にゃんにゃんのおうち.2
タイトル少し変更しましたです。
よろしくです!
「さあさ、ギルドのおねえさん。おれちゃんたちと遊ぼうぜ」
「いひひひ」
「うふふ。駄目ですよ」
「へひひひ!そう言わないで、満足させてやるからよ」
なんか、入りづらいんだけど。そして、確実に嫌われると分かっていて、最低な発言を堂々と言えるなんて、ある意味度胸がある。
街の代表の子供とその仲間たちがアホみたいに笑ってますよ、街の代表。誰か知らんけど。
「クインさん」
「マキさん、どうしたの?」
クインさんは、ホッとしたように私の後ろに隠れる。
「マキさんを待っていたらこの人たちが絡んできて」
「あなたたち、嫌われてるみたいですよ?ハズイよ」
「ひょお!かわいいねーちゃんじゃねーの?」
猿の亜人、手に持つシンバルをバシバシ叩くと嬉しげだ。猿め。うざい。
昔から猿って見たら、イラッとしてしまうよ。昔、田舎のおじいちゃんに動物園に連れて行ってもらって菓子パンを食べていたら猿に奪われた。泣いたな。それに、学校行くときいつもナンパしてくる。その人たちが猿に見えて腹が立つ。
私の殺気を察知したのか、ぼんくらたちが怯むけど逃げない。
エロい気持ちが勝ってるんだね。しょうもないよ。
「おいおい、おじょーちゃんよ?俺様は街の代表だぜ?逆らうとどーなっても知らないぜ?」
なにあれ、ださっ!待ち合わせ代表と言うのは、貴族と違って人望の高い者が住民の選挙で選ばれるとロッカーさんが教えてくれた。だから別に偉くもなんともないのだ。
勘違いさんなのだ。この人は。だけど、甘やかされてるんだろうね。
年上って、年下に見本を示す立場だと、常々道場の師範から教えられて来た。
なので、こう言う年上を見るとムカつきます。派手な服装とピアスが不快だよ。
「……」
「おうおう。ブルブル震えちゃってさ。産まれたばかりの小鹿みたいで初だな!知ってるぜ?貴様、猫好きの冒険者だろう?」
ブルブル震えているのは、キレそうだからです。あんず、他の猫たち、我慢だよ。毛を逆立て威嚇している。気持ちは分かるけどね。
誰か、止めてくれないかなと周りを見渡しても、遠巻きに見守るばかり。だよねー。みんな、自分が一番だよね。だから私は、人に無関心になったかもね。今は、苦笑するだけだけど。
「冒険者のくせに、きれいなおべべ着ちゃって~」
今時、おべべはないでしょ~。古代語だよ。
取り巻きが触ろうとしたのでつい、払い退けてしまったよ。
「触るな!けがわらしいな」
「フニャアアアアアア!」
「ニャオオオオオオオ!」
「てめー!痛い目にあいてぇみてぇだなぁ!やっちま……」
「止めておけ」
殴りかかりそうな三下たちを止めたのは、意外な男だった。
端正に整った顔立ち。いつも、不機嫌な表情。尖った耳。エメラルドでした。
「なんだぁ?てめえ!エルフの分際で、俺に指図するのか?」
あ、怒った。ぼんくらたちが食ってかかるのを、見事な体捌きでかわす。そして、足を引っかけて転ばしてる。やーい。ざまみろ。
「お、覚えてろ、このエルフが!」
「貴様の店を潰してやる!」
「……それをしたら、貴様を確実に潰すぞ?薄汚い人間風情が」
あ、怒ってる。いつも、ツンツンしてるけどさ。どっちが悪者か分からないけれどね。
ぼんくらたちが逃げた後は、周りの歓声にムスッとしている。そして、小さく呟いているのが聴こえた。
「…見てるだけで、なにもしなかった奴等が調子の良い」
そして、こちらにやって来るので、私は頭を下げる。ムカつく奴でも礼を言うのは礼儀だ。感謝してるし。
「……あの、助けてくれてありがとう」
「エメラルド様、ありがとうございます」
「にゃあん」
三人で、お礼を言うと、少し照れているのかそっぽを向いている。もしかして、ツンデレかな?かな~?
「……別に。貴様たちを助けた訳ではない。猫たちに怪我があってはならないからな」
恐る恐る肩に乗るあんずに手を差しのべると、されるがままに撫でられてる。相変わらず、かわいくないな、この人。あんずを撫でてだらしない表情してるけど。ま、いいか。
「あの、エメラルド様。明日からがんばってくださいね?ギルド職員として応援しています」
「……ああ。人間風情が応援するな」
ムスッとして去っていく。もう、そんな失礼な発言されてもあまり、ムカつかない。あの人は怒ってるんだろうね。住む森を焼かれたことを。
「エメラルド、何かするの?」
「はい。明日からまた、冒険者として頑張るそうです」
「あ、冒険者だったの?」
あの体捌きを見れば納得だけどね。微笑みながら、クインさんは話しを続ける。
「ええ。エルフの兄妹は結構有名なコンビでしたが、周りにきつく当たるので不人気でしたけど……ギルドとしては助かってました。その後、甘いものにはまってしまい、自らお店を立ち上げたのです」
「ふーん」
素直に称賛する。自分の立場で考えるとお店を開くなんて怖いよね。
ざわつきも取り戻し、夜の街の賑やかさを取り戻していく。
「……では、お話しを聞きましょうか」
にこりとクインさんに微笑まれ、カフェに入ると、店のせいじゃないのに、激シブのマスターが頭を下げて来た。いいですよ、別に。あなたがなにかした訳でもないしね。
つづく
クインさんは、パンケーキが好きなんだよ。後、一週間に二三回ナンパされるから、嫌気がさしているんだって。




