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第50話 棺桶、目的を達成する

 『勇者』には『魔王』を『倒す力』が与えられる。

 そういう、概念的な力で滅ぼすことが可能だったら……

 棺桶の身には、それが使えなかったとしたら……


「ああ、魔王の復活の件ですね……おそらく人間の勇者であっても完全に滅する事は無理だったでしょう。

 復活の玉座とか、完全に想定外ですわ。こちらの『生還』をモデルに考えられた付与魔法でしょうか……」


 無理だったか。じゃあ封印が一番いい形と言えるな。


「あとお話にあった、地下の棺桶からの魔力経路はこちらにつなぎなおせば、わたくしから魔力を

 供給できますので1万年といわず、自分ある限り無期限に封印は出来ますわ」


 なんだ。それならもう魔王の脅威は完全になくなったと言えるじゃないか。

 1万年後に希望を託すことも出来なくなった魔王デルシア、フォーエバーグッバイ。


「それでは、まず取り戻してこられた妹さんの魂を、元の体に戻します」

「く、腐ってたりしませんよね?」

「大丈夫ですわ。死んだわけではなくただ眠ってるだけですし。教会の地下で安全に保護されています」

「良かった。これで何もかも元通りになるんですね……」


 妹は復活し、自分は元の姿を取り戻す。

 ……今までのルダちゃんの挙動から考えて、ほんとにそんなこと出来るのかやや心配になるが。


「大丈夫。魔王デルシアが封印されたことで、彼女の妨害工作により一部封じられていた

 わたくしの魔力が復活しました」


 おお、そりゃめでたい。


「そもそもが魔王が地上に存在して影響力を及ぼしてる時点で、わたくしの力はやや減衰してましたからね。

 その上でさらに妨害工作をされていたのですが、そういうのが全く無くなった今。

 わたくしはいつでも全然全力全開ですの」


 よくわからんが、ようやく世界女神樹たる力を発揮できるらしい。


「……そうか。かんおけ、アンタはこれから元の人間に戻るのね」


 マイアがつぶやく。


「お? 寂しいか?」

「! ば、バカ言うなっしょ!何でアタシが寂しがると思ったっしょ!」


 今はアバターなので顔は見えないが、赤面してるとみた。


「……今、勇者ミリアムの魂を体に戻しました」

「よし……! よし! ……ありがとうございます、ルダちゃん……!」


 心の底からほっとする。マイアかルダちゃんの手を取って小躍りしたい気分だ。魚アバターなので出来んけど。


 しかしこれで本当に、目的の一つが達成された。

 長かったようで短かったような、不思議な気分だ……


「……では次にあなたの肉体を復活させ、魂を戻す魔法を使うわけですけども」

「けど……? 何かあるんです?」

「あの骨クズから完全に肉体を修復させ、棺桶に定着してしまった魂を引きはがし、肉体に戻すというのは

 さすがに少々時間と手間のかかる大魔法になりますの。あと3日間ほど猶予をくださいませ」


 クズておい。

 しかし、そんなに時間がかかるのか……まあ魂は確保してあるとはいえ死者蘇生みたいなもんだからな。


 基本的にそんな大魔法、誰も使えない。使えるとしたら世界女神樹だけだろう。

 その顕現体が言うのだから、ここは首を縦に振るしかないな。


「よろしくお願いします」

「しばしお待ちを。なかなか複雑な魔法陣の構築、魔法術式を展開しなければなりませんので……ああ面倒くさい」


 面倒くさいっつった! この女神!


「その間、仲間の方々とゆっくり過ごされると良いでしょう。

 あなた方が今いる場所から、人間の領土まで送り届けてさしあげます」


 それは正直ありがたい。魔王の領土(魔王はもう不在だが)からまた旅を続けなきゃならんとこだった。


 ……しかし、3日後か。


 人間に戻ったら、まず何をしようか。

 美味いものを食べるか、温かい布団で寝るか、風呂か。

 いや、ただ足を使ってぶらぶら散歩するだけでも楽しいかもしれないな……


「この度は色々とご迷惑をおかけしました。改めて謝罪しますわ。

 そして魔王討伐、本当にお疲れ様でした。心より感謝申し上げますわ」


 深々と頭を下げるルダちゃん。


 なんだかんだで終わってみれば楽しかった、と言える。心から。

 棺桶の身は色々不便でもあったけど、棺桶だからこそ出来ることもあった……


 ……ほんとか!?


 ま、まあ元の体に戻れるんだから、その辺の色々は良しとしよう。

 楽しかった冒険と、ルダちゃんの谷間に免じて……

お読みいただきありがとうございます!


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