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モブキャラでも助けたい  作者: 楸の月
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作戦会議テイク2

「なるほど…博物館にあった道具は合計三つだったのか…」


「そうそう、6月3日に神具から邪神が、魔具からも魔王の魂が…てな感じでどっちかが出てくる感じ、そして対抗手段として俺が考えてたのが…」


「切嗣の神具ってわけか…あいつの神具の力って遠距離の斬撃だけじゃないんだな」


 皆さんお気づきかもしれないが、なぜ風間君の契約する道具が先にわかってるかというと、6月5日に起こす連続首切殺人事件の犯人こいつなんすよ。

 共通ルート最初の事件の犯人はまさかの友人だった、メインヒロインの助けもあって、倒した後選択を迫られる。

 この選択によって物語が色々変わるんだが…まぁそれはまた今度話そう。


「そうだ、あいつの神具は自分の考えた通りに斬り裂く能力、当てることさえできれば、神であろうと魔王であろうと斬り殺す、その分MP消費が激しいから6回しか使えない」


「回復とかしないのか?」


「いや無理だ、MP回復するのにマナっていうのが必要なんだが、この世界では大気中のマナが薄いから、一年でMPは6しか回復しないらしい」


 回復手段あるにはあるんだが、言いたくねぇ…

 その方法もMP譲渡に近いし、いい案じゃないんだよなぁ…


「そうだ!契約の共有は?あれ使えば全員切嗣の力使えるんでしょ」


「「絶対にいや(だ)!」」


 妹ちゃんと俺の声がハモッた。

 心底不愉快そうにしないでよ…心に来るから…

 それはそれとして…その方法はお前と妹ちゃんだったからできることであって…とにかく俺は断固拒否する!


「なんでさ、ねぇどんな方法?僕にも使ったんでしょ紬?教えてよ」


 妹ちゃんに司が詰め寄り、妹ちゃんは顔を真っ赤にしながら後ずさる。

 あの内容を本人目の前にして言わせるとか拷問かな?


「妹ちゃんがかわいそうだからやめてやれよ…」


「妹ちゃんとか呼ばないでよ変態不審者」


かばったのにこの扱い、まあいいけどさ…いやだって言えないでしょ。

兄にキスしたなんて…

契約の共有の条件は、契約者から相手に口づけすること、場所はどこでもいいが、それにしたってこの条件考えたゲーム会社おかしいんじゃないの?

いやそういえばこれエロゲだった、エロゲ的にはまだ超健全なんだけどさ…現実でそれやるのハードル高くねって話だよ。


「と・に・か・く!その方法は一旦忘れろ!」


「わかったってば、なら切嗣を何とか仲間に引き込むしかないね」


「いまさらだけど未来で自分を殺そうとしてるやつによく冷静だな」


「前の世界で殺してやるとか殺意向けられるの慣れてるし、慣れだよ慣れ」


 慣れたくないなそれ…軍隊ってそんなに殺伐としてるの…

 今度何かおごってやろう…


「あと確認してないのは、能力があと何回使えそうかとかかな?それぞれいってって」


「私はあと60回かな?戻る日数で前後すると思うけど…」


「俺は人の転移ならあと1回ぐらい、物だけなら8回くらいだな」

「280回…え、僕がおかしいの?みんななんでそんな少ないのさ」


 いや、お前の数がどうしただよ!

 俺の時20回使ったってのにどうしてそんな数が多いのさ!?

 僕何かやっちゃいましたか?じゃないんだよ!

 なろう系主人公か貴様は!


「というかサードの契約はどうしたんだよ?俺が死んだなら未来で契約してるはずだろ?」


「それがここに戻ってくるときに確認したけど、使えなかったんだよ、サードからの声も聞こえなくなったし、多分未来で契約したものは持ち込めないっぽい」


『ワタシィこいつぅ生理的にぃ受け付けなぁい』


 サードにここまで嫌われること司したっけ?

 未来の記憶はないはずだし、単純に嫌いなだけか?

 なら未来で大量契約して戻ってくる案はダメか…


「まとめるよ、明日は切嗣を仲間に引き込む、マキアと紬と離れないように行動、出てきたら切嗣の神具で撃退、もし逃げることになったら走って逃げる。追いつかれそうなときはまもちゃんのサードで転移、再び攻撃、ダメそうなら僕か紬が巻き戻す、これでいいね?」


「さすが親友、いい作戦だ」


「おにい天才」


「何かここまで褒められると死亡フラグな気がしてきた…」


 そういうこと言うなよ!

 確かにそれっぽいとは思ったけどさ!

 フラグじゃない!フラグじゃない…よね?

 

「まぁいいか…じゃあ明日、作戦開始だな」


「おう、じゃあ俺はそろそろ帰るぜ、また明日な」


 リビングから出て、帰ろうと扉に手をかけた時、肩をつかまれる。

 振り返ると妹ちゃんがそこにはいた。

 司の姿はなく、妹ちゃんだけ来たようだ。


「どうした?あぁそういうことか…安心しなよ、君が俺を刺し殺そうとしたことは司には黙っておくから、俺も包丁使って脅しちゃったし、お相子ってことで…」


「そうじゃなくて…それ、かぶったまま外に出るの?」


 妹ちゃんに顔を指さされたので、顔を触るとレジ袋特有のカチャカチャという音がした。

 忘れてた!危うく補導されるところだった!


「ありがとう!危うく警察のご厄介になるところだったよ、レジ袋外すから顔見ないように妹ちゃんはどこかに…」


 俺の唇に何か柔らかいものが触れる、妹ちゃんがレジ袋を取り払い、俺にキスをしている。

 えっ、いやなんで!?

 キス、接吻、ベーゼ!?

 あれこれが俺のファーストキス!?

 いやこんな美少女からされるのなんてご褒美でしかないけど、なぜ!?


「え、あっ、ど!?」


「これで貸し借りなしだからね!」


 妹ちゃんはダッシュでトイレに駆け込んでいった。

 多分俺の顔を見たから、吐きそうになったんだろう。

 貸し借りって…黙っておく口止め料的な感じか?

 気持ち悪くなるくらいなら、別の形で返してくれればよかったのに、よりにもよってキスなんて…

 頬が熱い、心臓がうるさいくらい早い…

 俺はそっと司の家を出て

 

「あぁぁぁぁ!!!!」


 大声をあげながら久々の全力ダッシュで家に帰った。

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