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魔王はなぜ死ななければならないのか  作者: For AP
第二章 始まりの村
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28話:異種族




「さて、今日は何について話そうか。魔法についても闘法についても、一旦の区切りはついたから、休憩にしようじゃないか」



 ダンジョンでのレベル上げを経て、様々なスキルを手に入れることができた。闘法も闘気も習得することができたし、ダンジョン攻略の成果は上々といったところだろうか。


 この前、火属性魔法も雷属性魔法も初級までなら納めたし、まさに順調と言ったところだ。中級魔法の無詠唱もあと少しで掴めそうなところまで近づいている。



「じゃあ異種族の方についてお話を聞きたいです」



 俺は異世界に転生したということで、常々興味があった質問を口にする。そりゃエルフとか獣人もいるみたいだし、会ってみたいよなぁ。



「あれ? アルガは人族以外会ったことがないのかな?」



 一応赤ん坊のころの話だけれど、目撃したこと自体はある。会ったというにはいささか接触が足りないと思うけれど。



「確か、両親の友人が家に訪ねてきてその時に抱っこされた記憶はあります。今よりもっと小さかったのであまりおぼえていませんが、獣人族だったような……」



 その時は本当に驚いた。現実の人間に耳や尻尾が生えているのに、違和感が全然なかったからな。種として現実に存在しているっていう感覚がして好奇心がくすぐられた。


 あの時は子供の無邪気さに乗じて尻尾とか耳とかに触りたいと思ったんだよなぁ。流石に難しいし、我慢したけれど。



「本当に一応って感じだねぇ。この村は一応共和国内ではあるけど、聖王国にも近いから人族と天族以外は寄り付かないからなぁ」



 厳しい話だけれど、この村に人族以外が住むのが難しいだろうなぁ。テューゼ神王国の国教であるテューゼ神教は人族と天族以外を排斥しているって話だし、神王国から人が訪れることもあるこの村は居心地が悪いだろう。



「じゃあ今日は世界にはどのような種族が暮らしているのかについて話していこうか」



 師匠と俺は机を挟んでソファに座った。



「じゃあまず、世界の種族についてどのくらい把握しているのか教えてくれ」


 ええっとたしか……


「代表的な種族として扱われているのが、人族、天族、魔族、獣人族、森人(エルフ)族でしたよね?」

「そうそう。よく勉強しているね。それらの種族以外も多く存在しているけど、種族として有力だとされるのはその5種族で間違いないよ」

「でもなんでその5種族が有力だとされてるんです? やっぱり数ですか?」

「そうだね。数と加えて勢力の大きさ、影響が特に大きいのがその5種族なんだ」


 確かに、人族以外は強そうな種族が多いように思える。


「人族は特殊な能力はないけれど、なんでも無難にこなせる種族で何より人数が多い」


「天族は数こそ少ないけど、神法への適性を必ず持っているから神に愛されている種族といえるね」


「魔族は天族とは反対に呪法が得意だね。それに魔族の総数も多くの氏族が存在しているから総合的な人数も人族と獣人族に次いで多いね」


「獣人族は生まれ持った身体能力が高く、人数も多い。魔法とかは苦手だけど、闘法への適性が高い」


「森人族は魔法への適性が高くて、数は少ないけれど寿命が長い。それに自然に愛された種族とも言われる」


――――それぞれの種族が有力とされている理由はこんな感じかな。


 師匠が説明してくれたけれど、まぁ想像しやすい理由ではあるな。エルフとか獣人なんて想像通りの特性を有しているようだ。……にしても人族大した個性がないのに凄いな。


(曲がりなりにも地球の覇者だからね。そうなる意味もあるんだよきっと)


 フィドが深そうなことを言っている。……が、よくよく考えると中身は浅いな。



「尚更会ってみたくなりました! 師匠は異種族のお知り合いは多いんですか?」

「うん。昔旅をしていた時に、色々とあってね。種族によって容姿もかなり異なるから、見識を広めるという意味では他種族と交流するのはいいことだよ。慣習とかも全く違って面白いし」



 師匠は昔、旅をしていたのか。確かに帝国にも王国にも行ったことがあるみたいだしな。



 ――――――種族特性の項目を追加しました。ステータス欄をご確認ください。


 そう、師匠と熱の入った会話を繰り広げていると、脳内にもはやお馴染みとなりつつあるアナウンスさんの声が響いた。


 種族特性? 何か新しい要素が解放されたみたいだ。早くステータスを見たいけど……師匠の前じゃ見れねぇ……



「僕も早く冒険者になってたくさんの種族の方とお話ししてみたいです!!」



 別のことを考えながらも、どうにか会話を成立させようと返事をする。すると師匠は俺の声を聞いてにっこりと笑う。そしてソファーから立ち上がり、近くにあった棚の引き出しを探り始めた。


「そうだねぇ。じゃあ僕の友人を呼んで、闘法を教えてもらうことにしようか。人族じゃないし、丁度他の種族についても知れて一石二鳥だね」


 棚の中から指輪を取り出した師匠は懐かし気に、それを撫でる。シンプルな作りのシルバーの指輪だ。


「それは……?」

「あぁこれかい? 昔の仲間とお揃いの魔道具でね。これで連絡を取り合うことができるんだ」


 そう語った師匠の顔は先ほどまでの優し気な表情とは違い、どこか憂いを含んだものだった。懐かしむわけでも…なく……





――――――――――――――――――――――――





 ――帰宅後――

 


(アナウンスさん説明お願いします!!!)

(アルガ君ったら随分律儀な態度だね……僕にもそうしてくれよ)


(はい。かしこまりました。種族特性とはそれぞれの種族が有する特徴を人族であるアルガ様が獲得できる能力となります。獲得条件こそ厳しいものとなっておりますが、手に入れることができれば不可能を可能とすることもできます。スキルポイントなど対価は必要ありませんので、是非とも活用ください)



 師匠が言っていた種族の特徴を俺が手に入れられると……どう言う効果なのかはわからないけど、創作上でも獣人族のフィジカルはすごいし、森人族は魔法を上手く扱っている。その力の一端でも手に入れることができるのなら有用なのは間違いない。俺以外の人は持たないであろう特権だしな。



(アナウンスさん。条件って一体なんなんです?)

(誠に申し訳ございません。私にも条件に関するアクセス権限は与えられておりませんので)



 詳しく話しを聞こうと、アナウンスさんに語りかけるも反応は芳しくない。ということで、隣にいるフィドを見やる。……も、何も知らないようで気まずげにそっぽを向いた。



(わかりました。じゃあその欄を開いてもらえますか?)


 こうやってアナウンスさんにお願いすると簡単にステータスを開いてくれるのだ。優しい。



――――――――――――――――――――――――

 種族特性

•人族 解放済み

•獣人 未解放

 

――――――――――――――――――――――――



 獣人の項目だけあるけれど解放はされてないし、条件も明記されてない……確かに解放するのは難しそうだ。


(ポイントで解放はできないんですよね)

(できない仕様と思われます)


 うーんどうすればいいのかわからない。今のところ何もできないようではあるけれど……



(だったら、あんまり気にしないのが吉だと思うよ? そんなに気にしてたらちょっと人間関係に影響出そうだし)



 余計なことは忘れるに限るとは思うけど……それをこいつが言うかぁ?



(お前が作ったシステムのはずなのに……)

(記憶は本体にしかありませぇ〜ん)

(コイツ……)



 未だ俺の人脈は村の中で完結していた。師匠の知り合いがどのような人のなのかはわからないけれど、外部の人間と話す機会は少ないし楽しみだなぁ。



―――――――――――――――――――――――――

【アルガ•リベルタ】 (5歳)(称号)努力家


(Level )16 次のレベルまで〈101rp〉  Spt〈20Pt〉

 HP 85/87

 MP 88/92

 SP 97/101

 筋力 39

 耐久 32

 敏捷 41

 魔法力 43

 運命力 30

 アルフィドの瞳 クラス 2 (Cond 7歳)

         ・簡易鑑定 解放済


〈戦闘技能〉

 Active

 [魔法]

 ・生活魔法               +

 ・無属性魔法 (初級)

 ・火属性魔法 (初級)

 ・水属性魔法 (中級)

 ・風属性魔法 (中級)

 ・土属性魔法 (中級)

 ・雷属性魔法 (初級)

 [闘法]

 ・格闘闘法 (初級)

 

 Passive

 ・属性魔法の心得(火・水・風・土・雷)

 ・武術の心得(格・剣・杖)

 ・無詠唱 (初)

 ・魔法合成  (中)

 ・闘気解放    闘気の使用権限

 ・渇望の大力   筋力の成長性に補正   

 ・恵まれた体躯  耐久の成長性に補正   

 ・駆け抜ける疾走 敏捷の成長性に補正   

 ・湧き出す魔力  魔力の成長性に補正   


〈非戦闘技能〉

 Active

 なし


 Passive

 ・家事師 家事を行う際の効率向上

 ・目覚ましい成長  6歳までの成長補正

 ・異界言語 異界の言語を理解できる

 ・初級演技 演技が少しだけ上手くなる

 ・黄金の肉体 

      肉体の成長を理想的なものに補正

 ・不遜幸面 

      万人に愛される風貌へと成長予約


                      +

――――――――――――――――――――――――






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