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第51話 棺桶、帰還する

「フィンさまが人間の体に戻られるようで、おめでとうございます!」


 女神ネットから元のキャンプ地に俺とマイアは戻ってきた。

 そうか、ここにルダちゃんが来てたのか。妹の魂をドーナから回収していく必要、あるもんな。


 そしてメルリーネから祝福を受ける。

 3日後に自分が元に戻ることなど、もろもろの話もしていったようだ。


「突然。女神樹の顕現体が現れて。驚いた」


 俺たちと話しながらそういうことも並行してやっちゃうあたり、人間離れした存在なんだなと。

 改めて世界女神樹としての力を認識する。


 キャラ的にはドジっこゆるふわお姉さん(たゆん)なのになあ。

 ……全裸で降臨した時に鑑定して記録映像を残しておけばよかった……


「エッチマンの雰囲気を感じるっしょ……?」


 ごほん。ほんとに気配でそういうのを感じるんだなマイアは。


「しかし。マイアの挙動。面白すぎ。女神樹のとこ行ってる間。堪能した」

「ぐぐぐ……だから女神樹ネットにアクセスしてるところ見られたくないのねえ……つかドーナっち

 めっちゃプルプルしてる!? 思い出し笑いするなっしょ!!」


 また頭を抱えるマイア。


「はっはっは。今後もおもしろ芸の一つとして磨いていくがよいぞ」

「かんおけは黙ってるっしょ!」

「3日後には人間だもんねー」

「楽しみですね! フィンさまはどんな姿をしておられるのでしょう」


 うっ、実物を見て幻滅されませんように……


 この際ルダちゃんにリクエストして絶世のイケメンにしてくれもらうか……?とも思ったがこれ以上、自分以外の何かになるのも、勘弁してくれって感じだ。


「そういえば女神樹ルダ様から、魔王討伐の報酬が私たちにもいただけるとの話があったんですよ!」

「おお!? それはめでたいな!」


 メルリーネは永久追放措置を撤回して故郷に戻れることを、エルフの里の長老たちに約束させ。マイアは今度こそ本当のレベルアップを果たし、上級精霊として高級家具の地位を保証。

 ドーナはかつての人形の持ち主の元へ、人間として新たな家族の一員に。


 粋な計らいをしてくれるじゃないかルダちゃん……!!


「そうかそうか! メルリーネは追放を取り消されてマイアは念願の出世、ドーナは本当に人間として

 家族になると!」


 全方位でハッピーエンドじゃないか。

 ドーナの持ち主も生きてたんだな、良かった。


 騙されてたとはいえ魔王軍に居て人間たちに害をなしたドーナまで、女神の恩寵にあずかれるとは、とも思ったがネクロマンサーとして魂は奪ったものの、消滅はさせずに移し替えていただけなのが幸いした。


 魔王による妨害が無くなった全力全開のルダちゃんが、移し替えられた魂をすべて人間たちに戻してくれるらしい。

 魂を奪われた後に肉体を失った人たちも、いずれ自分のように随時復活させていくと。そして魂を戻すと。


 俺が全滅させたスケルトン師団も、骨の体は消滅したけど魂は離れただけという事なので、それも回収するとのこと。ありがたい。


 スケルトンから離れた魂たちは居場所を失って迷いまくってたらしく、今ではあの場所に怨霊雪原という名前がついたらしい……

 ごめんなあ。棺桶が迷える魂を生み出しちゃって。


 しかし、これからルダちゃんの作業量を思うと頭が下がる思いだな。


「そうかみんなそれぞれの道に……」


 あれ。てことは。

 これで、全員、お別れになるのか……


「……」


 皆もそれが分かっていながら口に出せない雰囲気になり、押し黙ってしまった。

 ――旅の思い出が脳裏をよぎる。

 いつまでも続くわけじゃないことは、分かってはいたはず、だが。

 いざとなると。こうも寂しいものとは……


 いやいや、こんな雰囲気で3日間過ごすとか。

 なのであえて空気を読まない発言をする。


「魔王討伐記念と、皆の道が開けた記念パーティでもやるか!?」

「……良いですね!」

「やるっしょやるっしょ!!」

「……パーティ。楽しみ」

 

 そうだ、永遠にお別れじゃない。

 それぞれの道が開けただけ、その道がずっと違う方向に続くなんてことはない。

 また、何度も重なる。今はそう思おう。


「さてどんなパーティにするかだが……!?」


 ……あれ? そういえばまだここ、魔王領土内じゃないか。


「人間の領土まで送るとかいう話は、どうなった?

 ……また忘れたんじゃないだろうな、あのポンコツ女神j」


 言いかけた瞬間、足元に魔法陣が現れ周りが一瞬暗転した後、風景ががらっと変わった。


 深く暗い森の中から、青い空が広がる、開けた緑の平原へと。

 遠くに見慣れた王城も見える。人間の領土に、戻ってきた……!


「……ポンコツ女神樹ではまったくありませんでしたね有能! さすが! 美人! たゆん!」


 慌てて言いつくろう。

 まあ多少の悪口でいまさらバチを当てるなんてことはしないだろうけど。


「くしゅん!」


 急に太陽の光を浴びたためか、メルリーネがくしゃみをした。


「はは、魔王の領土内に比べてこっちの太陽は明るく感じるな!

 ……さて、王様に褒美とかもらえたり国民から歓迎されるわけでもないが、王城へと凱旋と行こう!

 今日は宿屋を決めて休むにとどめて、明日から騒ぐぞお!!」

『おー!』

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