オイルトテス.4
いつもありがとうございます。
見きり発車です。
仮タイトルから変更しました!
そこにいるのは、プレイヤーなのかな。モヒカンて。革のベストみたいなのの下はシャツを着ないで割れた腹筋をアピールしているのかな?首には趣味の悪そうな鎖のネックレス。
金属アレルギーじゃなくて良かったね。
漫画の荒廃した世界に出てきそうだよ。随分と柄の悪いけど、興味は無いので飛脚の靴の効果で、サーナちゃんの手を引いて、スイスイと進む。すぐにカウンターの前へ。
「おお!」
びっくりしたギルドの受付の美女が、拍手してくれる。やっぱりどの世界でも受付の女性は美人さんが多いのね。
水色の髪色のツインテールで、整った顔立ち。きっとモテるんだろうな。
スタイルも良く出るとこ出てる。ラノベや漫画の女性ってそんなのばっかり。
うん。あくまで弟の奴で知ったんだけどね。
「あの。冒険者登録をしたいんですけど」
「え?ああ、はい。ここに記入して下さいね。氏名と年齢。あと、職種。年齢は、サバ読まないでね?」
受付嬢は私を不思議そうに見たがなにも聞かずに差し出して来たのは、一枚の用紙。そこにさらさらと書いて渡すと、ギルドカードなる物を差し出された。
ラノベでも定番の展開ね。銅色のカードだ。受付の人は、すらすらと説明してくれた。ランクが、G~Sまであると言うこと。ランクが、上がれば、ギルドカードも銅色から、銀色。そして、金色から白銀だそうです。
依頼のこなせるのは、ランクが上がるごとに増えると言うこと。それには、レベルも関わってくること。
依頼は、提示番に張られているからそこから選べること。アナウンサーのように、淀み無くすらすらと説明してくれる。声も可愛い。
「ランクによって報酬も変わる?」
「はい。私のスマイルもお付けしますよ」
「はい?」
「な、なんでもありません。茶目っ気です」
「にゃん?」
てへぺろと舌を出すこの受付の女性は、小悪魔かな。
きっと、何人もの男の人がフラれたんだろうね。
「あ、あの」
その時、私たちの成り行きを見守っていたサーナちゃんが受付嬢に話し掛ける。
「あら、サーナちゃん。どうしたの、依頼?」
「はい。出来れば外の森まで護衛を頼みたいんですけど~」
「じゃあ、依頼書を作って提示版に張りますね。
サーナちゃんかわいいから、沢山張っちゃうぞ」
「え?一枚でいいですよ~」
慌てるサーナを気にせずに受付の人が、依頼を作成してる間に思いついた。
「その護衛、私がやろうか?」
「え?いいんですか?マキさん、お客様なのに!」
そんなにびっくりしなくても。私、冒険者になったんだし。
それに、その辺にいる冒険者なんか怖いし。ムキムキのロリだったらサーナちゃんが危ないし。
いや、もちろん人を見た目で判断しちゃ行けないんだけども。
男の人がサーナちゃんの依頼を受けたら心配で気になってしまうよ。無関心の私でも動くときは動きます。
依頼 護衛
宿屋の娘サーナを護衛して、森の奥の家まで行こう
報酬 銅貨15枚
同行者
サーナちゃん
職種モリガール
Lv.1
HP10
SP8
STR3
DFF2
SPD3
LUK1
SKILL 森の癒し-森を歩くたび、HPか少しずつ回復する。
看板娘-かわいくて色々と助けてもらえる。
天使の微笑み-見る人をキュンキュンさせる。
これは、サーナちゃんを鍛えて最強にしたい!なんてね。
「にゃう」
あ、あんずが嫉妬してる?ごめんね。
でも、職種がモリガールって。何年か前に、ファッション紙にそんな特集あったけども。筋肉モリモリのモリガールって意味じゃないよね。
私も、職種を考えた方がいいよね。学生のままでいいのか。まあ、Jkも今だけだけどね。
でも、レベル1がこのステータスだとするなら、私のはチートとも呼べるのかな?鍛えたら凄いことになりそう。ともかくこの依頼を受けることにした。
「ちなみに依頼を受けて、何ヵ月も達成してないと失敗になります。そのときは、ペナルティとして銀貨5枚いただきますね。それとも私がハイヒールで踏み踏みってのもあります。それはある一定の冒険者たちに大人気で私もストレス発散やっほーい!
おほん。失礼しました。他にもギルマス……ギルドマスターの臭い息を吐きかけられるです」
笑顔で、そんなこと説明されたよ。どのペナルティも嫌なんだけど。まじめに依頼をこなしつつ、のんびり散歩すればいいか。
「依頼受けてくれてありがとうです」
「いえいえ。さ、行こうか」
宿屋の前に戻った私たちは、準備を整えてから出発することにした。
森は、私が入って来た出入口とは反対側みたい。一旦宿屋に入ってすぐに出てきたサーナちゃんは、皮袋を持っている。お届け物かな?
「さ、行きましょ」
これが初の依頼なので少しだけわくわくするかも。
「いいですね……あ、悪いんだけど、職業決めたいんだけど」
JKのままでもいいんだけどそれじゃあいざというときにサーナちゃんを守れないかもしれない。
「はーい。転職ですね」
それは、ギルドの隣にあった。長年経営しているのかギルドに負けず劣らず古い。中に入って戸惑う。見たこともない種族だよね。
例えるならば、粘土を固めて人を作ったような感じだよ。そいつがカウンターの向こう側で暇そうに口笛を吹いていた。
「あれは……?」
「あれ?泥族ですよ。会ったことありません?」
ゲームには、まだまだ見知らぬ種族がいるのね。魔物かと思っちゃったよ。
「ドロンさん、こんにちわ!」
「おや、サーナじゃねーの。ついに俺と泥まみれになる覚悟が出来たのか?なんてな!がはははは!」
こいつ、なに言ってるのかな。それに、泥遊びを子供としようなんて。ヤバい奴か?さりげなくサーナちゃんを守れるように前に立つ。
「やーだ、ドロンさんたら。子供をからかって!マキさんの転職の付き添いです」
ドロンがこちらをみる。精巧なねんどの創りもの。アートだね。胸筋をぴくぴくさせるな。
「こんにちわ、ども」
「あ、ども~。うぃ~。転職?それはいいなー。泥族になればいい。最高だぞ?毎日好きな泥を食べれるし普通の人間の食事も出来る万能さ!フィギュアもお手のものさ!ジェシカ」
誰がジェシカだ、誰が。なるわけないだろう。この人。人でいいんだよね?なんか調子狂うな。適当そうだし。ヤバいな。このゲームには感動なストーリーとかないのでは?いわゆるクソゲーって奴?
いや、サーナちゃんがいる時点でクソゲーではないか。他にも可愛い弟がいてもよか……おほん。なにを考えてるのだ私は。
「さてさてさて。マキのステータスを見たいから俺に見せな!丸裸にしてくれるぜ!」
「ちょ~セクハラ」
「あ、と。マキ、からかってる?」
私のステータス画面を見て顔をしかめるドロンさん。
初対面でこいつは呼び捨て?グーパンしそうになったんだけど。
「え、なに?」
「生まれついた職種以外は、レベル10からじゃないと、転職出来ないっしょ!?常識よ?マキマキ」
マキマキ言うな。ドロンが、身振り手振りで馬鹿にしたように教えてくれる。
呼び捨てにしないでね、うん。私に馴れ馴れしく呼び捨てにしていた教師みたいで嫌だな。そいつは下心丸出しで見てきてイラついたわ~。
「もう、ドロンさん!態度悪すぎ!行こ、マキさん。こんな人だと思わなかったよ」
サーナは、頬をプンプンさせて私の服の袖を引っ張るので、私もあかんべえをして店を出る。
「おいおい、そんなに俺を褒めるなよな……あ、サーナちゃん?冗談だよ!冗談!初めての人に緊張しないようにふざけただけだぜ?」
ふざけたら、駄目じゃん。慌てるドロンは、サーナちゃんが怒っておろおろしている。
おろおろしてる。いきなり腕立てを始めてるし。でも、少しいい気味。ごめんね。
サーナちゃんは、店を出ると謝ります。
「ごめんね。マキちゃん。ドロンさんは普段とっても優しいんだよ。お菓子くれるし」
それは、ロリだからじゃないのかな。なんて言えないか。サーナにお菓子を上げたくなる気持ちは分かるけど。
「てか、マキさん。強そうな装備していてまだレベル10になってなかったんですね。以外です」
ぐさりとも来ない。私はそんなこと気にしないし。
「まあね。でも、大丈夫だよ」
「いやいや。あの、私の目的は薬草採取と、もう一つありますけど、少しレベル上げましょうよ」
「……分かったよ」
サーナちゃんの可愛さにはつい甘やかしたくなる。私は、妹キャラに弱かったのか。
「いやいやです?」
だって、のんびり散歩でいいんだもん。スイスイと動けるので、サーナちゃんに、歩幅を合わせて歩く。
「にゃあん」
「ごろごろにゃ~ん」
「ふにゃにゃん」
なんかやたらと猫がいるな。屋根の上。路地裏からこっちを見て鳴いてるよ。
街の出入口に向かうと、門番が大欠伸している。連られてあんずも……て、なんだろう?ここに来るまでに猫たちににゃあ、にゃあと挨拶されたんだけど?あ、もしかして猫大好きのスキルかな?そんなの持ってたっけ?
つづく
ドロンさんは、泥族。普段は湿地帯に住んでいるんだ。
この街に来て、見た目で馬鹿にする人もいるから、ひねくれた性格になったよ。
サーナちゃんは、普通に接してくれたからとても、甘々なんだって。
ドロンさんは、泥族。普段は湿地帯に住んでいるんだ。
この街に来て、見た目で馬鹿にする人もいるから、ひねくれた性格になったよ。
サーナちゃんは、普通に接してくれたからとても、甘々なんだって