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首の世  作者: しめさば
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1

 雑踏。

 交差点を行き交う人々は生き生きとして見える。

 なにせ自分の足で立って歩いているのだ。

 僕も傍目からはそう見えるかもしれない。

 笑っている人が羨ましくて仕方がない。


『すみません。さきほどは、翻訳と、文章生成がうまく、いかなくて』

 アカネが謝った。

「いいよ、悪いのは僕だから」

 短く言って、信号を見ると、青になっている。

 立ち止まる彼を人々が追い越していく。

 一様に彼のことを振り返り、睨んで去っていく。

「もう、いいかな」

『まだ、諦めないでください。次こそは、ちゃんと』

「自尽組合に、申請を」

『キリト、だめ』

 踵を返し、植え込みの脇に座り込むと、こめかみに手を当てて、通信を試みる。

「君に、主人の行動を制御する権限はないだろう」

 力無く笑う。

『やめて、キリト。まだ、私はあなたと話がしたい』

「もう、十分話したよ。あ、も、もしもし、じ、自尽、組合ですか?」

 彼の発話を邪魔するように、茜7号は脳内を騒がしくさせた。


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