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第34話 棺桶、再び魔王討伐を宣言する

「もしかしたらと思ったんですけどねー。やはりあなたは平凡マンさんでした」


 平凡ていうな! マンもつけるな! さんも!


「あ、失礼。間違えました。棺桶マンさんでした」


 それも違う!!


「そうだとすると、本当に妹さんの血で勇者の力に目覚めたのですね。前代未聞の出来事ですわ。

 しかし同じ血を引いてるはずなのに、妹さんは勇者で、お兄さんは棺桶とか……落差がすごいですわね!あはは!」

「それはあんたがやったことだろーがー!!」


 ルダちゃんは本当に反省されておられるのですか!?


 すぐ近くでマイアも爆笑している。

 こいつらー……


 まあ、器の件は今となってはどうでもいいかもしれない。

 あったにしろなかったにしろ。勇者の力を全開で使えているのは事実。

 俺は妹から力を引き継ぎ、ここまでやってきた。もうそれでいい。


 ……と、ここでふと思い出したことがあった。


「……ところで、マイア。以前、自分を消滅寸前まで追いつめた奴は絶対許さない、って言ってたよな?」

「言ってたケド……?」

「犯人、目の前にいるんじゃね?」


 マイアの魂がビクッとなったのを感じる。

 まさか犯人が女神樹とは思ってなかったようだ。さあ、どうでる?


 しばしの間ののち。


「……許した。今、許した。罪を憎んで神を憎まず、しょ」

「……ヘタレ」

「うるさいっしょ!!」


 まあともあれ、これでようやくすべての謎は解かれたってことだ。

 何もかも女神樹が悪い。あとは責任を取ってもらうだけだな。


「とりあえず、あなた方の調査の目的は果たされたわけですよね。そろそろご退去願いたいところなのですが」


 まだ終わってないわ!


「俺の処遇!まさか棺桶のままほったらかすつもりですか……?」

「あ、そうでした。すいません……」


 しゅんとなるルダちゃん。

 しおらしくしてれば非の打ちどころのない美人お姉さんなのだが。


 とりあえず、今回俺が棺桶放置された責任は取ってもらわないとな……何でもすると言ったからには!


「そんなことは言ってませんが……?」

「とりあえず人間として生き返らせてください」


 それだけが俺の望みです。

 と、ルダちゃんが少しの間遠い目をしたと思うと、


「……あなたの体、既に骨ですわね……」


 俺の死体を見つけたらしい。

 まあ、当然既にそうなってておかしくないとは思ったが……骨。骨か……


「スケルトンとして生きてみます?」


 棺桶の次は骨かよ!?

 望むのはにんげんのからだ! なの!


「もうアンタは人間として生きられない運命っしょ。あきらめるっしょ……ぷぷ」


 うるせー! そんなわけにいくか!


「棺桶マンの次は人骨マン……面白すぎではありませんか?あははは!」


 ルダちゃんまで笑い出してる始末。


「人間の味方を標榜する神が言うことかよお!」

「す、すいません」


 ええい、とりあえず生き返るのは全くの無理なのか!?


「絶対無理ではないのですが……骨となった身から元の姿を取り戻し、魂を与え復活させる。

 かなり大規模なものにはなりますが、そういう魔法はあるにはあるのです」

「なんでそれをやってくれないのかという」

「別にケチってるわけではないのですわ……しかし今、魔王がこちらの魔法展開を妨害しているのです」


 そういえば、次の勇者選別儀式もトラブルで実行できないと日記にあったな。

 魔王の仕業だったのか。


「最近判明したことですが。魔王としてもまた勇者が現れるのは面倒と思ったのでしょうね」


 そりゃそうだな……


 なにせ倒しても倒しても復活してくるのだ。

 敵に回したらやっかい極まりない存在だ。なんとしても妨害するだろう。

 自分もそんなの、絶対相手にしたくない。


「つか、妹の魂が奪われた時。また選別儀式を行って次の勇者を見つけようとしたみたいですが。

 なぜ選別儀式って何度もやるんですか? 第二第三の候補とか出てこないのですか」

「それが、その時点での第一候補しか検索できないんですよね……」


 案外不便な魔法なんだな……


「あと。今の勇者がダメになったらさっさと次、って。諦め早すぎません!?」

「魂が魔王の手元にある時点で、わたくしの力が及ばないようになりますもので……不快に思われるでしょうが

 仕方がないことなのですわ」


 勇者の力同様、万能に見えてそうでもないのかな?


「本来はもっと色々できますのよ!?」


 おっと、急に力を込めて主張してきた。

 ですよね、こんなもんじゃないはずですよね!?


「しかし魔王が地上に存在する限りこちらに悪影響を及ぼしてきますし、今は何かの工作をしているようで

 こちらの力をさらに制限してきていますの。なので、魔王ある限り大規模な魔法は使えず、

 かといって魔王を倒してくれるはずの勇者は魔王の手に落ち……」


 しかし喋ってるうちにどんどん口調が暗くなっていくルダちゃん。


「現状、詰みなのですわ……あなたも何とかしてあげたいのはやまやまなのですが……」


 ……ああ。

 結局、そういうことか。


 俺のやるべきことは、変わらないってわけだ……


「てことは、魔王さえいなくなれば、自分を復活させる魔法は使えるし、やってくれると?」

「そうなりますわね……」

「……んじゃ、交渉成立ってことで」

「え?」


 きょとんとするルダちゃん。


「俺が魔王を倒し、囚われの妹……勇者も救います」


 凄いけどなんか頼りない世界女神樹の顕現体にそう、宣言した。

 思ってもみないことを言われ、驚愕の表情になるルダ・メトセラ。


「なんですって……棺桶マンさんが魔王を……!?」

「フィンです。自分にも勇者の力が備わってます。勇者に魔王を倒すための力を持たせているのなら

 自分にもそれは可能ということです。魔王さえ倒せればあとはどうとでもなるんでしょ?」

「そう……ですけれども」


 そもそもの目的が魔王を倒し、妹を救うことだ。

 そしてそれが俺の復活にもつながる。


 やらない理由なんて、ない。


「やってみせる。何もかも、この棺桶が解決してみせる」

お読みいただきありがとうございます!


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