表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

秋の桜子詩集

初めて貰った バレンタイン

作者: 秋の桜子

どうする どうする どうする どうする


貰った!もらった!


貰ってしまったぁ!



タオルを借りて


少し話をするあの子


気になってた 気になってた


もっと話をしたいな


もっと知りたい


一緒に並んで


あ、歩きたい……


そんな俺にやって来た


聖なるバレンタインー!


神様、ありがとうございます



心臓が、バクバク バクバク



そう!返事を!返事を!


しなくては


す、すすすす……


い、言える……のか?



俺は 悩みになやむ


夜を過ごし


ほぼ徹夜で 朝を迎えた



その日の授業は 覚えていない


小テスト?何を書いたやら


覚えてない


後で 追試の決定は わかっている


とにかく ギクシャク ギクシャク


全てが 固く 緊張の世界



い、いつ!いつ!いつー!


いつ、よ、呼び出し?こ、声かけ?


め!メッセージ!アカン


クラス連絡網だから


先生にも バレてしまうがなぁぁー!



俺はつくえの上に突っ伏して


腕の隙間から あの子をうかかがう


友達の子といるなぁ、うぐ!


その子が俺に突き刺す様な


視線を送る、早く言え!


そう言葉が槍になり、飛んできた


グサリ!と突き刺さる



どうする どうする どうする どうする


言わなきゃ 言わなきゃ 言わなきゃ



周りを見れば それとなく


ほんわかムードの 友がいる


くっ!アイツ いつの間に


返事をしやがったのだー!



ほ、放課後、放課後、放課後


俺はそう決意をすると


チャンスを伺う。



神様 かみさま!力を貸してくれ



なのに やってしまった!


気がつけば あの子の姿がない!


慌てて俺は


君の部室の方向へ向かう



心臓が、バクバク バクバク



お願いだから


そこまでの間にいてほしい



そして追い付いた 間に合った!


かみさまが チャンスをくれたかな



あ!あの!あの!待って……



後ろ姿をとらえて 声をかける


振り返る


ちくしょー!足が震える!


唇を嘗めて 一世一代 大勝負



あ、あの!ありがとう!


ウウンと 赤くうつむき


頭を振る


流れる


ぎこちない


沈黙


……!


おわ!どう言えば!どう言えば!


俺は言葉に詰まる


早くしないと、じゃぁって


このまま去ってしまう



なので、なのでー!



俺は手を差し出した



そして


よろしくお願いします!


一礼と共に 頭を下げた


情けないがこれが


俺の出来ることの


精一杯なんだよ!


だから かみさま 神様ー!


この想い この子に届けてくれ。



そして 俺は


閉じていた 目を


そろっと開けて


顔を上げ



……見る。



気になるあの子は


とびっきりの笑顔で


真っ赤になって


あ、ありがとう


うれしい


よ、よろしくお願いします!



ぐ!か、可愛い



もう、俺……



ここで死んでも いい。






























評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 可愛いって言ってる男の子がすごい可愛かったのですよー
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ