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モブキャラでも助けたい  作者: 楸の月
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昔から…

僕と守があったのは確か小学校の頃だった。


守は不登校で滅多に学校には来なかった、先生に頼まれてプリントを届けることになってから話すようになって、徐々に不登校から学校にも来るようになっていった、守はこの頃から人助けを信条にしてて、僕もそれに巻き込まれるように人を助けた、助ければ助けるほど僕の評判は上がり、先生からも親からもほめられるようになっていった。

 

 守は自分の損得考えずに助けるが僕は違った、僕に益があるものを助けて恩を売り、それ以外は守に任せて、適当なところで守に解決策を提示して自分は助けないが守からの評価が上がる、ノーリスクハイリターンで僕の評価は上がっていった。


 中学校にあがり、僕は巧みな話術を覚え、守以外にも多くの友達を作り、僕がやれそうでめんどくさくないことは基本自分がやり、後は友達に押し付ける、友達というなの利害関係で作られたコミュニティー、守は僕を友達が多くてうらやましいと言ってたけど、お互いに益があるからこそ続く関係だった。

 それを維持するのも大変なので高校ではこれはやめよう、前髪でも伸ばせば関わらなくても済むかな?


 高校にあがり、僕はいじめられた、なるほどコミュニケーションをめんどくさくなって関わらなくなるといじめに発展するのか…弱いと見るや否や弱者をいたぶる人間のなんとみにくいことか、くだらない。

しばらくすると僕に対するいじめがある時期からぴたりとなくなる。

あきたのかと思っていたが、そうではなかった、次の標的にされていたのは守だった。

 守は僕がいじめられているのを見て、いじめている連中に突っかかっていったのだ、そして新たな標的として目をつけられ、いじめを受けている。

 だが守はいつも笑っていた、いじめを受けているにもかかわらず、僕に相談もせず、いつもと同じように僕の目の前でにこにこと笑っている。

 なんで相談しなかったと問い詰めたが、あいつは俺がいじめられてれば他のやつらがいじめられないだろ?といった。


バカだと思ったよ、そしてその自己犠牲が無性に腹が立った、多分僕は友達が傷つけられた事に対してこの時初めて怒ったんだと思う。

僕は徹底的にいじめの証拠を集め、警察に通報して、いじめた連中を退学に追い込んだ、いじめは犯罪だ、退学以外でも法の裁きを受けるだろう。

いじめてた連中が退学になったこともあって、周りで目に見える範囲なら極端に減ったと思う。


守はその後も変わらなかった、いやむしろ変わらなかったことが異質だった。

いじめを受けた前と後で全く持って変化がない、自分の事に無頓着とはいえこれは度が過ぎている。

僕は長年付き添った親友とも言える友人に恐怖を覚えるようになった。


 その後の進路で、守は都会の大学に行くと言っていた、僕は守から逃げるように地元の大学に入ることを決めた。


大学は順風満帆だった、ただこの先の進路が決まらず、大学の友人が自衛隊に入るというので僕もそれでいいかと適当に決めた。

この選択が間違いだった、自衛隊は縦社会で厳しく、訓練も多い、自由な時間などほぼ取れない、助けるべき人たちに税金の無駄遣いだとヤジを飛ばされ、大学時代の彼女からも縁を切られた。

気づけば30歳になり、自衛隊に入るといってた友人もとっくの昔にやめていた。


もう…疲れた…遅すぎる決意だったけど、もう決めた。

この仕事が終わったら僕は自衛隊をやめる。

土砂崩れがあった村での救助活動へ向い、夜になったときに自衛隊の先輩に呼び出されて…呼び出されてどうしたんだっけか?


まぁいいか…でこっちの世界にきて状況を把握して、とりあえずシナリオ冒頭の博物館に行ってみた。

シナリオに関わるつもりがないが、主人公としてここにいるなら逃げられる手段はないかと思って真っ先に思い付いたのが、ここだった。

そこで守に似た奴が契約だなんだと叫んでるのが見えたので影からじっとその様子をじっと見ていた。

倒れた後警備のおじさんに連れられて奥の部屋に連れられていた。

僕はさっきまで守みたいな奴がいたケースを見る、だが中身が消えていて周りの人に確認してみたが、そこには何も置かれていないと言われた。


ここにあったのは神具か魔具の力のある道具だとピンときた。

だから守みたいなやつと接触して道具を渡すよう言った。

奪おうとすると道具の力で転移した、僕が逃げるにはうってつけの力だと、何としても手に入れなくてはと思った。

色んな方法を試したが、この守に似た奴がそれを邪魔する。

後に守本人であったと発覚したことにより、僕は諦めざるを得なかった。

こいつは頑固なのは昔から知っている、助けることにおいては一歩も譲る事をしない、だからこそ、この道具と契約してるのは誰かのためなのだろうからな、そういう奴だと昔から知ってた。


そういう優しい奴だから!

利害関係でしか人と関われなかったクズな僕に、いつでも何も言わずに側にいてくれたお人好しの親友を助けたい!

僕は見知らぬ誰でもない奴なんかもう助けないと決めた。

だけど守だけはデメリットなんてドブにかなぐり捨てて!

誰でも平等に助けるお前を!

心から助けたいとそう思ってるんだよ!


やっとゲーム感覚が抜けた、これが僕のリアルだ!

この人生では間違えない!


 僕は妹にノックもなしで部屋に入る。

 妹はベットにうずくまっていて、こちらを見ようとしない。

 ここからは先は僕も最低なクズになろう。

 人の恋心すら、利用するクズな奴に…


「なあ紬?やっぱり戻してくれないか、このまま友人を死なせておきたくないんだよ」


「いやだってば!それじゃおにいが死んじゃう!」


「確かに今戻ったら僕が死ぬかもしれない」


「だったら!」


 妹はようやくこちらを振り向いてくれた。

 僕は瞳に涙を溜めて、心に訴えかける。

 いわゆる泣き落としだ。


「だから紬…僕を助けてくれないか?紬がいればあの状況をなんとかできるかもしれないだ、1人じゃ無理でも3人ならあの悲惨な事件を解決できるかもしれないんだ、僕の友達を…助けてよ…」


「け、けど…」


 もうちょいだな…

 僕は紬を抱きしめて、耳元で囁く


「もう…つらいんだ…お願いだよ…紬…」


「あ、あ、あ…」


 紬の耳は真っ赤になり、力が抜けていくのが分かる。

 それと同時にセカンドが使えるようになった。


 さて、戻ったら一発ぶん殴ってやるかな、それくらい甘んじて受けてよね親友、僕を本気にさせたんだ、その代償を高くつくよ?

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