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魔王はなぜ死ななければならないのか  作者: For AP
第二章 始まりの村
15/32

13話:魔眼

 


 「—————なんだよこれ……」




―――――――――――――――――――――――――

【アルガ•リベルタ】 (4歳)

 (称号)ませた子供

(Level )3 次のレベルまで〈24rp〉  Spt〈15Pt〉

 HP 19/21

 MP 5/15

 SP 21/52

 筋力 11

 耐久  9

 敏捷 12

 魔法力 7

 運命力 9

 ーーー魔眼クラス 1 (Cond Lv10)


〈戦闘技能〉

 Active

 [魔法]

 ・魔力強化(ウィスマギア) 無・初


 Passive

 なし


〈非戦闘技能〉

 Active

 なし


 Passive

 ・家事見習い 家事を行う際の効率補正小

 ・目覚ましい成長  6歳までの成長補正大

 ・異界言語 異界の言語を理解できる

 ・初級演技 演技への補正小

                      +

――――――――――――――――――――――――




 右目に魔力を集めることができたと思った瞬間、目の前に半透明な何かが現れる。あまりの驚きでついつい声が漏れてしまったのだが———————シトリーは…おきてないな。よかった。


 それにしてもいきなり現れたこれはなんなんだ。驚かしやがって。そうイラつきながら改めて半透明の板を確認してみると、懐かしの日本語の羅列が目に入った。————見覚えがある項目ばっかりだし、まるでゲームのステータス画面みたいだな。……書いてあるのは俺のことみたいだけど…何だよこの称号、適当すぎるだろ。


 (おっ!やっと気づいてくれたか!)


 ポップアップした画面をじっくりと観察していると、どこからともなく声が聞こえてくる。不思議と聞き覚えがあるような…ないような…誰だっけか?


 「うわっ誰だ!どこにいる!」

 (僕だよ僕!君の新しい人生での初めての友達!!)


 このウザい話し方と声…どこで聞いたんだっけ…イケボだけどどこか軽薄な……大して記憶に残っていないような関係性の相手……頭を指でトントンと叩きながらどうにか記憶を捻りだす。


 「あ!お前もしかして、あの白い部屋の男か?」


 心当たりとして閃いた相手は4年前に出会った例の白い男だった。友達になった覚えなんて一ミリもないけど、多分そうじゃないか?いやそうとしか思えないな。


 (フィドだっての!!おまけをあげるって言ったんだからもう少し気にかけてくれてもいいじゃ無いか!忘れたまま4年間も過ごしてくれちゃって!)


 フィドはそうやってはぼやきを口にする。そういえばそんな名前だったような覚えがある。でも確かに今考えると、なんであの時のことを忘れてしまっていたのだろう……?結構衝撃的な体験だったと思うのだけど…それほど異世界での生活が充実してたってことかな?


 「悪い悪い、忘れてたわ。……てかお前どこから話しかけてるんだ?」


 バツの悪い俺は疑問を口にして話題を変えようと試みる。


 (脳内に直接話しかけてるんだよ!ったく!アルガ君ったら…なんか態度悪くなってるし……)

 「態度は仕方ないだろ?転生させてくれたことには感謝してるけど、この世界に転生した時、死にかけたんだから」


 フィドの悲しげな声で、なんだか悪いことをした気になっていたが、転生当初のことを思い出したら怒りが沸々と湧いてきた。なんで俺が謝っているんだ!?


 「あの時は前世で死んだ時以上に怖かったんだぞ!父さんが迎えにくるまでの数時間生きた心地がしなかったんだから」

 (死にかけたのは仕方ないんだよー。元々、この世界では死ぬ運命にあった子供を君の依代にしたんだから。そうでもしないと不都合が色々起きてしまいそうでさー)


 そうフィドは弁明してくる。…そんな理由があったのか。なら許さんこともないか。まぁ過去のことだし、忘れてやらないでもない。


 (許してくれてありがとうアルガ君。あ、それと別に話さなくても話したいことを思い浮かべるだけで僕に伝わるよ?そうしておかないと君すっごく怪しい人になっちゃうからね)

 (初めに言っておけよ!!)

 (ごめんってば)


 ちゃんと聞こえてるようだ。なんだよわざわざシトリーが起きないように小声で喋っていたのに……


 (で?なんでわざわざ今、この瞬間話しかけてきたんだ?4年前のあの日に色々説明してくれても良かったんじゃないか?)

 (こっちにも色々あるってことさ。あんまり気にしないでくれよ。タイミングについてはこの機能を説明しようと思って今なんだ)


 フィドは捲し立てるように早口で言葉を紡ぐ。いやテレパシーだから言葉じゃないのか。


 (この機能って、この半透明のステータスウィンドウみたいなやつのことか?)

 (そうそう!君はゲームが好きみたいだったからね。君の能力をゲームのように数値化するステータス機能を用意したよ!)

 (じゃあこの視覚がおまけってわけか)

 (そうそう!でも自分の能力を数値化する機能だけじゃなくて、成長をコントロールできる機能もつけてるよ!!簡単に言うならばレベルアップや修行した時に得られるスキルポイントを自分で自由に割り振れるってことさ!)

 (なるほど!めちゃくちゃいいじゃんか!)

 (お?やっぱり嬉しい?おまけとは言ったけど、強くなるためにはすごく便利な機能なんじゃない?)


 自分の成長をコントロールできるってことだろ?十分チートじゃねぇか?それにちょうどさっき魔力を視覚化してほしいなと思っていたところだ。


 (努力次第ではあるけど、無限の可能性だからね。確かにうまく活用すれば凄まじいアドバンテージにできると思うよ?)


 自分をどんな風に強化していくのか夢が広がるな。一人の人間としての人生ではあるものの、本当にゲームのキャラを育成している感覚になってしまいそうだ。


 (ゲーマーとしてどう?同じものが好きな同志として用意してみたんだけど……心がくすぐられない?)

 (流石にくすぐられまくりだろ。言わせんなよ)

 (だよねー。楽しんでもらえるように作ったからさぁ感謝しろよぉ〜?)


 ヘラヘラとした笑い声が脳内に響く。顔なんて見えないが、さぞかしニヤついているのだろうなと感じる声音だ。まぁこればっかりは感謝だから文句は控えておくか。


 (それにその魔眼も成長していってね。最初は自分の能力しか見れないんだけど、瞳のクラスを上げていくともっと色々なものがみれるようになっていくよ!)


 魔眼…ああこのステータスウィンドウって魔眼の能力扱いなのか。ステータス欄にもある通り、ステータスの起点となっているのは右目なのだろう。それにしても魔眼か…なんか古傷がくすぐられるような感覚だ。


 (お前なかなか男心が分かってるじゃねぇか。どうやったら魔眼のクラスは上がってくんだ?)

 (でしょう?自分で言うのもなんだけど、中々オタク文化に造詣が深いんだよね!)


 思わず褒めてしまうとすかさずフィドは嬉しそうな声で自慢し始めた。褒めると調子に乗るタイプだなこいつ……面倒くさいから褒めないようにしよう。


 (クラスの上げ方だけどそれはその時によるとしかいえないかな?例えばだけど今の魔眼はクラスIからクラスIIに上げるために、アルガくんのレベルを10にする必要があるね)

 (ああ、このcondってやつか。じゃあランクを上げるごとに条件を確認しなきゃだな)

 (そういうこと。ステータスはこまめに見てね)

 (進化したら他人のステータスを覗けるようになったり弄れるようになったりするのか?)

 (いんや。そこまで行くと単なるチートだからね。他人のステータスも少しは覗けるようにはなるけど、結局のところアルガくんを強化するコンテンツばっかりだよ)


 とはいっても現時点でほぼチートだから、なんでそこまでチートじゃないことに気を配っているのかわからない。まぁそんなことをいくら考えても俺じゃあ知り様がないし、どうでもいいことだから具体的に何ができるのか探っていくことにしようか。


 

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