要ないし、遠慮せず私のことはエイリーク、と呼んでくれ。」

「あんたそれが言いたかっただけだろ。」

フィンはエイリークさんに遠慮せずに文句を言っている。

エイリークさんは貴族だと思うけど、お互い対等に付き合っている雰囲気が感じ取れる。

フィンの友人に対して敬語を使うのもまた失礼に当たるのかしら?


そう思った私は、


「ええ、じゃあ、えっと。エイリーク?私とも仲良くしてくれると嬉しいわ。」


私もフィンの友人と仲良くなりたいと思い敬語をやめてみることした。


「ああ!こちらこそぜひ仲良くして欲しい!フィンがやきもち焼くくらい仲良くしよう!」

「エイリーク様!それは言い過ぎです!フィンの顔がやばいことになってますよ!」

よくわからないけれど、このようなやり取りが彼らのお決まりみたいね。


可笑しくなってちょっと笑ってしまったわ。

私も三人と仲良くやっていけるかしら、なんて思っていた時だった。


コンコン。ガチャ。


「あ、エイリーク王子。この書類なんですけど。」

眼鏡をかけた私たちと同年代の執事服を着た男性が入ってきた。

書類の確認ってことは仕事関係だろうか。


いや。


その前にこの人なんて言った?



「何みんな固まっているんですか。またエイリーク王子のお遊びに付き合わされているんですか。」

その執事服の彼はやれやれ、とため息をついていた。


聞き間違いではないようだ。


だって。


彼ははっきりと言っていた。


「え、えいりーく、おう、じ?」


王子様だと。


私は恐る恐る青い髪の美青年、エイリークの方を振り向く。

すると彼はバレちゃったかっていたずらっ子の顔をしたのだ。


「ぎゃー!!眩しい!!目がー!!!」

本日二度目の眩い光による目の破損をしてしまった。


「さっきより神々しく光り輝いてるわ!というか光過ぎてもう原型が見えない!!」

後光が強すぎてもう彼自身は影にしか見えなくなってしまった。


「ミーア。もう見なくていいよ。」

フィンは泣き叫ぶ私をぎゅっと抱きしめてエイリークを見えないように隠してくれる。


「人を何か悪い者のように言うな。傷つくぞ。」

「え、ていうか皆さんこれは何されているのですか?」

「そもそもこのポンコツ執事のせいだし。リーヤ、今日はお礼の会をするって言っていただろう。」

リーヤと呼ばれた執事服の男性はどうやらエイリークの執事らしい。

彼は少し考えた後に。


「あ!もしかしてあのフィンの友人を呼んでお礼をするけれどエイリーク王子のことは王子とばれないように伏せるってやつでしたっけ?!」

私にもわかるように説明口調で叫んでくれた。

「リーヤ、ポンコツにもほどがあるぞ。。」

騎士の方が呆れてしまっている。


「まあ私はリーヤのポンコツ具合が好きだからいいけどな。」

自分に自信があるのか愛嬌があるタイプが好きみたい。


「ごほん。ミーアちゃん。騙して申し訳ない。私が王子だとわかったらミーアちゃんが驚いてしまうと思って隠していたんだ。」

そ、そうなのか。

でも確かに自分の動揺具合を考えるとその考えは正しかったように感じる。


「改めまして、私はこの国の第二王子であるエイリーク。でも遠慮せずに先ほどみたいにエイリークって呼んでくれて構わないよ。」

ニコリと笑顔で笑う様は昔絵本で見た王子様そのものだった。


「王子様って実在したんだ。。」

私は昔から夢見ていた存在を目の前に思考が止まった。

私はどうしたらいいのかわからず、たまらずに縋るように抱きしめてくれているフィンの顔を見てみた。


するとフィンは私のことを優しく抱きしめてくれてはいるが、怖い顔でエイリークをにらんでいた。

「ふぃ、ふぃん。顔怖いよ。」

私はたまらずにフィンの見たことない顔について指摘してみた。


するとすぐにいつもの様な優しい笑顔を私に向けて、

「ごめんね。エイリーク王子があほな事ばかりするから。」

と到底王子様に言うセリフではないことを言うのだった。



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