侍女殺人事件 解決
「あの、一つ聞いていいですか?」と侍女に問う。
「こ、今度は何?」
「今日、貴方は食べ物を仕入れましたか」
「私は今日食べ物とか仕入れてないわよ。仕入れたといえば、饅頭を作っていたあの人しかいないけど」
「ありがとうございます。では、推理を披露します」
「ええっ!?」
「分かったの!?」
「はい。私が今から推理を披露します。よーく聞いてください。まず、あの死んだ侍女ですが、彼女は首を吊って死んだのではありません。一見、首を吊ったように見えますが、彼女の口がただれているという事は、彼女は毒殺されたという事で間違いないでしょう。そして死んだ後首を吊らせたんです」
「何でそんな事……」
「毒殺だと分かると犯人にとって都合が悪いんですよ。毒は、食べ物とか飲み物とかに入れる場合が多いです」
……ここに青酸カリとかないしね。
「じゃあ毒はあのジュース?」
「違います。ここには殺した毒はありません。厨房に行けば分かります」
「厨房?」
わたし達は、厨房に向かった。
「桃饅頭が置いてあるだけじゃない」
「ええ、そうですね。凶器は、この饅頭です。ほら、この饅頭、食べたあとがあるでしょう?これはあの侍女が食べたものですよ。おそらく饅頭に毒をかけたんでしょう。違いますか?」
と視線を饅頭を作っていたという侍女に向けた。
「な……!」
「貴方は殺された侍女の部屋に来て、饅頭を渡し、侍女を殺した。だけどこのままでは自分がやったのだとばれてしまう。なぜならその時食べ物を扱っていたのは貴方だから。だから首を吊るし、凶器の饅頭を他の饅頭と混ぜた。そして毒殺だと分からないようにした。それに、貴方の服、ほつれていますよ。ほら、この赤い糸、貴方のものですよね?もう言い逃れはできませんよ」
「……ええ。そうよ、わたしがあの女を殺ったのよ。わたしの妹の事を悪く言ってきてね、さらにはわたしの妹を殺したのよ!もう決めたわ。殺すってね。でも後悔はしていないわ」
「……妹さんは喜ばないと思います」
そうぼそりとわたしは言った。
これが、蘭蘭の暴いた最初の事件。